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道師さま 再び

 オイラが小さな異変に気がついたのは、ベランダの手すりから足を離して翼が上昇気流を捕らえ始めたときだった。

 なにげなく下を見てみると、マンション近くの小路にニンゲンが並んでいる。

 ざっと100人位もいるだろうか。


 気になったオイラは、近くの電線に止まって行列の先頭を探してみた。

 どうやら、この行列は、マンションの近くにある比較的大きめな一戸建ての住宅に続いているらしい。


 と、その時、例の懐かしい妖しい輝きが、オイラの脳天を刺激した。その住宅の2階の窓が輝いている。

 オイラは、またしてもその光りに釣られ、ふわふわとその住宅に近づいていった。

 今度のその輝く窓には、ベランダも手すりもないが、幸いにもすぐ近くに電柱があり、うまい具合に留まることができた。その位置からは、部屋の中が丸見えである。



 「心配あーりません。古い壷は、こーちらに置ーいてください」

 おっ、道師さまだ。あの妙なアクセントは健在のようだ。


 部屋には、道師さまとラメの紫服男以外に、会員と思われるニンゲンが10人位いた。

 10人とも例の壷を持っている。

 そういえば、外に並んでいるニンゲンたちは、みんな壷らしき荷物を抱えていた。


 道師さまの前には、横長の机が置いてあり、会員たちは持っている壷とお布施の入った祝儀袋をその机に並べて置いた。

 「では、ただいまより道師さまが念を送り壷を精錬いたします。」

 とラメの紫服男が言うと、真っ赤な袴姿の道師さまは、先端にガラスのついた棒を両手で握り締め、目を瞑りぶつぶつ呪文のような独り言をはじめた。


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