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世界最強のヒキニート〜ただ、平穏にヒモ生活を送りたいだけなのに  作者: 夜空 叶ト


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第24話 安全地帯に向けての休息

「改めて私たちを助けてくれて本当にありがとう。レイス、お前には感謝してもしきれない」


「別にそこまで改まって礼を言ってもらう必要は無い。俺は自分がしたいようにしただけだからな」


 俺たちは近くにあった川付近で焚火をして休息をとっていた。

 辺りは既に日が昇っていたが、疲労困憊なイリアは焚火の近くで毛布にくるまって眠っていた。

 ルルアがそんなイリアの近くで周囲の警戒をしてくれている。


「いや、お前がいなかった私たちはとっくの昔に殺されて今頃生首が掲げられているころだろう。本当にありがとう」


「……そこまで真剣に礼を言われると照れるな。まあ、いいってことだ。それよりもお前も休まなくていいのか? 結構歩いたし、戦闘だってしてただろ?」


「そうだな。流石に疲れた。私も休憩をさせてもらってもいいか?」


「当たり前だろ。周囲の警戒は俺とルルアに任せて今はゆっくりしておけ。じゃないと体がもたないぞ?」


 流石にこのままぶっ通しで移動を続けたら倒れてしまうだろう。

 姫騎士と言えど、彼女は一国の王女だ。

 体力がバカみたいにあるとは思えない。


「そうさせてもらう。悪いが、背中を貸してもらってもいいか?」


「別に構わない」


 俺は焚火の近くに腰を下ろして剣を近くに置く。

 アルカは俺の背中にもたれかかってくる。

 しばらくすると、規則的な寝息が聞こえてきた。

 相当に疲れが溜まっていたらしく、少し動いても起きる気配は全くなかった。


「レイスは寝なくても大丈夫なのか?」


「俺は大丈夫だ。そう言うルルアはどうなんだ? 結構疲れただろ」


「僕なら大丈夫だ。これでも長い間傭兵として過ごして来たからな。三日くらいなら寝なくても行動できる」


「頼もしいな。でも、くれぐれも無茶だけはしないでくれよ」


 せっかく命を拾ったんだ。

 過労死なんてしょうもない死にかたはして欲しくないし、できることならばルルアには幸せに余生を過ごしてほしい。


「わかってるのだ。レイスもきつかったら寝てくれてもいいんだからな!」


「ああ。だが、俺もまだまだ大丈夫だ。心配してくれてありがとな」


 俺も長年騎士として長時間の任務にあたってきたのだ。

 これくらいであれば全然余裕だ。

 魔力もまだまだ残っているし、疲労も少ない。


「ならいいんだ。それより、ここからレイスの隠れ家まであとどれくらいだ?」


「ざっと、丸二日って所だな。追撃はないと思いたいが安心はできない。なるべく早く向かう事にしよう」


「わかった! 二人がある程度休息をとったら行動開始ってことでいいのか?」


「その通りだ。道中で食料も確保したいが、それを考えるのはもう少し後だな」


 今現在、俺たちに食料の手持ちはない。

 だからと言って、俺達が街中で買い物もできるわけがないし。

 水はここで何とか出来るだろうけど、食料に関してはどこかでしっかりと入手しておかないといけない。


「なら、今から僕が狩りに行ってこようか?」


「そんなことができるのか?」


「もちろんなのだ! 傭兵団にいたころはこういう森で動物を狩って食料にしていたことも少なくは無いからな!」


「じゃあ、頼んでもいいか? ここの警戒は俺がしておくから」


「わかったのだ! じゃあ、行ってくるのだ!」


 ルルアは元気にそう言って森の中へと消えていった。

 それから数十分後にルルアは大きなシカを引きずって戻ってきた。


「お前すごいな。こんな大きさのシカを仕留めたのか?」


「まあな! 結構簡単だったぞ!」


 えっへんとルルアは胸を張ってドヤ顔をしていた。

 可愛い仕草に俺は思わず頭を撫でてしまう。

 そうするとルルアは子猫みたいに目を細めて気持ちよさそうにしている。


「じゃあ、解体してここで焼いていくか。流石に生肉を持ち歩くわけにも行かないだろうしな」


「だな! そう言う処理も傭兵団時代にやってたから任せてくれ。レイスは二人を起こしてくれないか? ここで腹ごしらえをしてから移動しよう」


「わかった。任せてくれ」


 俺が二人を起こそうとしている間、ルルアは手慣れた手つきでシカの血抜きを行っていた。

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