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完結編 第14話 ヒカリの届かない場所


「だから、言ったんだ。子供を戦わせるなんて…」

黒影が天音に詰め寄った。

「…訓練生が…天馬が…っ…」

未だ、現実を受け入れ難いと

黒影は嘆いた。


「…子供じゃない。彼らは覚悟の元に任務についた、小さな大人だ」

「お前に言われた通り、俺は天馬から離れなかったぞ」


天馬を任務に出す条件として黒影は

天音が天馬から離れない事を提示していた。

だが、それでも届かない。

ただ、友と帰るために…。

そして、友を守るために…。


「…お前は、まだ息子がいる…」

「この気持ちが分かるわけ…」


「分かるさ」

あの日、膝から崩れ落ちたあいつを支えてやれなかった。

—いや、支えなかった。

自分で立ち上がれる、蒼真なら。と信じた。


「誓約書にも基づいている…これ以上は私情として受け取るしかないが、どうする?」

天音は冷たくいい切った。


「……つくづく、冷たい男だな」

それだけ言うと、黒影は部屋を出てゆく。


そのまま、黒影が連盟本部に

姿を見せることはなかった。




暗い空間。

ヒカリの届かないその場所に紫苑はいた。

音も、聞こえない。


紫苑の前に一つの影があった。


「戻る気はないのか」


低い声が、響く。

問いだ。

その声だけはなぜか耳に届いた。

「……別に」

影は静かに笑った。

「そうか」

一歩、近づく。

「なら——好きにしろ」

紫苑の視線が、わずかに動いた。

だが、どこを見るでもなく——


「……どうでもいい」


影は、それ以上何も言わない。

ただ——

「面白い」

小さく、呟いた。


その選択が、何を壊すのか——

まだ、誰も知らない。




ヒカリを結ぶー完結編ー

第1章 完



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