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第38話
無人駅のホームに、僕らは座っていた。
電車は2時間に一本である。
前に出たのは1時間前。
暇だった。
「……『ルネスマエ』って何でしょうか」
「ルネスマエ?」
時刻表の脇の路線図を見ていたゆかりが妙な事を言い出す。
ローマ字表記の駅名にはいかにも田舎の地名という感じの名前が並んでいたが、その中に一つ、『Renaissmae』というものが混じっていた。
「Renaiss……ルネサンス?」
「どう見ても日本の地名じゃないですよね」
ルネスマエ。
ゆかりは『マエストロ』のイントネーションで読んでいるが合っているのだろうか。
『『ルネス、前』ではないでしょうか』
びごー。
空蝉が声を出す。
「ルネス前?」
「ルネスってなんです?」
『ルネスというのはですね、この辺りで有名な遊園地です。私が昔働いていたところです』
「へぇー、ルネス前」
朝顔が弾んだ声で返した。
どうも興味を持ったようだ。
「寄ってみない?遊園地なんて久々だよ」
「……まあ、いいんじゃないか、旅行だし」
先を急ぐ旅でも無い。
「駅名になるってことは、かなり大きいところなんですね」
「田舎じゃ結構あるんだよ。目立つものが無いからさ、すぐデパートとか遊園地とかの名前が着いちゃうの」
「へー」
『楽しみですねぇ。私が案内しましょう。スタッフしか知らないお得情報もありますので』
びごびご。




