表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
42/67

ゴブリンの企み3

赤い森の奥へ進むにつれ、地面の亀裂は増え、そこから漏れる炎の光も強くなっていった。


やがて三体のゴブリンが、一際大きな岩壁の前で立ち止まる。


『この先がアジトゴブ!

 親分をぶっつぶしにいくゴブ!』


『息の根を止めるゴブ!

 地獄の軍勢や悪魔のごとく!』


『……言っておくけど、そこまでひどい事はしないよ』


レッドがすぐに釘を刺した。


二人が請け負ったのは、話を聞くための手助けだ。


命まで奪うつもりはない。


『甘ちゃんゴブ!

 宝石の情報はいらないゴブ?』


『お前たちに選択肢なんてないんだゴブよ!』


開き直るゴブリンたちに、ルナは冷たい視線を向けた。


『まったく……

 私たちには見た事ない親分よりあなたたちの方が悪人だわ』


『ゴブリンには褒め言葉ゴブ~!』


胸を張られてしまった。


レッドは深いため息をつく。


『……もう……

 なんだか本当に手伝っていいのか心配になってきた。

 親分がゴブリンの言うように悪いかもわからないしなぁ』


『……とりあえず、行くだけ行ってみましょう』


ルナは杖を握り直す。


『どっちが悪いか知らないけど、私たちの事を騙してたなら――』


青い瞳が、三体を真っ直ぐに捉える。


『それこそ復讐してやるだけだわ』


『ゴ、ゴブ……』


ゴブリンたちの勢いが少しだけ弱くなった。


それでも後戻りはしない。


彼らに案内されてアジトへ踏み込むと、待ち構えていた魔物たちが一斉にこちらを向いた。


小柄な悪魔。


丸い身体をした魔物。


杖を持つ者。


そして奥には、青い肌をした大柄なゴブリンの姿も見える。


『来るよ、ルナ!』


『ええ!』


ルナが杖を掲げる。


青白い光が灼熱の地面へ広がり、鏡ノ扉の英雄たちが召喚された。


黄金の翼を持つ英雄。


黒い帽子を被った二人の術士。


第一陣は、小さな悪魔たちだった。


素早く左右へ広がり、空中から一斉に魔法を放つ。


黄金の英雄が翼を広げて光弾を受け止め、その陰から二人の術士が反撃する。


紫色の光が弧を描き、魔物たちを地面へ叩き落とした。


第二陣では、丸い身体をした魔物が地面を跳ねるように突進してくる。


レッドは一体の体当たりを剣で受け流すと、その勢いを利用して隣の魔物へぶつけた。


『今よ!』


ルナの刻ノ力が敵の動きを鈍らせる。


術士の魔法が炸裂し、第二陣も崩れた。


だが、奥からさらに新たな敵が現れる。


第三陣は魔法を使う悪魔と、前衛を守る魔物の組み合わせだった。


前へ出れば魔法が飛び、足を止めれば魔物が押し寄せる。


レッドが前衛を引き受け、黄金の英雄が敵の頭上へ舞い上がる。


二人の術士が左右へ分かれた。


四方向から攻撃を受けた敵陣が乱れる。


そこへレッドが踏み込み、中央を切り開いた。


そして最後。


アジトの奥から、青い肌のゴブリン――親分が進み出る。


その左右には、まだ魔物たちが残っていた。


『あれが親分みたいだね』


『ええ。

 まずは話を聞ける状態にするわよ』


親分が吠え、武器を振り上げる。


ルナたちも一斉に地面を蹴った。




親分の一撃は、これまでの魔物より明らかに重かった。


振り下ろされた武器をレッドが剣で受け止める。


鈍い衝撃が両腕へ走り、足元の地面へ亀裂が広がった。


『くっ……!』


親分が押し込む。


左右から取り巻きの魔物まで迫ってきた。


だが、黄金の英雄が上空から飛び込み、その進路を断つ。


二人の術士も同時に杖を掲げた。


紫色の魔法が左右から親分を挟み込む。


親分は咄嗟に身を引く。


その一瞬を逃さず、レッドは懐へ踏み込んだ。


剣の腹で武器を弾き上げる。


続いて黄金の英雄の一撃が足元へ落ち、親分の体勢が崩れた。


『今!』


ルナの杖から青白い光が走る。


親分の動きが僅かに止まる。


その隙にレッドの剣先が胸元へ突きつけられた。


勝敗は決した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ