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鈴村くんは間違えない  作者: シア
第3章 『親睦会』

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第38話 遠坂の決意

「それでは桜庭さくらば会長、俺らはこれで失礼しますね」


「さよならッスー、みやびっちー」


「はい、お疲れ様です。また明日」


 柳美奈やなぎみなの突然の告白により、柳の悩みの解決のため、そして、『本当の恋愛』を知るために遠坂湊とおさかみなとは柳との一週間限りの同棲生活を始めた。


 同棲生活もまだ二日目ということもあり、柳と遠坂の二人は普通のカップルがどのように同棲をしているかを調べ、それを真似るように生活を始めた。


 青海おうみ学園生徒会室を後にする柳と遠坂の後ろ姿を見ながら、木下咲良きのしたさくらが苦言を呈す。


「…………遠坂、本当に柳副会長に下心とかないんですかね」


 その言葉に、桜庭が返す。


「木下さん、もしかして遠坂君が下心で柳さんと同棲してるとお思いですか?」


「いやだってそうにしか見えないですよ……。遠坂のあの提案は言ってしまえば『親睦会』の延長みたいなものですけど、年頃の男女が一つ屋根の下に住んでるんですよ? 下心しかないですよ」


「人をそういう風に判断してはいけませんわ、木下さん。私は遠坂君を信じています。しっかりとうちの生徒会メンバーとも親睦を深めようとする遠坂君のその姿勢。私はとても感動していますわ」


「…………その感動が無駄にならないといいですけどね」


 桜庭はうれし涙を流しながら言っていたが、それを見て木下は少し呆れ顔で言った。


 木下は「まあ、でも」と続ける。


「遠坂があんなこと言うなんて珍しいですよね。あまり友達とか作りたがらないのに」


「そうですわねぇ。そんな一面も知っているからこそ、遠坂君の提案には悦んで賛同したのもあるのですけどね」


「なんの思惑があるのかは知らないですけど、後悔しない選択をしてほしいもんです」


 木下は密かに期待の目を遠坂に向けていた。




                  *




「さて、無事に帰宅できたわけですが……」


 遠坂は柳と同棲する家へ帰宅してすぐ、柳に不満を述べた。


「……昨日も言いましたが、家へ帰ってすぐ着替えるのはいいんですけど、脱いだ服くらい片付けてくれませんかね」


 遠坂の額には怒りマークがついていた。


 そんな遠坂の言葉には目もくれず、ソファに寝そべってゲームをしながら柳は言う。


「うちはこれが普通なんスよー。そのうち持って行くからそのままにしておいてほしいッスー」


「……あのですね、柳副会長。この同棲生活がどういう目的だかわかってますよね?」


「わかってるッスよ。うちと結婚するためッスよね」


 遠坂の額には二つ目の怒りマークがついた。


「……同棲をするとその人の『裏』がわかるとはよく言います。ただその人を好きというのは、あくまでその人の『表』を見ているだけに過ぎません」


「そうッスねー」


「同棲して初めてその人の『裏』があらわになり、それを見て幻滅し同棲どころか、関係を断ち切るカップルも少なくありません」


「そうみたいッスねー」


 遠坂の額には三つ目の怒りマークがついた。


「改めて聞きますね。この同棲生活がどういう目的だかわかってますか?」


「だから言ってるじゃないッスかー。うちと結婚するためだって」




「いい加減にしてもらえますか?」




 遠坂はついに我慢の限界が来てしまい、溜まりに溜まった怒りの感情をそのまま柳にぶつけた。


 柳はその野太く、低い怒りの声に少し驚いてしまう。


「ど、どうしたんスか湊っち。何かあったんスか?」


「ここまで言ってまだわからないんですか? 本当に俺のことが好きなんですか? 本当に許嫁との結婚を断る気があるんですか?」


「あるッスよ」


「じゃあその態度は何なんですか! 同棲する上で一番大事なこと。それは家事の分担や買い出しの分担でもありません。一緒に住む相手のことを受け入れることができるかです」


「それはわかってるッス」


「…………それでいてその態度なんですか」


 遠坂は呆れていた。


 遠坂の言う通り、人はまず異性の『表の姿』を見て好きになり、カップルとなる。そのまま同棲することになった場合、おのずとその人の『裏の姿』を見ることになる。


 その『裏の姿』は自分の理想の姿である場合もあるが、自分が受け入れられない姿である場合もある。


 今の遠坂の目に映る柳の姿は、まさしく『自分が受け入れられない姿』の柳であった。


「……うちはわかっててやってるッスよ。敢えてこうしてるッス」


「敢えて?」


 柳は遊んでいたゲームをやめ、ソファに座って言う。


「この同棲生活も始まって二日目ッス。顔合わせまでかなり短い期間で、うちのことを湊っちに効率よく知ってもらうにはどうすればいいか考えたんスよ」


「その考えた結果がこれですか」


「そうッス。取り繕うことなく、ありのままの自分を見せる。これがうちが出した答えッス」


「それを見て不愉快になっている人間がここにいますが」


 遠坂の怒りは治まらないでいた。


「言ったはずッスよ。『本当の恋愛』を教えるって。これがそういうことッス」


「……どういうことですか?」


 だんだんと冷静になってきた遠坂は柳に問いかけた。


 柳はソファの後ろに立つ遠坂に顔を向けて言う。


「いいッスか? うちはありのままの姿を見せたッス。そして湊っちはそれを見て今めちゃくちゃ怒ってるッス。これは今のうちを受け入れられないという気持ちの表れッス」


「仰る通りです。今の俺に、柳副会長を受け入れることはできません」


「でも、それを受け入れられる気持ちがあるならどうなると思うッスか?」


「受け入れられる気持ち……?」


 柳は立ち上がり、遠坂に歩み寄りながら話し始める。


「同棲をするうえで必ず知ることになるもの。それは同棲相手の『裏の姿』ッス。学校でも、会社でも見ることのできない、その人しか知らない秘密の姿ッス。さっき湊っちも言ってたッスよね」


「言いましたね」


「それを見て幻滅するのであれば、それは自分が告白しても、告白しなくても、その人とは相性が悪いという決定的な判断材料になるッス」


「その通りです。だからこそ、今俺は柳副会長に幻滅しています」


「でも、それを受け入れてもその人といたいって思うようになったら、どうなると思うッスか?」


「……その後同棲しても、トラブルが起こることは少なくなる、ってことですか?」


「その通りッス!」


 柳はにこっと笑顔になって両手で丸マークを作る。


「『ありのままの自分を見せる』っていうのは、相手とその後の人生を共にするという覚悟が込められているッス。皆が皆そうとは限らないかもしれないッスけど、少なくともうちはそうッスね」


「……ということは、今柳副会長はその覚悟を俺に見せていた、ってことですか?」


「ピンポンピンポーン! 大正解ッス!」


 柳はそう言いながら指で作った小さい丸マークを遠坂の頬につけた。


 遠坂は少し恥ずかしそうにそれを手ではらう。


 柳は照れくさそうな顔をしている遠坂の表情を見てニヤニヤしながらも、話を続ける。


「うちだって生半可な気持ちでここにいるわけじゃないッスよ。湊っちにはちゃんとうちのことを知ってほしいッス。うちのありのままの姿を見て、受け入れてくれるのならそれで万々歳。受け入れてくれないなら、受け入れてくれる努力をするまでッス」


「……なるほど。柳副会長はしっかり考えていたんですね」


「そうでもないなら今ごろうちは実家に帰ってるッスよー」


 そう言って、柳は遠坂に顔を近づけた。


「で、どうッスか? ここまで聞いて、うちの『ありのままの姿』を受け入れてくれるッスか?」


「無理ですね」


「即答!?」


 考える素振りもなく、即座に『否』の回答を出す遠坂を前に、柳は膝から崩れ落ちた。


「す、少しくらい考えてくれたっていいじゃないッスか……」


「うーん……。やっぱ無理です。……今は」


「今は?」


 柳は遠坂に聞き返す。


「柳副会長は普段からそういう性格なんだろうなというのは薄々感じてました。名家の人間なら、『外にいてもしっかりしていなさい』と教えられるのが普通なんでしょうが、学園の柳副会長は全くそうは見えません」


「な、なんか普通にけなされて傷つくッス……」


 柳は遠坂からのトゲのある言葉が胸に突き刺さっていた。


「ですが、この二日間で分かったことがあります。柳副会長は常に『ありのままの自分』を見せていたんですね。それだけで大きな収穫です」


「……? なんでそれが大きな収穫なんスか?」


 柳は首をかしげる。


「だって、普段の柳副会長がありのままなら、俺が変に取り繕う必要もないじゃないですか。今まで通りの感じで顔合わせの日を迎えられるんですよ。……本当はちょっと直してほしいところもありますけど、俺は今の柳副会長でも十分受け入れられますよ」


「み、湊っち……!」


 柳の目は輝きを取り戻していた。


 遠坂は窓の外を見ながら言う。


「俺、ちょっと不安だったんですよ。柳副会長の力になれるのかどうか。だって、曲がりなりにも許嫁同士の顔合わせですよ? そこに割って入るんですから、それ相応の覚悟が必要になります」


「まあ、それはそうッスね」


「一応確認しますけど、柳副会長の許嫁と会うのはその顔合わせが初なんですよね?」


「そうッス。その日が初ッスね」


「なら好都合です。こちらも向こうも、まずは第一印象でお互いのイメージを脳内に作ります。向こうが相当もの好きでない限り、今の柳副会長を見たら即帰りたがるでしょう」


「…………なんでいちいちうちが傷つくこと言うんスか?」


 柳は泣きそうな顔をしていた。


「目的を思い出してください。柳副会長の目的は『許嫁の件をなかったことにすること』です。いくら親同士が決めたことはいえ、行きつく未来は双方の結婚です。必ず同棲する日が来ます。そこで柳副会長たちにいざこざが起きたら、名家なんですから汚名がつくでしょう」


「……まあ、それは確かにそうッス」


 遠坂は、「だからこそ」と続けた。




「だからこそ、ありのままの自分を見せて、向こうから願い下げさせるんです。そして、俺という許嫁がいることも伝える。こうすれば、柳副会長の問題は解決するはずです」




「それが、湊っちの考えた作戦ッスか?」


「そうです」


 遠坂は柳の目を見て言った。


「……色々酷いこと言ってすみません。でも、これで俺の気持ちもわかってくれたと思います」


「……なんで、そんな風に言うのにうちに優しくしてくれるんスか?」


「そりゃ、まあ、…………柳副会長のことは、しっかりと理解しないとですし。いざというときに顔向けできないというか」


 遠坂は少し顔を赤らめて言った。


「おやおや? うちの悩みを解決することに必死で、今度はうちのことが好きになってきたんじゃないッスか?」


 柳はニヤニヤしながら遠坂をからかうように言う。


「な、何言ってるんですか。俺は柳副会長の悩みを解決しようと頑張ってるだけです。あまりからかうのはやめてください」


 遠坂の顔はさらに赤くなった。


 遠坂はその場を誤魔化すように、「とにかく!」と話を切り出した。


「今日は柳副会長が夕食を作る番です。ありがたいことに一週間生活する分の食材等は桜庭会長が用意してくれたみたいなんで、夕食作りお願いしますね」


「了解ッスー」


 柳は顔をニヤつかせたまま台所に立ち、夕食を作り始めた。




                  *




「ご馳走様でした」


「お粗末様でしたッスー」


 その日の夕食はカレーであった。


 柳は華道をたしなんでいるということもあり、とても手先が器用であった。


 その手先の器用さは人並み以上の力を発揮しており、また、料理の知識も豊富であったため、料理を作ることは柳にとっては容易たやすいことであった。


「柳副会長、料理うまいんですね。今日のカレーめちゃくちゃうまかったです」


 遠坂は柳の料理の実力に感動しながら言う。


「ほんとッスか? いやー、喜んでもらってよかったッス」


 柳はとても嬉しそうに言った。


 と同時に、遠坂のことを少し睨んだ。


「逆に湊っちは……。料理当番やらないほうがいいかもッスね」


「き、昨日は緊張してたからであって、普段ならちゃんと料理できますからね! 昨日のはたまたまです! たまたま!」


 同棲初日の夕食当番は遠坂であったが、遠坂が作ったハンバーグは一言で言えば「黒ずんでしまった肉の塊」であった。


 遠坂は料理が大の苦手だったのである。遠坂の言い分は言い訳に過ぎなかった。


 柳は翌日の夕食を遠坂に作らせたくないと考えたが、ふとここである提案を思いつく。


「じゃあ湊っち! 明日はうちと一緒に夕食を作るのはどうッスか?」


「一緒にですか?」


「そうッス! 湊っちの料理のセンスは絶望的なので、ここでうちが一肌脱ごうというわけッス!」


「……俺が散々酷いこと言ったからかもしれないですけど、直接言われてすごく傷つきました」


 遠坂は暗い顔をした。自業自得である。


 一方柳は、「かかった……!」という顔をした。


(うちの料理のセンスは湊っちに見せたッス。これで女子力はちゃんとあることが証明できたッス。あとは、この同棲というチャンスを活かして、湊っちと共同作業をすれば、もっと湊っちと距離を縮められるってわけッス!)


 柳の目的、それは『遠坂とさらに距離を縮めること』であった。


 先ほどまでの遠坂との会話で、柳は遠坂が初めは自分の悩みを解決するために同棲生活を始めたように見えていたが、だんだんと遠坂の中で自分に対する好意が芽生えているのがわかっていた。


 少しでもその気持ちが芽吹けば、後はそれを自分の力で成長させるのみ。


 その努力次第で、相手の気持ちをぐんぐん成長させることができる。


 柳の考えていることは、その気持ちを成長させる過程の一環に過ぎないのである。


(これから頑張るッスよ……!)


 柳は意気込んでいた。


 そんな柳の気持ちを応援するかのように、二人の同棲生活は特にトラブルが起こることもなく、お互いがお互いを支え合うような形で順調に事が進んでいた。




 そして、ついにその日はやってきた。


「ついに来たッスね。この日が」


 柳の許嫁との顔合わせ当日。柳と遠坂は、柳家の門の前に立っていた。


「はい。この一週間、お疲れさまでした」


「何終わった気でいるんスか。これからッスよ。これからが、一番の大勝負ッス」


「……そうですね」


 遠坂は覚悟を決めた表情をしていた。


 その表情を見て、柳は目を覚ますように両手で自分の顔をパチンと叩いた。


「それじゃ、行きましょうか」


 柳と遠坂は目を合わせ、大きく頷いて家の中に入っていった。




                  *




「この度は遠路はるばる当家にお越しくださり、誠にありがとうございます」


 五十畳はある広々とした部屋の中央にはテーブルが置かれ、その周りに座布団が五つ用意されていた。


 柳と柳の母で二つ。許嫁相手とその母で二つ。そして、向かい合う二人同士を横から覗くように、残りの一つに遠坂が座っていた。


 柳の母の言葉に、許嫁相手の母が声を発する。


「こちらこそ、このような立派なお屋敷にお招きいただきありがとうございます」


 そう言いながら、許嫁とその母は同時に頭を下げる。


 そして頭を上げたあと、二人は遠坂を睨みつけた。


「……して、こちらにいる方はどなたでしょうか?」


 許嫁の母が言う。


 柳の母は困り顔で弁明した。


「ご無礼をお許しください。こちらの方は美奈のご友人だそうで、この顔合わせにどうしても同席したいと聞かなかったものでして……。……ほら、あなたからもご挨拶なさい」


 そう言って、柳の母は遠坂に話を振った。


 遠坂は柳の顔を見る。


(大丈夫ッスよ……!)


 遠坂には柳がそう言っているように聞こえた。


 遠坂は緊迫する空気の中、口を開く。


「初めまして。青海学園生徒会会計を務めている、遠坂湊と申します。部外者の僕のわがままでこの場に割り入ってしまい申し訳ありません。お邪魔かもしれませんが、どうかご容赦いただきますようお願い申し上げます」


 そう言って、遠坂は頭を下げた。


 柳の母は頭を抱えて柳に言う。


「はぁ……。美奈、なんでこんな部外者を連れてきたんですか。それなりの理由があるんでしょうね」


「……当然です。遠坂君にはある理由があってここに来てもらいました」


「理由?」


 柳の母は柳に聞き返す。


 一方、遠坂はいつもと違う柳の姿を見て圧巻していた。


(いつもの柳副会長じゃないみたいだ……。話し方は丁寧だし、所作もしっかりしてる。……やっぱり名家の人間なんだな……)


 その柳の姿は、いつも見るふざけた姿勢の柳ではなかった。しっかり場と立場を弁えて、目の前の問題に立ち向かおうとする柳の姿がそこにあった。


 柳は母からの質問を後回しにし、本題を進めようとした。


「お母さん、それよりこっちの話を進めましょう。せっかく来てくださったんです。時間を無駄にするのは相手に失礼だと思います」


「……それもそうですね。失礼しました」


 柳のその言葉に一瞬柳の母は戸惑ったが、顔合わせのほうが優先と考えて本題を進めた。


「お二人がお会いするのは今回が初めてでしたね。ご紹介いたします。こちら、私の娘の美奈みなです」


 その紹介と同時に、柳は軽くお辞儀をした。


「美奈は青海学園で生徒会副会長を務めながら、うちの華道の稽古を受けております。その腕は素晴らしく……、あちらに飾ってある数多くの賞状は、全て美奈が受賞したものです」


 柳の母はそう言いながら壁に飾ってある十は超える『金賞の賞状』に視線を向ける。


 その視線につられ、許嫁相手も視線をそちらに向けた。


「あらまぁ、素晴らしいですわね。その腕前は折り紙付き、といったところでしょうか」


 許嫁の母は柳を褒めたたえる。


 飾ってある金賞の賞状は全て実際に柳が過去に受賞したものであった。


 柳は華道においてベテラン級の才能を持ち、出場するコンクールでは必ず金賞を取っていた。


 誰も柳の右に出るものはいなかった。


「あらあら。でしたら、うちの息子も負けていられませんね」


 そう言うと、次は自分たちの番と言わんばかりに許嫁相手は自己紹介を始めた。


「改めまして、私は出井いでいと申します。そしてこちらが……」


 出井の母が息子を紹介しようとしたと同時に、出井の息子は立ち上がり、自ら自己紹介を始めた。


「初めまして。出井和彦いでいかずひこと申します。僕も生徒会副会長なんです。同じなんて奇遇ですね。どうぞよろしくお願いいたします」


 出井は礼儀正しく笑顔で自己紹介をし、お辞儀をした。


 出井の母はそのまま話を続ける。


「柳さんはご存じかと思いますが、我が家は古くから華道を嗜んでおりまして、その実力は美奈さんと同等です。和彦はこれまでに数多くの華道のコンクールで金賞を手にしてきました」


 そう言いながら、出井の母は一枚の写真を柳と柳の母に見せる。


「なんと……! これはすごい……。御見それしました」


「いえいえとんでもない。美奈さんと比べればこんなのかわいいものです。今回は同じ華道を嗜む者同士が結婚できるお話をいただけて、とても光栄です」


 出井の母は笑顔で言った。


 しかし、柳はその言葉に引っかかるものがあり、思わず思っていたことが口に出た。


「…………誰も結婚なんて望んでいませんよ」


「……何ですって?」


 出井の母にはその言葉がしっかりと聞こえていた。


 思わぬ柳の発言に、柳の母は慌てる。


「し、失礼しました。美奈がご無礼なことを……。こらっ、美奈も謝りなさい!」


 柳の母は柳を叱責しっせきする。


 しかしながら、柳の表情は変わらないでいた。


「なんで遠坂君がここにいるか、まだわからないの? お母さん」


「ただこの話に興味があるからでしょ。部外者がひと様の結婚の話に割り込んでくるのか理解に苦しむけどね」


 柳の母は遠坂を見て胸に突き刺さる言葉を言った。


 だが、言っていることは事実である。


 柳の母からすれば遠坂がこの場にいる状況はありえない話であった。


 遠坂はこの件に関しては部外者である。遠坂自身も、なぜ同席することに成功したかわからないでいた。


 遠坂はこの状況を見て、だんだんと冷静になり始め、自分が部外者であることを再度自覚し始めた。


(……なんで俺はここにいるんだっけ。俺は華道なんて知らない。コンクールで優勝なんてしたこともない。あまりにも場違いだ。なんで、俺はここに入ることができたんだ……)


 だんだんと、だんだんと自信を無くしていく遠坂。


 しかし、その感情は柳の一言で大きく覆った。




「お母さんは何もわかってない! 遠坂君は……、湊くんは、私のことを思ってここにいるんだよ!」




「…………どういうこと?」


 柳の母は眉間に皺を寄せて言う。


(……湊くん)


 遠坂は柳が自分の呼び方が変わったことに気づいていた。


 それは小さすぎる変化であるが、本人にとっても、柳にとっても大きな変化であった。


 柳はそのまま柳の母に矢継ぎ早に言葉を続ける。


「私はね、自分の自由に恋愛がしたいの。自分が好きな人と結婚したいの。誰とも知らない人となんて結婚したくない。今の時代に許嫁なんてバカみたい。私の自由はどこに行ったの? 私は私の好きな人と結婚することすら、付き合うことすら許されないの?」


「ちょ、ちょっと美奈さん落ち着いて」


 興奮する柳を宥めるかのように出井の母は手を差し出したが、それを柳は拒んだ。


「お母さんは私の気持ちをどう思ってるの? 家の後継ぎさえできれば何でもいいんでしょ? この家が続けば、それでいいんでしょ?」


 柳の目からは涙が零れていた。


「小さい頃、初めて華道というものに触れたときは楽しかったよ。お花をこんな風に見せることもできるんだって、感動したよ。でも、それが私を跡取りにするためだとわかったときは、絶望したんだよ」


「み、美奈……」


 柳の母はその言葉に愕然としていた。


「その時から、私は自由に恋愛ができないんだなって察してた。華道の稽古も言われるがままにやってたけど、あれは本心じゃない。本当は全くやりたくなかった」


「そ、それなら言ってくれたら……」




「言っても聞いてくれなかったのはお母さんでしょ!!」




「…………っ」


 怒鳴る柳の言葉に、柳の母は言葉が詰まった。


 その様子を見て、出井は口を開く。


「まあまあ、美奈さん、落ち着いてください。確かに美奈さんのお気持ちもわかります。ただ、その立場は僕も変わらないということを忘れないでほしいです」


「………………それは、その通りです」


「僕も内心戸惑っています。いきなり許嫁がいると言われたときはびっくりしました。この時代にも許嫁というものがあるんだって。僕も覚悟を決めて今ここにいます。美奈さんも、そうではないんですか?」


「………………」


 柳は黙り込んでしまう。


 出井の発言はその通りであった。


 柳が自由に恋愛をできないという点に関しては、出井も同じ境遇である。


 この件は、親が勝手に決めたこと。長女、長男である二人にとっては、抗いようのない運命であった。


 出井は柳の表情を確認した後、遠坂に視線が行く。


「……遠坂湊君、だったかな。その制服からして……、たぶん一年生だろう。僕らとは二個も年が違う。そんな君が、ここにいる理由がなんでかを教えてほしいな」


 出井は優しく、しかし真剣に遠坂に質問を投げかけた。


(俺が、ここにいる理由……)


 遠坂の頭には二つの選択肢が浮かんでいた。




 A.柳美奈への気持ちをこの場で伝える。


 B.柳美奈をこのまま出井和彦と結ばせる。




 遠坂はふと、この一週間の出来事を思い出していた。


 生徒会副会長ながらだらしのない私生活を送る柳の姿。


 手先が器用で、料理がとても得意な柳の姿。


 一緒に買い物に行く時の楽しそうな柳の姿。


 その浮かんでくる柳の表情は、全て笑顔であった。


 学園で生徒会活動をしている中でも、柳とはよく目が合っていた。


 これがなぜか、遠坂は理由がはっきりとわかっていた。


 遠坂は、意を決して出井に告げる。




「僕は、柳副会長……、美奈さんとお付き合いさせていただいています。今回僕がこの場に同席したのは、許嫁の件を白紙にしていただきたく思っているからです」




『なっ…………!?』


 遠坂は、Aの選択肢を選んだ。


 柳の母、出井の母はその遠坂の発言に思わず声を出して驚く。


 その直後、柳の母から冷たい声がした。


「急に意味のわからないことを言い出すかと思えば、何ですかそれは。私たちに恥をかかせるつもりですか?」


 それに続けて、出井の母も声を上げる。


「美奈さんとお付き合いしてるって、どういうことですか? 私たちは何も聞かされていませんよ? ちゃんと説明してください」


 その様子を見て、遠坂は深いため息をついた。


「確認します。美奈さんのお母さんは美奈さんをどう思っていますか」


「ど、どうって、最愛の娘に決まってるじゃないですか」


 その言葉に思わず遠坂は笑ってしまう。


「はははっ、最愛ねぇ……」


「な、何がおかしいんですか」


 遠坂はお構いなしに言葉を続けた。


「その最愛の娘から恋愛の自由を奪って楽しいですか? 本人の気持ちを真正面から受け止めず、汲み取りもせず、自分の家のことだけ考えてる時間は愉悦でしたか?」


「な、なんて失礼なの……! こいつをこの部屋から連れ出して頂戴!」


 その声に、スーツを着たボディーガードらしき男が数名入室し、遠坂が身動きできないようにして部屋から引きずり出そうとした。


 しかし、遠坂はそれに抵抗しながら言う。




「美奈さんはすごくいい人だ! いろんな人と信頼を築けるし、自分のやりたいことには全力でやれるし、とても素晴らしい人だ! 料理もうまい、家事は完璧、そんなすごい人から恋愛の自由を奪うな! ……俺の彼女から、『笑顔』を奪うな!!!」




「み、湊っち……」


 遠坂は思っていたことをそのまま口にした。


 その言葉は、その場にいる全員がしっかり聞き取り、しばらく無言の間ができた。


 その間、柳の母と出井の母は唖然としていた。


 少しした後、柳の母が口を開く。


「…………連れて行きなさい」


「ちょ、お母さん!?」


「やはり部外者はここに呼ぶべきじゃありませんでした。出井さん、度重なるご無礼をどうかお許しくださいませ」


 そう言いながら、柳の母は深々と土下座をした。


「くそっ、放せよ! おい!」


 遠坂は部屋から出されそうになっていた。


 必死に抵抗していたが、それは敵わなかった。


「……待ってください」


 途端、出井が口を開く。


「どうされましたか? 出井さん」


「美奈さんのお母さん、まずは顔を上げてください」


「は、はい」


 そう言って、柳の母は顔を上げて姿勢を正す。


 出井は柳の母に向かって言う。




「僕、この件から身を引きます」




『…………え?』


 柳の母、出井の母は同時に驚きの声を出す。


 出井は少し目を閉じて、意を決したかのように言った。


「僕も、本当は美奈さんと同じく許嫁の件には反対です。美奈さんの言う通り、自分の恋愛は自分でしたい。自分の結婚相手は自分で決めたいです。だから、この件はなかったことにしましょう」


「か、和彦……!? あなた何言ってるか……」


「わかってるよ、母さん。でも、遠坂君のあの顔を見てよ」


 出井はそう言って、必死に抵抗する遠坂に視線を送った。


「たとえ部外者でも、ひと様の顔合わせに同席する時点で度胸があるなとは思ってました。そして、本人から美奈さんへの気持ちも聞くことができました」


「そ、それはそうだけど……」


 出井の母は困惑していた。


「僕のあるべき『恋愛』っていうのは、決められたものじゃなく、各々(おのおの)が自由にできるものだと思うんです。……形だけの恋愛なんて、真っ平御免です。なので、申し訳ないですが、僕はこの件から身を引きます」


「な、何を勝手なことを……!」


 その言葉を聞いても、出井の母はまだ出井が言っていることが信じられないでいた。


 出井は「それに……」と言葉続けた。




「実は、僕にもいるんですよ。彼女が」




「は?」


 出井の母は再び驚きの顔を見せた。


「おーい、入っていいよー」


 出井の掛け声とともに、そそくさと一人の女性が入ってきた。


「ど、どうも、初めまして。出井和彦さんとお付き合いさせていただいている、粕谷桃子かすやももこと言います」


「か、粕谷……」


「桃子……?」


 双方の母は思いがけない人物の登場に口が塞がらなかった。


 片や粕谷は、その様子に慌ててぺこっと頭を下げた。


 出井は粕谷の頭に手を置いて言う。


「ま、そういうことだから、母さん。この件はもう諦めてくれ。後継ぎなんて、長男の僕じゃなく次男に任せればいいんだから」


「そ、それはできないわよ。うちは代々長男が後継ぎをすると決まっていて……」


「……わからない人だなぁ……」


 出井は頭を掻きながら言った。




「もうそんなので振り回されたくないんだよ、僕は。僕は僕の生きたいように生きる。僕のしたいように恋愛をする。初めからそう決めてたんだ」




「か、和彦……」


 思わぬ展開に出井の母は腰を抜かしていた。


「それに、次男のあいつなら悦んで跡を継いでくれるだろ。あいつは僕以上に華道の実力を持ってるし、誰も文句言わないでしょ」


「じ、次男が跡を継ぐなんて、前例がないからダメよ!」


「じゃあ前例を作ればいいじゃん」


「…………っ」


 出井の意見は全くもってその通りであった。


 出井は呆れ顔で言う。


「前例がないからできないって……。そんな昭和の会社みたいな考え方じゃ、うちも長続きしないかもね」


「あ、ちょっと待ちなさい和彦!」


 そう言って、出井はその場から立ち去ろうとする。


「本当は元からこの件はなかったことにするつもりだったんだよ、母さん。タイミングを見て桃子を呼ぼうと思ったんだけど……。遠坂君のおかげでそうしなくて済んだ。ありがとう、遠坂君」


「ぼ、僕は別に、何をしたわけでは……」


 遠坂は少し照れながら、視線を逸らして言った。


 その様子を見て、柳の母は深いため息をついた。


「はぁ……。…………わかりました。この件はなしにしましょう」


「や、柳さん!? 本当にいいんですか!?」


 出井の母はその言葉に驚嘆する。


「……娘に自由な恋愛をさせてやれないなんて、何が『最愛の娘』なんでしょうか。そんなこと、今の私に言う資格なんかありませんね」


「お、お母さん……」


 柳の母は遠坂の顔を見て言う。


「遠坂君。あれほど啖呵きったんです。しっかりと美奈を幸せにできる覚悟があると信じていいんですね?」


 その言葉に、遠坂は意を決して言った。




「ええ、もちろんです。美奈さんは、俺が幸せにします」




「…………ふふっ、楽しみにしてるわ」


 軽く笑って、柳の母はそう言った。


「出井さん。粕谷さん。わざわざここまで来てくださりありがとうございます。途中までお送りさせていただきます」


「え、ええ、ありがとうございます。……和彦、本当にいいの?」


「……ああ。僕は僕の人生を歩みたいからね。それに、桃子もいい人だから、今度ちゃんと紹介するよ」


「……そう、わかったわ。柳さん、本日はこの場を設けていただきありがとうございました」


 出井の母は遠坂の顔を見て言う。


「あなたの度胸、素晴らしいものでした。しっかり美奈さんを幸せにしてあげてくださいね。それでは」


 そう言って、軽くお辞儀をした後、出井たちは退室していった。


 ボディーガードから手を離され自由の身となった遠坂は、体中が痛むような仕草を見せた。


 と、その瞬間。


 柳が飛び込んできた。


「ありがとうッスー!!!! 湊っちーー!!!!!」


「うわっ! ちょ、何するんですか! 怪我したらどうするんですか!」


 柳が顔面から突っ込んできたところを、遠坂は体を掴んで止めた。


 少し遅ければ、二人は顔面を激突させるところであった。


(……わっ、柳副会長の体、やわらかっ……)


 咄嗟に掴んだ遠坂の手からは柔らかい感覚が伝わって来た。


「ちょ、どこ掴んでるんスか! そこお尻ッスよ!」


「ご、ごめんなさい!」


 慌てて手を離す遠坂。その顔はとても赤くなっていた。


 柳はその様子を少し面白いと思ったが、真剣な顔で遠坂に言う。




「湊っち、ありがとッス。やっぱり湊っちに頼んでよかったッス。……湊っちを本気で好きになれて、よかったッス」




「……そうですか」


 柳の顔は笑顔であった。


 その笑顔を見て、遠坂は安心していた。


「それで、『本当の恋愛』はわかったッスか?」


「…………わかったような、わからないような、あまりまだ自分の中で結論づけられてないですね」


「曖昧ッスねー。咄嗟にうちの呼び方変えてくるんスから、もう答えは出てるようなもんスよ」


「……え? 俺呼び方変えてました?」


 柳は遠坂が咄嗟に呼び方を変えていることに気づいていないことに驚き、爆笑してしまう。


「な、なんでそんなに笑うんですか……」


「いや、あの土壇場であのセリフ言っておいて気づいてないって、それある意味すごいッスよ! これは傑作ッス! 明日皆に言いふらすッス!」


「やめてください洒落しゃれにならないんで」


 真面目な顔で遠坂は柳を止めた。


「……湊っち。これはうちからのお礼ッス」


「え?」


 遠坂が柳に聞き返すと同時に、柳は動き出した。




 柳の柔らかい唇が、遠坂の右頬に触れた。




「な、何するんですか!?」


 突然されたことに驚きを隠せず、思わず慌ててしまう遠坂。


 その様子を見て、柳はさらに笑っていた。


「何も面白くないですって! なんですか急に!」


「別にー。なんでもないッスー」


 柳は「にっひひー」と笑いながら部屋を出ようとした。


 扉の前で振り返り、柳は笑顔で遠坂に告げる。




「ちゃんと幸せにしてくださいね。湊くん♪」




「…………っ!」


(『未来予知』、使わなくて正解だったッスね)


 柳は心をルンルンさせ、スキップをしながらその場を後にした。


 遠坂はきょとんとしていたが、少ししてから口を開いた。


「……これが、『本当の恋愛』、か」


 こうして、柳の悩みは無事に解決し、遠坂は正式に柳と付き合うことになった。




                  *




「もうすぐ冬だなぁ」


 自室にて、鈴村徹すずむらとおるは日曜の夕方の時間を過ごしていた。


 だんだん冷たくなり始めた風が窓から入ってくるのを感じ、そんな言葉を口にしていた。


「……綾瀬あやせの誕生日もあっという間だな」


 鈴村の恋人、綾瀬凛あやせりんの誕生日はクリスマスイブである。


 鈴村は綾瀬に誕生日プレゼントを渡すために、必死でアルバイトをしていた。


 そのおかげで、自分で稼いだお金はそれなりに貯まってきており、鈴村は何のプレゼントを渡そうか悩んでいた。


「何あげようかなぁ。無難にハンカチ? マフラーとかもいいよなぁ」


 鈴村は実用性のあるものを候補にあげていた。消耗品より、実用性のあるもののほうが使ってくれたときの喜びが増すからである。


「……あ、そろそろバイトの時間だ。行かなきゃ」


 そう言って、鈴村は家を出た。


 鈴村のアルバイト先は自転車で十分程度移動したところにあるファミレスである。


 給料面、交通面の両方でとても都合がよかったため、鈴村は即座にここでアルバイトをすることに決めた。


「おはようございまーす」


「お、来たね鈴村君。おはよう」


「店長また一人なんですか」


「今日はあまり忙しくならない予想でいたからね。僕一人だけでもお昼のピークが終わってから夕飯のピークまでは乗り切れると思ってそうしたんだ」


「……予想通りでよかったですね」


 店長の予想通り、店内は世間話をするおば様以外に客はいなかった。


「ま、これも長年の勘ってものだよ。僕は裏で事務仕事してるから、鈴村君はホール見ててね」


「了解です」


 そう言って店長はバックヤードに下がっていった。


(……しっかし本当に暇だな。夕飯時になると嘘みたいに忙しくなるのに)


 そんな他愛もないことを考えている矢先、二人組の男女が入店してきた。


 鈴村はすぐさま接客対応をする。


「いらっしゃいませー。何名様でしょう……か……?」


 鈴村はその来客を見て、思わず声が止まる。


「えっ……、鈴村君……?」


「あ、綾瀬……っ!? と、誰?」




 そこには、綾瀬凛と見知らぬ男性が立っていた。

ここまで「鈴村くんは間違えない」をお読みいただき、誠にありがとうございます。

これにて第3章 『親睦会』が完結です。


第1章では鈴村の綾瀬に対する気持ち、そして新しく気づかされる恋心をどうするか悩む鈴村を描き、

第2章では綾瀬への気持ちと琴原への気持ちに葛藤する鈴村の背後で、宮田に迫る危機をどう回避するかを描きました。


鈴村はタイムスリップ前はそれはそれは陰キャで、根暗で、友達も一人しかいない男子生徒でした。

しかし、このタイムスリップを経て鈴村の成長を様々な形で描いたつもりでいます。

それが伝わっていたら嬉しいです。


さて、次回からは第4章 『気持ち』を大事に がスタートします。

ここからはこの物語の真髄に焦点を当てるようなお話になりますので、

ぜひ最後まで読んでくださると嬉しいです。


これからも「鈴村くんは間違えない」をよろしくお願いいたします。

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