表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/32

第十二羽:決意

 どういうことだろう。わけが分からなかった。さっきまでここから遠くのところまで泳いでいたはずだった。Mr.フィッシュという謎の存在によって、いや魚なのはわかっているが。吹き飛ばされたのか、気づけば浅瀬まで飛ばされていた。体の節々が痛む。


 あの巨体から考えれば、俺を殺すことも容易だろう。ここまで飛ばしたような攻撃が俺自身を殺せない訳が無い。手加減された。そういうことだろう。あいつに取ったら俺はたまたま近くにやってきた雑魚でしかなかった。それでも殺さないでいたのはなぜだろうか?


 俺にはわからない。でも助かったのは事実だ。素直に喜べるわけではなかったが、それでも生きていることを喜ぶしかない。油断していた、調子に乗っていた。そんな言葉では済ませられないようなミスだった。


 もし、Mr.フィッシュが手加減していなかったら?もし、もし、もし、と考えだしたら止まらない。悔しかった。転生して、ゲームの世界みたいにレベルがあって、自分が小説の主人公みたいに無双できると勘違いしていたのかもしれない。いくら調子よくて食べるものも手に入って、レベルも上がって。でも、ああいう強いやつに一度出会ったら最後、殺されてしまうのかもしれない。


 怖かった。死ぬのが怖かった。この世は無常だ。日本と違って親に助けてもらうこともないし、自分でなんとかしなければならない。命の危険など日常から程遠かった今までとは違って、死の危険は常に身近にあるのだ。


 死の危険性があることなんてわかっていたつもりだった。カニも倒して鳥も倒してどれも最初は命がけだった、だけど勝った、いや勝ってしまったからこそ油断した。スキルも手に入れて負ける気もしなかった、だから駄目だった。ここで痛い目を見られて逆に良かったのかもしれない。


 切り替えなければ。せっかく生き残ったこの身、このまま死に怯えて暮らすのか?そうではない。常に、身近に、危険が、死が、付き纏うというのならば、それをものともしないような。あの、Mr.フィッシュのようなこの世界における強者にならなければいけない。


 死が何だ危険が何だそれすらも、ものともしないような、そんな強い存在に俺はなる。


 そう思った


 そうと決まればやることは1つ。この世界には強くなるのにうってつけのシステムがあるじゃないか。そう、レベルだ。ゲームだってこの世界と同じだ。最初はスライムと戦うようなレベルだった主人公が、敵を倒し続けてレベルを上げてそして強くなっていくのだ。


 俺はゲームの主人公のようにレベルを上げて上げて上げ続ける。そして、死に怯えることのない今世を歩むのだ。それはとても素晴らしいことのように思えた。


 しかし、いくらレベルを上げようともこの痛み疲れ切った体ではどうしようもない。ひとまず休むことにしよう。マイハウスまでは幸いすぐ近くだ。これからの生活目標は「いのちだいじに」と「レベル上げよう」だ。


 生活はありがたいことに、カニや魚などがあるので困ることはない。それに森の方に行けば他の動物もいるだろう。海にも行ったのに、森にはいかないなんておかしな話はない。海は当分近づきたくないので、次は森を中心に生活圏を広げていこう。今後の計画も立て、マイハウスにも着いたので休むことにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ