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偽り神官様は恋をする  作者: すみ 小桜


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第44話 気づいた母の愛

 ここはどこだ?


 うっすらと目を開けたルナードは、ふと横を見て驚いた。自分の手を握りしめて、布団に上半身を預け寝ているディアルディがいたからだ。


 なんで、手を握っているんだ! って、どういう状況? うーん。なんか、お腹がすいたなぁ。


 もう昼前だった。ルナードは、丸一日何も食べていない。お腹がすいて当然だ。


 ぐー。とルナードのお腹がなった。


 っは! 大丈夫、聞こえてない。


 寝ているディアルディを起こさないようにと、そっとルナードは上半身を起こす。


 「ルナード!」


 ルナードは、ビクッと体を振るわす。ディアルディは、起きてしまった。


 「起きて大丈夫か?」


 「あ、うん」


 ぐー。


 「………」


 「あ、大丈夫そうだな」


 「う、うるさい……」


 「待ってて。みんなを呼んで来る」


 「え……あ……」


 状況を聞く前に、ディアルディは部屋を出て行った。ルナードは、寝間着だった。


 私、どうしたんだっけ? そうだ。ミルアビっていう人が来て、馬車ごと落とされたんだった!


 「え? なんで私、生きてるの?」


 自分の状況が信じられなかった。


 そうだ。ディアルディが王子って本当なんだろうか?


 ミルアビがいっていた事を思い出す。


 「ルナード!」


 叫びながら一番に入って来たのは、父親のフィタードだ。ガシッと抱き着かれた。そして、反対側から母親のラルーも抱き着いた。

 ルナードは、ラルーも泣いて抱き着かれて驚いていた。


 「ご、ごめんなさい。心配かけてごめんなさい」


 「生きていてよかったわ」


 ラルーが言った。


 「精霊が守ってくれたのだ。本当にお前は、愛されている」


 「あ、そういえば……」


 最後に聞いた声は、精霊だった。


 「おなかすいたでしょう? おかゆ作ってあるわ」


 「うん。食べる。着替える」


 「いいだろ別にその格好で」


 ディアルディが言うも、ルナードはジドーっと彼を見つめる。


 「わかったよ。出て行けばいいんだろう?」


 そうディアルディが言うと、三人は待ってると言って出て行った。

 ルナードは、神官の制服に着替える。


 「あれ? 母さんの前でディアルディさん話してた?」


 男だとバレたんだと気がついた。

 自分が行方不明になった事で、それどころじゃなくなったんだと悟る。


 「母さんが泣くなんて思わなかった……」


 ふとルナードは、初めてラルーが心配してくれていたんだとも気がついたのだった。

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