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泣き面に蜂


数分前……


【何の変哲もない石畳の通路】


 奇跡の歌声を披露し、試練を突破したベーゼンドルファーは、

通路に差し掛かってすぐ右にある、【嘘こそ真の扉】を、鍵を使って開けた。



【赤か黒か! の間】


 六畳の石畳の部屋、その中央に、祭壇と白い皿が二つ並んでおり、

一つには赤い粒が。もう一つには黒い粒が盛られてある。


 ここで赤を選んで口に入れれば扉が現れるはずである。その先は【ノルランド銀行】その倉庫だ。


 ベーゼンドルファーは、右側の赤い粒を摘んで口に含んだ。


「辛え!!」


 ベーゼンドルファーの味覚は小学生並みだった。辛いものを受け付けないのだ。

のたうち回るベーゼンドルファーだが、赤い粒が供えてあった側の壁から、隠し扉が現れた。


 ベーゼンドルファーは悶絶しながらも隠し扉の奥に進んだ。




【ノルランド銀行】



 目的の場所にたどり着いた。

相変わらず「しん」とした、いかにもな貴族どもの金庫だ。

唾を吐き捨ててやりたいところだが、今日の目的は別にある。


 ベーゼンドルファーは口元を抑え、ダイヤルキーの前まできた。


 そこで予想だにしていなかったことが発生した。

口の中の赤い粒の『辛味』が、ギアを1段階上げたのだ。


 口の中の激痛にベーゼンドルファーは目を開けることができなかった。

混乱する脳内。そして発汗。


 苦しみに悶えながらベーゼンドルファーは、1個ずつ、ダイヤルを合わせていく。


 6、ベーゼンドルファーは痛みに歯を食いしばる


 5、顔から大量の汗が湧き出てくる


 4、浮かんでくるのは家族の顔……もうじき会える。もうじき会える!


 3、……そして……あのエレベーターの……


 ダイヤルは『カチ』と音を立てた。


 ついに! 金庫が開く!! この先にあるものこそがこの城から出られるものだ!!

ベーゼンドルファーは勝利の表情を浮かべた。そして金庫を開けた……。




 …… ……中に入っていたのは、金色のカードだった。

ドゥングリ語で何か書いてある。

「箱根、ゴールドバスチケット」


 ……箱根? 何だそれは。


 くそ……!! ほんの僅かに嫌な予感はあったんだ!! 

まだ出さないつもりか!! この城は!!


 ベーゼンドルファーは悔しさのあまり壁を殴り、そして一応、ゴールドバスチケットを懐に忍ばせた。



【赤か黒か! の間】


 ベーゼンドルファーは未だ痛む口の中に耐えながら部屋を出た。



【何の変哲もない石畳の通路】


 今度こそ! 今度こそ出られると思ったのに、手に入れたのは使い道のわからないカードだ。

ベーゼンドルファーはもう、どうしたらいいかわからず虚に通路を進んでいった……すると……


「成敗!!!!」


 後ろから剣の鞘で頭を打たれた。

泣き面に蜂とはこのこと。恐れていた事態が起きた。建成たちと鉢合わせてしまったのである……。


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