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神のみぞ知らない願望を叶えるため筋書通り異世界転生した俺は、異世界で気ままに生産系魔術のみの神チート能力で叶えて攻略します  作者: 坪内俊


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第4話 異世界の女王は転生者を探します

 心地いい旋律が響き渡り、乳香がくゆり、甘い香りが漂う、白き光に満ちた荘厳な玉座の間に鎮座している神聖エストラント公国を建国した初代女王であり、リムラ教大司教エザベラアルーシャ・エル・イスラマラーマの瞳孔が大きく見開き、背筋に悪寒が走った。

「ありえない。あってはならないのじゃ。創造神メヨーテセシュル神が居なくなったじゃと。今のうちすぐに神々の降臨に備えなければ。始まるというのか、またあの禍々しい神々の大戦により、幾多の生きとし生けるものが殺される災禍が」

 神々しさ溢れる美貌の女神である創造神メヨーテセシュルの化身としてエルフ種族の最高位に君臨する齢1000年を数えるエザベラアルーシャ・エル・イスラマラーマは激しく狼狽した。

 それに気づいてか、見た目は少女のように可憐で銀髪のおさげがよく似合う黒いメイド服を着た背の小さな傍使いのシャルーシャが駆け寄り、幼さ残る声で声を掛けた。

「どうなさいました陛下」

 狼狽し焦燥しきった顔色した女王エザベラアルーシャは声を振り絞ってシャルーシャに命を告げる。

「シャルーシャ。直ぐエルザベータを呼べ。直ぐにじゃ」

「御意」

 傍使いシャルーシャは影となり奥に消えた。

 玉座の間を覆う天蓋が激しく震え、眩しい清冽な光が辺り一面を白く照らした。

「天界を失った神々の降臨じゃ」

 女王エザベラアルーシャは玉座からひらりと降り床にひれ伏し、神々を迎え入れる姿勢をとった。

 天上の頂から降り注ぎ、空の割れ目から溢れ出したのは、何百もの聖歌隊が声を重ねたよう調べが雨のように降り注いだ。

 神々の調べと共に行き場を失った神々が、ここ神聖エストラント公国へ降臨し、女王エザベラアルーシャへと命を下すため舞い降りた。

「エザベラアルーシャ。久しいな」

 冷たい橄欖石の床に額を押し付けひれ伏したまま女王エザベラアルーシャは、畏怖の重圧に押しつぶされまいと震える声に力を込めた。

「おお冥府の王アルベルスス神。この度は何と申し上げたらよいのか。このエザベラアルーシャ。すべて神々の御心のままにすべてを捧げ、御身へ尽くす所存でございます」

「あいわかった。この度の事、百瀬琉人という人種族の者が、創造神メヨーテセシュル神がそやつから何故かしら攫われた。そやつは異世界からの転生者でな、おぬしの国のセト・アスベルという人種族へ転生したのじゃ。そのセト・アスベルが現に、創造神メヨーテセシュル神を拉致して潜伏しておる。我らが立ち入れぬあの魔物の森バァグーガでな。そこでエザベラアルーシャ。おぬしらが探し出し、魔物の森バァグーガから引き摺り出してもらいたいのじゃ。後は我らが神罰を下す」

「仰せのままに」

「頼んだぞ、エザベラアルーシャ」

 そう言い残すと冥府の王アルベルススは、眷属64神を率いて白き光と共に忽然と消えたのだった。

 神々の対応に疲弊し切った女王エザベラアルーシャは、深々と玉座に座り込み大きく溜息を吐いた。

 それを見計らってか、シャルーシャが玉座の間の奥から一人の騎士を伴って姿を現した。

 その騎士は露出度が高い白銀の甲冑に身を包み、白きマントを翻して悠然と歩む、一人の美しいプラチナブロンドを靡かせる女性聖騎士が歩み止め、玉座前で跪き頭を垂れ挨拶した。

「このエルザベータ、陛下の召喚の命に従い馳せ参じました」

「エルザベータよ。朕の命に従いて、すぐさま朕の指し示す者どもを探し出せ」

「御意」

「シャルーシャ。伝えよ」

 影から姿を現した銀髪おさげの傍使いシャルーシャは、両手に宝玉を持ち頭上に掲げ女王の命を読み上げた。

「近衛翼竜聖騎士団アマゾルダル団長エリザベータ・シュトルツゥヴァイアーとその団員に命ずる。魔物の森バァグーガへ急行し、この宝玉の光が指し示す者を探し出し、女王陛下へお伝えするのだ。すぐさまに行け」

「御意」

 女王陛下の命を受け、エルフ種族女性のみで組織された近衛翼竜聖騎士団アマゾルダルの団長エルザベータは兵舎に戻り次第、女王陛下の勅令を告げ、団長自ら率いる団員7名の小隊編成し、翼竜の準備に取り掛からせた。このまま順調にいけば、王都ペルンシリアから魔物の森バァグーガまで騎馬兵団なら半日かかる距離だが、近衛翼竜聖騎士団アマゾルダルなら大空を滑空し二時間程度で到着し事を済ませ、夕食前頃には戻ってこられる計算だ。

 脇から団員の一人エリッサ・シュトルツが団長に尋ねた。

「団長。私は怖いのです。魔物の森バァグーガへ人探し事自体が有り得ないことじゃないですか。何か言葉に言い表せない違和感として何かが起こる胸騒ぎしてならないのです」

「考え過ぎだエリッサ、人を探し出し女王陛下へご報告するだけの勅令だ。事は夕食前には終わる。魔物の森バァグーガを意識して気負いしているに過ぎん」

 そこに話へ割って入ったベルが鳴り響いた。

「翼竜の支度が終えた合図だ。行くぞ」

「はっ」

 気丈に振る舞って翼竜に跨り手綱を引いたエリザベータの胸の内は、エリッサと同じ何とも言い難い違和感の胸騒ぎを抱きつつ勅令の絶対遂行のみを考え、魔物の森バァグーガへ目指し近衛翼竜聖騎士団アマゾルダル団員7名を率いて大空高く飛び立った。

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