↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
木こりの俺がお姫様と結婚する方法  作者: 矢間カオル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

99/102

99話 舞踏会

六月になり、王家主催の舞踏会が催された。


目的は長い療養生活を終え、社交界デビューする17歳の王女のお披露目パーティーである。


招待状を受け取った貴族たちは、王女を一目見たさにわんさと集まって来た。


魔石証書の効果は絶大で、会場に集った貴族たちの中にセレスティアのことを私生児などと揶揄する者はなく、皆純粋に国王陛下に似た美しい王女を見たいと思っていた。


セレスティアのために、花でいっぱいに飾られた会場とテーブルに並べられた贅をつくした料理に、訪れた皆が満足していたが、やはり一番の関心はセレスティアである。

初めて見る王女の登場を、今か今かと待っていた。


入場のコールが響くと同時に、皆が一斉に入り口に注目する。


エドマンド、レジーナ、フィリウスと一緒に会場に現れたセレスティアを見た瞬間、皆の口からため息が漏れた。


「なんという美しさ」

「まるで天使のようだわ」

「凛とした気品を感じるわ」


皆は頭を下げて王族が通り過ぎるのを待っていたが、中には我慢できずにチラリと顔を上げてセレスティアを覗き見る者もいる。


ほんの一瞬でもセレスティアを見た者は、洗練された歩く姿に魅了された。


本日のドレスは爽やかな水色を基調とした光沢のあるサテンに、白いレースと真珠をふんだんにあしらった豪華なドレスである。


しかし、決して派手過ぎることはなく、セレスティアの気品に合わせるように、ドレスそのものも清楚な気品を感じさせるものであった。


エドマンドの開会宣言でダンスが始まるのだが、本日の趣旨はセレスティアのお披露目である。


最初のダンスは、エドマンドとセレスティアが踊る。

二人はダンスホールの中央に歩み出た。


「セレスティア、皆がそなたに注目しているが、いつも通りに踊れば良い。教師はそなたのダンスを素晴らしいと褒めていたよ」


「ありがとうございます。お父様のお言葉で自信が湧いてきます」


子どもの頃からフローレンスの指導のもと、一生懸命にダンスの練習をしてきたセレスティアであったが、人前で、しかもこんなに大勢の前で踊るのは初めてである。


踊る前は心臓がバクバクしていたのだが、エドマンドの優しい言葉に自然と心が落ち着いてくる。


音楽が鳴り始めた。

セレスティアの非の打ちどころのないダンスは蝶々が舞うように美しく、まるで会場が花畑になったようだった。


ダンスが終わった後、会場は盛大な拍手に包まれた。




大きな仕事を一つ終えたセレスティアは、ほっとして次のダンスを踊っているエドマンドとレジーナを見ていた。


息の合った二人のダンスは、長年の夫婦の絆と余裕を見る者に印象付ける。


いつもなら、最初に踊る二人であったが、今日だけはと、レジーナがセレスティアにファーストダンスを譲ったのである。




会場にいる若い貴族令息たちが、セレスティアにダンスを申し込もうかと迷っているときだった。


いち早くセレスティアの前に現れた見目麗しい若い男が声をかけてきた。


「美しい王女殿下、お久しぶりです。私に一曲お相手をする光栄を授けていただけますでしょうか?」


サラサラの金色に輝く髪と青い瞳、端正な超美形の若者の顔を見て、セレスティアは目を丸くした。


「ジョ、ジョセフ様、どうしてここに?」


ジョセフは、本来ならベルランテ王国のアカデミーの学生寮にいるはずである。

15歳の夏以来、ほぼ二年ぶりに再会したジョセフは、背が伸び、もともと美しかった顔に凛々しさと威厳が加わり男らしい顔つきになっている。


「セレスティアがここにいると聞いて、飛んで来たんだ」

「でも、どうして?」

「ふふふっ、それは僕から」

二人の間に割り込んできたのは王太子のフィリウスである。


「ジョー兄に、ずっと前から姉様のこと聞いていたんだ。だから絶対に報せなくっちゃって思ってね」


「ああ、フィリウス、よくやってくれた。ありがとう」


「ジョー兄、もっと褒めてよ。母上にも姉様のこと、温かく迎えた方がいいって話したんだよ」


「そうか、フィリウスは気が利くな。偉いぞ」


フィリウスはジョセフに褒められて、子どものように嬉しそうな顔をしている。


セレスティアは、王太子フィリウスと、隣国の伯爵令息のジョセフの関係がわからず、目をぱちくりしていた。


「それでは王女殿下、一曲お相手お許しいただけますか?」

「は、はい」


ジョセフとセレスティアは、ダンスホールの中央へと移動した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。