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プロローグ3

刻ノ神殿の地下。


長い階段を下りた先にそれはあった。


石造りの部屋の奥。

壁一面を覆うほど巨大な円形の扉が黄金色の光を放っている。


複雑な紋様が幾重にも重なり、光の輪がゆっくりと回転していた。


『刻ノ神殿の地下……

 ここが、鏡ノ扉の……』


レッドは眩しそうに目を細めながら巨大な扉を見上げる。


『ええ。

 鏡ノ扉の世界には、ここから行けるわ』


『でも……』


レッドは扉の前まで歩み寄った。


どこから見ても、目の前にあるのは光と紋様だけである。

人が通れそうな隙間は見当たらない。


『これ、鏡……?

 どうやって通るの?』


ルナは鏡ノ扉の前に立った。


『鏡ノ扉を覗き込めば、

 その世界が映る……』


黄金色の光を見つめる。


『振り返れば、そこにいる』


『戻ってくる時は、

 この時計をかざす』


ルナは胸元の時計をレッドへ見せた。


レッドも説明された通りに鏡ノ扉を覗き込む。


『…………』


見えるのは、光。

そして規則的に動き続ける紋様だけだった。


『……えーっと……』


レッドは顔の角度を変え、何度も扉を覗き込む。


『覗き込んでも、

 光と模様しか……』


『…………』


ルナも扉へ近づいた。


『……そんなはずは……』


鏡ノ扉へ手を伸ばそうとした、その時だった。


黄金色の光が激しく揺らいだ。


『!!』


鏡面の中から二つの人影が浮かび上がる。

光の中から現れたのはルナたちによく似た姿を持つ者たちだった。


ルナは目を見開く。


『……私たち……!?』


現れた者たちは言葉を発しない。

それぞれが武器を構えルナとレッドへ敵意を向けている。


レッドはルナを背に庇いながら剣を抜いた。


『戦うつもり、みたいだね。

 ルナ、下がって!』


光から生まれた敵が一斉に襲いかかる。


レッドは正面から斬撃を受け止めた。

甲高い音が地下室へ響く。


相手はこちらの動きを知っているかのように攻撃を重ねてくる。

レッドが右へ回れば右へ。

剣を振り上げれば、その軌道を塞ぐように武器が差し込まれる。

まるで鏡に映った自分自身と戦っているようだった。


それでもレッドは少しずつ相手の動きを見極めていく。


ルナの刻ノ力による援護を受け、敵の攻撃を紙一重でかわす。

体勢を崩した瞬間を逃さず、レッドの剣が光の身体を捉えた。


二つの人影が大きく揺らぐ。


『そこだ!!!』


レッドの鋭い一撃が敵を切り裂くと同時に眩い光が地下室を包み込み、敵の姿が光の粒となって消えていく。


『倒した……!?』


レッドが剣を下ろしたその直後。


『むむーん!

 とーじょー!』


聞き慣れない声が二人の間へ割り込んだ。

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