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神のみぞ知らない願望を叶えるため筋書通り異世界転生した俺は、異世界で超絶生産系魔術のみの神チート能力で叶えて攻略  作者: 坪内俊


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第23話 惹かれ合う二人。激闘の二人

そろそろ前半部が終わりに近づいてきております。

ここまで来れたのも、読んでいただいている読者の皆様のお陰です!

 攻勢に転じたヌロニハールから繰り出される黒き拳は、一つ一つ重く、四天王の武神としての紅蓮華の断罪神ラミリアシャルファースフルの剣筋を狂わしていく。

「くっ‥このまま、こやつから持っていかれる‥」

 一転して防戦一方側に立たされた紅蓮華の断罪神ラミリアシャルファースフルは、焦燥に駆られる自分を武神として恥じた。

「降参しますか、紅蓮華の断罪神ラミリアシャルファースフル神」

 黒き拳の猛攻を緩めず、涼しい顔の凛とした眼差しで、ヌロニハールの口が開いた。

「ほう、ようやく口を開いてくれたのぉ白き侍女」

 真紅の残像を残し連撃を振るうラミリアシャルファースフルの神剣クゥルトルフヴァルータは虚しく空を斬る。

「私の名はヌロニハールと申します。紅蓮華の断罪神ラミリアシャルファースフル神」

「ヌロニハール、良い名だ」

「紅蓮華の断罪神ラミリアシャルファースフル神。止めを刺させてもらいます」

「もう、止めとな。早過ぎるではないか。あと少し、続けようではないかヌロニハール」

「そうはいきません紅蓮華の断罪神ラミリアシャルファースフル神。マスターの命令は絶対です。貴方は、私のこの拳で、朽ち果ててください。では参ります。お覚悟をッ!武装展開ッ!!」

 その言葉に呼応し、ヌロニハールの全身が眩い光に包み込まれ、一瞬にして、武装展開したヌロニハールの姿が露わになった。

 武装展開したヌロニハールのその容姿は、白銀のティアラを冠した乳白色のツインテールを靡かせて、白銀の軽装甲を身に纏い、ガントレットを嵌めた両手と、装甲ハイヒールの脚が鋭く月光にきらめいていた。

 武装の容姿となったヌロニハールの黒き拳は、一段と輝きを増し、構える黒き拳から漲る闘志がひときわ滾っていた。

「ほう、所詮、侍女が聖騎士の装いとなったところで、なにになろう」

 そんな折、ヌロニハールがふと目にしたのは、琉人と抱き締め合うリファールの姿だった。それを見た彼女の胸はズキンと痛み、なぜか無性に腹立たしさと虚しさが入り混じった感情が込み上げて、一粒の涙が頬を伝った。

「闘う前から、見くびるのはよしてください紅蓮華の断罪神ラミリアシャルファースフル神ッ!今の私は、無性に貴女を叩きのめしてやりたい気分なのですッ!!」

「大した自信だな、ヌロニハールッ!!」

「根拠のある自信です、紅蓮華の断罪神ラミリアシャルファースフル神ッ!!」

 赤い残像を残し縦軸一閃に振り下ろす真紅の神剣クゥルトルフヴァルータの刃が、黒き拳の甲で受け止められ、激しい衝撃波が四方へ広がり、遅れて大爆音の残響が地を震わせた。


 上空で赤き刃と黒き拳が交錯して爆ぜる轟音が、月夜の天空を震わせる。時折押し寄せる衝撃波は、乾いた大地の砂塵を巻き上げた。

「リファール、残念ながら武装展開したヌロニハールは誰も止められない。この俺でも」

「じゃが‥琉人、こんな戦い闘う意味が無い。なにせ、殺した筈の琉人を前にして、何の疑いもなく立ち去った万象の聖刻神イシュリシアフォーヌらの真の目的は、琉人の断罪ではなく、最高神アビゼビュートを復活させ、この世界の再編を企んでいるからじゃ。最高神アビゼビュートの復活を何としてでも止めなくては、この世が地獄と化す」

「地獄と化すかぁ‥あっ、そう言えば、あの死神イシュリシアフォーヌが、俺の筋書通りの展開が予定調和を乱しているって言ってた」

「それは、好都合じゃ琉人。おぬしの筋書通りの展開は、神みぞ知らぬ運命を手繰り寄せるから、時を司る万象の聖刻神といえども、手に負えないという意味じゃろ」

「それじゃあさぁ、俺の筋書通りの展開に賭けたリファールの決意に応え、セト・アスベルくんを救出して、最高神アビゼビュートの復活を阻止する筋書通りの展開で行く。では、ヌロニハールと紅蓮華の断罪神ラミリアシャルファースフルの闘いを終わらせるのを手伝ってくれるか、リファール」

「承知した。どう手伝えばよいのじゃ、琉人」

「紅蓮華の断罪神ラミリアシャルファースフル神を普段の呼び名で、おもっきり叫んでくれるだけでいい」

「あやつの普段呼んでいる名を叫ぶだけでいいのじゃな。だがあやつは、戦闘になると武神の名に恥じることなく、耳が無くなるからのう。どう意識をこちら側に向けさせるのじゃ」

「それは、俺の出番。ヌロニハールの注意を俺に引き付ける」

「どうやってじゃ」

「それは後でのお楽しみ」

「もったいぶって、じれったいのう、琉人」

「かわいいよ、リファール」

「茶化すな」

 二人見詰め合い、笑みが漏れた。

 リファールは静かに目を閉じ、自らの潤んだ唇を琉人にそっと差し出した。

 リファールの潤んだ唇に吸い寄せられそうになる琉人の目に、身を挺して深傷を負いながらも窮地から救ってくれた、冷たく乾いた地べたに横たわる、気を失ったままのモモカとユキノヒメの姿が映った。

「あっいっけねぇ!モモカとユキノヒメをはやく治療しなければッ!」

 キスを寸前で止められてしまったせいだろうか。リファールは一気に頬を赤らめると、その気恥ずかしさを誤魔化すように大きな声を上げた。

「うっもうっ!琉人のバカッ!!そんな大事な事を、はやく言うのじゃッ!!モモカとユキノヒメを病室へ連れて行くぞ、琉人ッ!」

 そのまま琉人へ背中を向けて駆け出し、彼と視線を交わすこともないまま、モモカとユキノヒメの元へと急いだ。

「何怒ってのさぁリファール」

「何も怒っておらんッ!」

 琉人は慌ててリファールの後を追い、モモカとユキノヒメを治療すべく急いで駆け出した。


 武装展開したヌロニハールの黒き拳は数段ギアが上がり、紅蓮華の断罪神ラミリアシャルファースフルから連続で斬撃される真紅の神剣クゥルトルフヴァルータを振り払う。振り払われる度に乱れる剣筋の隙を付き、紅蓮華の断罪神ラミリアシャルファースフルへ黒き拳を喰らわしていった。

「この武神たる我が‥押されている‥だとッ!」

 連続打ち込まれる黒き拳と、時より来る鋭く重い蹴りが、紅蓮華の断罪神ラミリアシャルファースフルを追い込んでいく。

「ヌロニハールッ!我も貴様と同じ容姿となろうではないかッ!この我を本気にした相手は、ヌロニハールッ!貴様だけだッ!!」

 そう言い放つと紅蓮華の断罪神ラミリアシャルファースフルの体が一瞬閃光を放ち、

 装いが身軽になった紅蓮華の断罪神ラミリアシャルファースフの姿が顕わになった。

 真紅と黒の硬質な装甲を胸元と腰回りに這わせ、両腕に同色のガントレットを厳めしく装着しながらも、ボトムはフリル付きの黒基調なミニスカート風に仕立て、白く滑らかな素肌の両脚にはスタイリッシュな長めの黒革ハイヒールブーツを厳かに穿きこなした、妖艶かつ戦闘的な装いで、神剣クゥルトルフヴァルータを構える紅蓮華の断罪神ラミリアシャルファースフルの姿がそこにあった。

「この破廉恥な姿にしたのは、ヌロニハールッ!貴様ッ!死んで責任取ってもらうぞッ!!

 覚悟せいッ!!」

 身軽になった紅蓮華の断罪神ラミリアシャルファースフルの赤き斬撃は数段ギアが上がり、武装展開したヌロニハールから連続で打ち込まれる黒き拳を振り払う。振り払われる度に乱れる打撃の隙を付き、ヌロニハールへ神剣クゥルトルフヴァルータの赤き刃を喰らわしていった。

「形勢が逆転した気分はどうだ、ヌロニハールッ!」

「まだッ!まだッ!まだッ!」

 フルスロットルで攻勢を強めたヌロニハールの黒き拳の連打が紅蓮華の断罪神ラミリアシャルファースフルの赤き刃を押し退ける。

「やるな、ヌロニハールッ!これならどうじゃッ!万雷の主宰ザビグロニアッ!加勢せよッ!今すぐに馳せ参じるのだッ!!」

 その命令に答えるかのように月夜の天空に幾筋の稲光が走り、雷鳴が轟き、万雷の主宰ザビグロニアとその眷属らが動き出す鳴動が地響きとなって届いた。

第23話を読んでいただきありがとうございます。

心から感謝申し上げます。

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