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世界最強のヒキニート〜ただ、平穏にヒモ生活を送りたいだけなのに  作者: 夜空 叶ト


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第16話 ルルアは妹……なのか?

「レイス~これも買ってくれ!」


「待て待て……ヒキニートにたかるなよ。自分で言うのもなんだが、俺は全く金が無いんだぞ? しかも、アルカの方が絶対に金持ってるだろ」


「レイス……僕はこれが欲しい」


 二人して俺にたかってくる。ルルアはともかく、アルカが俺にたかってくるのは意味が分からない。絶対に俺よりも金持ってるしな。それを言ったらルルアは国から報奨金が出てるから俺よりも金を持っているはずなんだけどな。


「とりあえず、二人一斉にたかってくるのはやめような。買うにしろ買わないにしろな」


「むぅ~レイスは変なところでイリアに似てるな」


「レイスがそう言うならわかった。おとなしくする」


 文句を言いながら頬を膨らませるアルカと素直に俺のいう事を聞いてくれるルルア。対極の反応に頭が混乱しそうになるけど、そんなことを気にしている余裕はない。周囲の注目を集めすぎているからな。


「というか、アルカのその見た目何とかできないのか? 特に髪の色とかさ」


 今のアルカは魔法具で髪の色を変えている。理由は簡単でアルカの元の髪色は目立ちすぎるからだ。民衆から深紅の姫騎士と呼ばれているだけあって綺麗な赤髪は目立って仕方ないのだ。だから髪色を変えているわけだが。


「色は変えてるだろ? 何が不満なんだよ」


「不満というかな。どうしても重なるんだよ。アリエルと」


 魔法具で変わった今のアルカの髪色は銀色。俺の元主君のアリエルと同じ色だった。アルカの雰囲気がアリエルと似ていることもあってこの髪色のアルカを見るとどうしてもアリエルを重ねてしまうのだ。


「変えてはやりたいんだが、この魔法具は一日に一回しか使えないのに加えて変わる色もランダムなんだ。銀髪か赤髪にしか今日はできない」


「なんて不完全な魔法具なんだ……」


 残念過ぎる魔法具にため息を禁じ得ないけど、どうしようもない事に嘆いても仕方がない。それよりも今はこの状況を何とかする方法を考えなければ。


「レイス、大丈夫?」


「ああ。全然大丈夫だよ。気にしてくれてありがとうなルルア」


 ルルアは俺と暮らし始めてからかなり性格が丸くなった気がする。おとなしくなったし、優しくもなった。背の低さとか控えめな性格とかも相まってどうしても妹もみたいに見えて仕方がない。歳はルルアの方が一つ上のはずなんだけどな。


「なんか露骨に私とルルアで対応が違くないか? 不公平だぞ!」


「世の中は不公平なもんだろ。生まれ持った才能もそうだし、立場もそうだろ?」


「そういう事じゃないんだけど。もういいや」


 諦めたように肩を落としてため息をつく。なんだか申し訳ない事をしたような気が……しないな。全然しなかったわ。


「じゃあ、これ買いに行こうか。ルルア」


「いいの?」


「もちろん。ほら、そんなところに突っ立ってないでとっとと行くぞアルカ」


「ちょ、私の人形は?」


「知るか。欲しいなら自分で買えよ。金持ってるだろお前は」


 それで言うとルルアも持っているはずなんだけど、なんだか買ってあげたくなった。妹みたいで可愛かったし、何よりもルルアが欲しがっていたものはコップだ。日常使いできる物だし、綺麗なコップで気に入ってるようだったから買ってあげることにした。


「酷すぎるぞ。レイス。私が何をしたって言うんだ」


「何をしたというか……執拗に俺の事を騎士にしようとするから。いったん嫌がらせでもしておこうかなと」


 俺がヒキニート生活を再び送ることができるようになってから一週間。ことあるごとに俺の事を騎士に勧誘してくるし、最近ではルルアのことも勧誘していた。ルルアは前の戦争で家族のような傭兵団を失ったばっかりだ。できれば戦場になんて駆り出したくはない。


「それはアルカが可哀そう。レイス酷い」


「えぇ~」


 ルルアに咎められるような視線を向けられる。どうも、この子には弱い。なんだか自分が本当に兄になったのではないかと錯覚させられるほどルルアは妹のようだった。


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