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神のみぞ知らない願望を叶えるため筋書通り異世界転生した俺は、異世界で気ままに生産系魔術のみの神チート能力で叶えて攻略します  作者: 坪内俊


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第13話 神様は手ごわい相手です

連休の初め頃に、大幅に書き替えた第2話と第3話を更新いたします。

気になる方は、ぜひブックマークや評価と感想で応援いただけると励みになります!

 神々と美少女ゴーレム兵団ヴァルキルウスの戦いは、天と地と駆け巡り、大地を震わせ天へ爆音を轟かせ、神々の裁きを放つ雷光が走り、少女たちが繰り出す黒き拳の刃が容赦なく切り裂く激しい闘いを繰り広げていた。

 掠めた刃が黒革を裂き、わずかに覗く白い肌に一筋の紅を引いた。

 赤毛のラルシルの傷だらけの黒革が、彼女の戦いの過酷さを無言で語っていた。

 神々は瀕死の淵に立つと戦列を離れ、代わって前衛に立った神が刃を振るう。その神がまた窮地に陥れば、先に戦列を離れていた神が再び前衛へと返り咲き刃を振るう、その交代で復活してくる神々を一人の美少女ゴーレムが相手する神々の数が半端なかった。

 赤毛のラルシルも8柱の神々を相手に一進一退の攻防を繰り広げていたのだ。それは、他の美少女ゴーレムらとて同じ戦況だった。

「セルシル姉さんッ!なにこれ、きりがないよッ!!」

 赤毛のラルシルは悲痛な声で姉の青毛のセルシルに助けを求めるが、姉の青毛のセルシルとて同じく苦しい状況だった。

「弱音を吐いちゃダメッ!どうしたのッ!いつもの無鉄砲さで蹴散らしなさいッ!!」

「そうしているんだってばッ!!もうッ!しつこいの嫌いッ!」

 神々の繰り返される打撃に、赤毛のラルシル自慢の速さが目に見えて衰え始める。

「っ!意識がっ…」

 赤毛のラルシルの防ぐ拳が一瞬緩んだのを見逃さなかった神々の刃が、隙が空いた張りのある太腿の白いタイツを切り裂き、乙女の柔肌を赤く染めた。

「ラルシルッ!!」

 赤毛のラルシルの背後ががら空きになった隙を突く神々の刃が振り下ろされた。

 神々と激闘しているセルシルは、ただラルシルの名を成す術もなく叫ぶ事しかできなかった。

「えっ?」

 セルシルの目の前からラルシルが忽然と消えた。

 振り下ろされた神々の刃が虚しく空を斬る。その反動で神々の陣営が崩れた。

 気がとられた隙を狙われたセルシルの背後を捕らえた神々の刃が振り下ろされた。

「セルシルッ!!」

「えっ?」

 神々を血祭に挙げていたリファーダの目の前からセルシルが忽然と消えた。

 振り下ろす神々の刃は虚空を切り裂き、神々は総崩れで落下していった。

 気を取られて一瞬目を離した隙を狙い、神々の獰猛な刃がリファーダに牙を剝いた。

 リファーダは死を観念した。その刹那、ふっと体が軽く抱えられ、獰猛に牙を剝いた刃が一瞬で粉砕されていく光景を目の当たりにした。温かみのある甘く官能的な龍涎香の香りがリファーダに安息の一息を与えた。

 視線を上へ向けたリファーダの瞳に涙が溢れてきた。

 涙で歪む視線の向こうに、乳白色のツインテールを戦いの中で靡かせ、凛とした眼差しで神々を叩きのめしていく、頼もしい黒き拳を振るうヌロニハールの姿がそこにあった。

「姉さまっ!」

 もうすでにリファーダの体は、砕けた白磁の肌の隙間から血潮に濡れた魔導回路が火花を散らし、自慢の銀髪は煤に汚れ、片腕を失いながらも、亀裂の走った双眸に主への献身だけを宿していた。

「リファーダ、皆のお姉さんとして、よく頑張りましたね」

「うん、リファーダは、まだ戦えるよっ姉さまっ!」

 神々から放たれた一撃雷光がヌロニハールへ目掛けて走った。ヌロニハールは顔色一つ変えず、その一撃雷光を黒き拳で容易く払いのけた。

「いいえ、リファーダ。その失った片腕と全身の損傷をマスターから直してもらいなさい。いいね」

「でも姉さま。ロニハに加勢…」

 優しい眼差しをしたヌロニハールに、自慢の銀髪に積もった煤を優しく払い撫でてもらう。

「いいね」

 リファーダの瞳から闘志の光が静かに消えた。

「はい、姉さま」

「いい子」

 ヌロニハールは、著しく損傷したリファーダをマスター琉人の元へ送り届けた。その際、忽然と姿を消したかに見えたラルシルとセルシルだったが、実はヌロニハールによって一足先にマスターの元へと送り届けられており、そこでリファールの手厚い手当を受けていた。

 手厚い手当を受けている場所は、いつの間にか琉人の生産系魔術によって、近代的な白壁の兵站病院が建てられていた。

「リファール、この子をお願い」

 兵站病院に入りなりヌロニハールは、片腕を失ったリファーダを女神ことリファールへ託す。

「随分と派手に立ち回ったのじゃのうリファーダ」

「リファール…怖かったよぉ」

 泣き出すリファーダを何も言わず抱き締めるリファールの眼差しは慈愛に満ちていた。

「ヌロニハール、戦況はどうだ」

 リファールの手を借り治療に当たっている琉人は、失ったリファーダの片腕を瞬時に生産系魔術で復元し、泣き崩れるリファーダの状態をチェックしながらヌロニハールへ戦況を尋ねた。

「美少女ゴーレム兵団ヴァルキルウスにとって、思った以上に神々は手ごわい相手のようです。私と同等のレベルが必要かと」

「そうだな。眷属相手でこの程度じゃ、俺の筋書き通りに運ばない恐れが出てくる。今の内に神々の戦闘データを詳細に収集し、後の軍備増強に繋げるか…。ヌロニハール、君とヴァルキルウス6名のチームワークによる戦況変化のデータを同時に収集しろ。それと冥府の王アルベルススの眷属64柱を60秒で殲滅し、帰投せよ」

「かしこまりました。マスター」

 研ぎ澄まされた声で即答しヌロニハールは忽然と姿を消した。ヌロニハールから漂っていた龍涎香の温かみのある甘い官能的な香だけが残っていた。


第13話を読んでいただきありがとうございます。感謝します。

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