表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界最強のヒキニート〜ただ、平穏にヒモ生活を送りたいだけなのに  作者: 夜空 叶ト


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/41

第35話 主君と添い寝

「本当に久しぶりですね。レイス」


「ああ、本当にな」


 三年ぶりに会って見て、声を聞いて。

 こうして二人きりになって改めて思う。


「元気にしていましたか? 私があなたを解任した三年間は」


「まあまだな。普通にぐうーたらしてたよ」


 とりあえず、エスカがここに来るまでは待機という事で全員この隠れ家に泊まることになった。

 隠れ家にはかなりの数の部屋があって内装や広さなども普通の家と大差がないくらいに作られている。

 元々は、息抜きをしたいアリエルが安心して過ごせるようにとありったけの金をつぎ込んで作ったのがこの場所だ。


「嘘つき。知ってますよ。レイスが私のために戦ってくれたことを」


「アリエルのためなんかじゃない。許せなかっただけだよ」


「何を?」


「不甲斐ない自分を。助けることができたはずなのに、助けることができなかった自分を。アリエルを殺したグランド帝国がどうしようもない程憎くて仕方なかったんだ」


 あの時はほとんど自暴自棄だった。

 アリエルを殺したすべてが許せなくて、気が付いたらグランド帝国を滅ぼしてた。

 自制なんて全くできなくて、目の前に映る敵を全て殲滅していたんだ。


「私は嬉しかったですよ。おかげで私の家族の仇は取れました。それにハイスカイ王国の国民が虐げられるようなことも起こりませんでした。だから、ありがとうございます」


 アリエルはそう言って俺のことを抱きしめてくる。

 やっぱり、こうしてると落ち着く。

 戻ってきたって言うのは変な気がするけど、そんな感じがする。


「礼なんかいらない。俺はお前のために生きていきたいんだ。やっと、目標が戻ってきたんだ。あとは、アリエルが成したい事を俺が成す」


「ふふっ、昔からあなたは変わりませんね。でも、あなたが変わらないで居てくれて嬉しいですよ」


「俺だって、アリエルが生きていてくれて嬉しいよ。だからさ、もし今抱えてる問題が全部片付いたら俺とテラソルス王国の辺境でゆっくり過ごさないか?」


「もちろんです。そのためにもエスカにはなんとしても協力してもらわないとですね」


「ああ。流石の俺もバックアップ無しで占領された国を取り戻すのはキツイ」


 俺でもずっと魔法を使い続けるのは不可能だ。

 交代要員がいないと流石にじり貧になってしまう。

 アルカやイリアに交代要員を頼むわけにも行かないし、アリエルを戦場に連れて行くなんて論外。

 出来れば、ルルアを戦場に立たせるのも好ましくない。


「ですよね。全盛期のレイスならいけましたか?」


「無理無理。そこまでの魔力量は持ち合わせてないし、雷魔法に抵抗できる魔法具とかを持ち出されたら俺は一気に無力だ」


 雷魔法しか使えない俺にとって雷魔法に抵抗されたら終わりだ。

 肉弾戦が強いだけのただの一般兵になってしまう。


「レイス、死んだらだめですからね」


「死ぬ気なんかサラサラない。俺はこの戦争を最後にアリエルと二人で隠居するって決めてるんだ。何者であってもその邪魔はさせない」


「頑張ってくださいね。戦闘では力になれないので私はハイレス王国に協力を取り付けることに尽力します」


「それが何気に一番助かる。エスカがいつこっちに戻ってくるか分かんねぇけど、それまでゆっくり過ごすか」


 エスカがここに戻ってきてから俺たちは一度アリエルを連れてハイレス王国の王都に向かう。

 そこで今回のテラソルス王国奪還戦の協力を取り付けるつもりだ。


「ですね。どうです? 今日は私と一緒のベッドで眠るというのは」


「……お前、危機感とかないわけ?」


「だって、久しぶりに大好きな幼馴染に会えたんですよ? 一緒に寝たいと思うのは普通の事だと思うんですけど」


 普通の事ではない気がするんだが。

 まあ、たまにはいいのかもしれない。

 こうして一緒に居られることが当たり前でないことは一番理解してるから。

 一緒に居られるうちにやりたいことをやっておいた方がいい。


「普通かどうかはさておいて、良いぞ。どのみち、今日はもうやることが無いしな」


「では、こちらへ」


 アリエルは見惚れるほど綺麗な笑みを浮かべて俺をベッドに招き入れてくる。

 昔のお転婆具合は全く変わっていないみたいで少しだけ安心した。


「体、少しおっきくなりました?」


「そりゃあ、16歳から19歳になったからな。バリバリ成長期だ」


「それもそうですよね。私はどうですか?」


「まあ、なんだ。その、成長してると思う……ぞ?」


 今の俺はアリエルに後ろから抱き着かれる形でベッドに寝ている。

 だから、アリエルの女性らしい部分が惜しみなく背中に押し付けられていて心臓の鼓動がものすごく早くなっているのだ。


「照れちゃって。可愛いですね。レイスは」


「うるさい。それよりも早く寝ろ。明日はアルカとハイレス王国への交渉について話し合うんだろ?」


「ですね。今日はなんだ眠いのでこのままあなたを抱き枕にして寝させてもらいます」


 アリエルは弾んだ声でそう言ってからしばらくすると、規則正しい寝息が聞こえてきた。

 相変わらず寝つきがいいな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ