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神のみぞ知らない願望を叶えるため筋書通り異世界転生した俺は、異世界で気ままに生産系魔術のみの神チート能力で叶えて攻略します  作者: 坪内俊


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第3話 女神をもの扱いしたら、ぶっ飛ばされました

 琉人は拘束されている女神の首に繋がれているリードを強く握りしめた。

 それは単に彼女を縛り服従させるための道具だけではない。

 琉人がこの異世界に降り立つ前の天界で、初めて女神を拘束する拘束具を生成する時、筋書き通りこの状況を想定してあらかじめ構築しておいた「魔力変換器」でもあったのだ。

「ものとしての女神様の出番だ。魔力が尽きたなら外から補充すればいい。それも、最高に贅沢な神の力でなッ!」

 琉人が指先で、リードに嵌められた極小の枷を解いた。

 ドクンっ!と全身に大きな脈が打った瞬間、世界の色が変わった。

 女神の身体から、聖なる純白の、あまりにも濃密で濃厚な神の力が、奔流となって琉人の腕から全身へと流れ込んだ。

 全身を縛る拘束具から強制的に神の力を抽出される女神こと創造神メヨーテセシュルは、苦悶の表情を浮かべ涙し、屈辱に耐える唇を噛み締めて口元から血を垂らした。

 それは女神が持つ神の力を単に女神から消費しているわけではない。女神の権能を強制的に抽出し、琉人の魔力回路へとバイパスさせ、神の力を魔力として強制変換しているのだ。

 息を吹き返した琉人の対神用障壁が、再び幾重も多重展開し、目前まで迫っていた神々の光の奔流の一筋を一気に遠ざけた。

 琉人は空っぽだった魔力量が瞬時に満たされ、溢れ出す感覚に酔いしれた。

 身体中の細胞が活性化し、視界はかつてないほどに明瞭になる。

 今の彼は、人間などではない。一時的に神の力を積んだ人間という、バグのような存在へと変貌していた。

「これ以上障壁を生成するのもかったるいし、防いでいるだけじゃ俺の筋書きが進まないし、じゃあいっそのこと俺が障壁を着れば話が早いか」

 目を瞑り、光の奔流の一筋を素粒子として捉え、チート生産系魔術を発動させた。

 すると、先ほどまで彼を押し潰そうとしていた光の奔流の一筋が、光の粒子として空中で再構成され、琉人の周囲へ吸収され始めた。

 それは生産スキルの超絶構築ハイパー・ビルドを発動し、神の力をエネルギーに、神の攻撃を素材に、そして神の権能を設計図にして、琉人の体周辺に物質が再構成され形成され始めたのだ。

「いいぞ、この調子でいけば5分足らずで、神罰から造ったパワードスーツの完成だッ!」

 凄まじい勢いの白き光に包み込まれて、琉人の体に沿って形作られていく白き光輝くパワードスーツだったが、女神こと創造神メヨーテセシュルから途轍もない魔力量が流れ込んで、パワードスーツの大きさを遥かに凌駕していた事に気付いた時点で時すでに遅かった。

「やばッ!女神から変換した魔力量が半端なかったか…じゃあパワードスーツは諦めて、いっそのことでっかい戦闘ロボットを造って乗りますか」

 快適な異世界での戦闘ライフを可能にするパワードスーツだったが、あまりにも膨大な魔力量を捌くため巨大化したパワードスーツは、戦闘ロボットとして形成し、琉人はそのまま女神共に戦闘ロボットの操縦席に収まった。

 まだ続いている神々からの光の奔流の一筋をその戦闘ロボットは片腕で防ぎ、琉人の操縦されるのを待っているかのようだった。

「おおっ、これが某アニメで見てきた戦闘ロボットの操縦席」

 琉人り目の前のディスプレイに戦闘ロボットからこの機体の名称をつけてくださいと表示され、手元の空中に半透明のキーボードが映し出された。

「うんっ!?名前をつけてくれって。このキーボードは空中で打てるのか」

 空中に映し出されたキーボードを見詰める琉人の瞳は輝いていた。

「そうだなぁ、某アニメの呼び名じゃあ芸が無いし…防ぐ意味を込めて…」

 空中でもキーのクリック感は確かにそこにあった。

「プロテルトって入力完了っと」

 入力完了すると、プロテルトと名付けられた戦闘ロボットが操縦可能である感覚として、直に琉人の手足と胴に伝わって来た。

「自分の体の動きをモーションキャプチャーするタイプか。いいね、疲れるけど。じゃあ行くぞッ!プロテルトッ!!」

 それに呼応するかのようにプロテルトの両目が緑色に光り、光の奔流の一筋を防ぐ一方だった姿勢を攻勢に転じて、プロテルトは忽然と姿を消した。

 神殺し白き巨兵プロテルトが初めて産声を上げた瞬間だった。

 まだ産声を上げたばかりの白き巨兵プロテルトは、目で追えぬほどの機動性で、包囲していた眷属64柱の背後を一瞬にして取った。

「神々の動きを封じるッ! グラビティアローッ!!」

 プロテルトから放たれた黒き矢のグラビティアローは、すべての眷属64柱に容易く命中し、グラビティアローに当たられた眷属64柱の動きが止まった。

 次の瞬間、当てられたグラビティアローの凄まじい重力に、眷属64柱は大地に叩きつけられ、這いつくばったまま無様に悶え苦しんだ。

「そんでもって神様たち、ここでチェックメイト、さようなら」

 プロテルトの掌を広げたまま両腕を広げてから両腕を揃えて前に突き出し、琉人が言い放った。

「フェニックス・ベノンッ!!」

 地べたに這いつくばる眷属64柱へ目掛けて、灼熱の煉獄に等しい火炎が猛烈な渦を巻き巨大な火の鳥となって勢いよく放たれた。

 勢いよく放たれた火炎の火の鳥は、地べたに這いつくばる神々を舐めるように飛翔し、神々の断末魔と共にすべて焼き尽くしたのだった。

 焼き尽くされた後の大地から立ち昇る灼熱の熱気が揺らぎ、その威力の凄まじさを物語っていた。

 神の技と女神の神の力を融合させて生産した白き巨兵プロテルトの戦闘能力は絶大だった。

「焼き尽くされ居なくなったという事は、神は死んだっていう事か女神」

「ああっ何という事じゃッ!神を殺しよったッ!お前が焼き殺した神は、もうこの世から消えたのじゃッ!!名も無き神はもう二度とこの世に誕生する事はないのじゃッ!!ああッ!なんという事を…ッ!!」

「名も無き神っていう事は、名前がないから殺せる神っていう事なのか。そういう事か。一つ参考にさせて貰ったよ女神、今後の筋書きを展開する上で重要事項とするよ。ありがとう女神様」

「貴様という奴はッ…眷属神に成るまで徳の高い御魂が、長い年月をかけ修行を積むということが、いかなることか知っておるか…」

 そう吐き捨てた拘束されたままの女神は、悠然とプロテルトの操縦席に立つ琉人を下から睨むしかなかった。

 白き巨兵プロテルトの内部まで震わす大気の振動が激しく鳴動した。

 天空と大地が激しく震え、眩しい清冽な光が辺り一面を白く照らす。

 神が降臨する状況から琉人は眷属神の主神が出現すると確信した。

「ようやく親玉のお出ましだ」

 何百もの聖歌隊が声を重ねたよう調べが天上の頂から降り注ぎ、空の割れ目から溢れ出て雨のように降り注ぐ。

 神降臨の調べと共に地上に降り立った神のその姿は、黄金色の兜を被り甲冑を身に纏い、手に大剣を握り、表地は漆黒で裏地真紅のマントを翻して、天空の頂から見下ろし、地上にいる百瀬琉人を睨んで凝視していた。兜を深く目深に被っているためか、その表情や顔色を窺い知ることはできなかった。

 その降臨した一柱の容姿を見た女神こと創造神メヨーテセシュルは、表情を明るくし、喜びで高揚する体を震わせた。

「ようやく来おったかッ!十二神将の一柱にして冥府の王アルベルススッ!!」

 女神からそう呼ばれた十二神将の一柱にして冥府の王アルベルススは、間髪入れずに攻勢に転じて怒涛の剣技を連続に繰り出した。

 白き巨兵プロテルトは柳に風と受け流すしなやかな動作でかわし、冥府の王アルベルススから繰り出される剣筋はすべて空を斬る。

「この冥府の王アルベルススが、冥府の王として、罪を犯した御魂を浄化し滅してやろうッ!百瀬琉人ッ!!」

「十二神将の一柱として戦闘の能力を測らせてもらうよ。全力でかかってきなッ!冥府の王アルベルススッ!!」

「小癪なッ!神を小馬鹿にしおってッ!!」

 冥府の王アルベルススの猛攻をすんでのところかわすのが精一杯なのか、白き巨兵プロテルトは後方へ追い詰められていく。

「流石は十二神将の神、人知を超えた想定外の強さだ。お陰でいい十二神将の戦闘データが採れそうだ」

 冥府の王アルベルススの猛攻に押されていく琉人は焦りもせず、ただ一方的にかわすだけでまだ拳を振るわないでいた。

「みたかっ!このままやれっアルベルススッ!」

 女神は目前にちらつく勝利に歓喜して叫ぶ。

「これで十分に回避性能での戦闘データを採れたかな。それにしても自分の頭の中で演算できるチート能力って便利な機能だな。じゃあ次は攻撃の戦闘データを採りますか」

 防戦一方だった白き巨兵プロテルトは、突如として垂直に飛び、頭上の死角から冥府の王アルベルススを捉え、猛烈な勢いで数多くの閃光弾を叩き込んだ。

「対神用ホーミングレーザー・フラッシュグレネードッ!!」

 数多く迫りくる凄まじい勢いで放たれた閃光弾を冥府の王アルベルススは、すんでのところで刃を振るい、迫りくるすべての閃光弾を一刀両断した。

「ほう、やるねぇ神様。そんで次は白兵戦での戦闘データを採るとしよう」

 琉人は瞬時に白き巨兵プロテルトに合わせた大剣を生成し、白き巨兵プロテルトの右手にその大剣を握らせ、冥府の王アルベルススへ斬りかかった。

 縦一閃。防がれると分かっていながら、白き巨兵プロテルトはあえて全力で叩きつけた。冥府の王アルベルススのガードを剣ごと力ずくで押し込み、強引に体勢を崩したところへ、返しの刃を冥府の王アルベルススの脇腹を捉えた。

 白き巨兵プロテルトの返しの一撃が冥府の王アルベルススの脇腹に届く直前、冥府の王アルベルススの大剣の重厚な刀身がそこに割り込んだ。

「ぐっ……おおおおおっ!」

 冥府の王アルベルススは腕がひしゃげそうな圧力を、叫びながら奥歯を噛みしめて押し返す。大剣同士が噛み合い、火花を散らしながらミシミシと不吉な音を立てる。

 その光景を眺めている女神を嬉々として言い放つ。

「ほれどうじゃッ!おぬしは手も足も出まいてッ!!」

 それに対して、琉人は冷静沈着かつ理性的な返答を返した。

「全然平気だよ女神。すべて俺の筋書き通りにすすんでいるからさ。十二神将の戦闘能力データとして冥府の王をサンプリングし、十二神将を打倒す為の兵器開発などに利用させてもらうよ。さらにその上のまだ見ぬ四天王と対等以上に戦うためシミュレーションを予測演算の数式で導き、今後に備えないと。今の俺の経験と能力じゃここいらが潮時かな。女神、衝撃に備えた方がいいよ」

「えっ!?何を言うとるのじゃ?」

 白き巨兵プロテルトを操る琉人は、観念したかのように目を静かに閉じ身構えた。

 冥府の王アルベルススは渾身の力を振り絞り、強引に白き巨兵プロテルトの大剣を跳ね飛ばした。上方に弾き上げられ、ガラ空きになった白き巨兵プロテルトの胴体を捉えた。

 冥府の王アルベルススが繰り出した横一文字の一閃が、白き巨兵プロテルトの胴体を薙ぎ払い、その絶大な威力によって、白き巨兵プロテルトは後方の窪地に広がる深い森の中へと勢いよく吹き飛ばされた。

 白き巨兵プロテルトが成す術もなく地面へと叩きつけられた轟音ともに、深い森の中から土煙が立ち昇った。

 遠くの深い森の中から立ち昇る土煙を眺めた冥府の王アルベルススは、何故かしら追って止めを刺すの止め、剣を鞘に納めた。

「魔物の森バァグーガへ堕ちたか。魔に堕ちた最高神アビゼビュートの呪いが、我ら神聖な神々を阻んでおる。ここまでか」

 追撃を止めた冥府の王アルベルススは、一旦引くことにした。

「形勢を立て直し、百瀬琉人を討つまで、ご無事で、創造神メヨーテセシュル神」

 そう言い残し、冥府の王アルベルススは忽然と消えた。

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