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第39話
「ここがルネス……」
ガタゴトと電車に1時間ほど揺られ、ルネス前まで来た。
エントランスであろう大きな建物は宮殿のような豪奢な作りで、ガラス越しにロビーから巨大なシャンデリアが覗いていた。
床は大理石だし、家具にはロココ調の装飾があしらわれている。
植え込みには何故か南国風の木々が生い茂り……。
「いや、これ」
生い茂っているのは木々だけでは無い。
ろくに剪定もされていない所か、至る所に雑草が根を張っていた。
建物の壁のヒビにまで。
人は居ないし電気も付いていない。
一周回って立ち入り禁止の札すらない。
完全な廃墟だった。
宇宙開拓時代。
新時代の訪れに人々は沸いていた。
浮き足立ったのは人だけではない。
人が動かすもの、人を動かすもの。
資本が狂喜乱舞して湧き上がった。
バブルというやつである。
何度繰り返すのか、いずれ弾ける泡だといい加減知っているはずなのに、人はまた金に踊らされてこんな物を作ったのだ。
バチカン市国に匹敵する広い広い園内には、ジェットコースターも観覧車もあればプールもある。
ホテルも自前で用意してあるしレストランは専門店を和洋中取り揃えてある。
バブルの生んだおとぎの国である。
今では取り壊す金すらも生み出せない負の遺産と化してしまった。
びごー。




