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第25話

夏祭りの後、ゆかりがふらりと家を出て帰ってこなくなってから2日が経っていた。

「何か心当たりは?」

という僕の問いに、朝顔は答えた。

「……明石さんの話」

明石さん。

久しぶりに聞いた名だ。

お互い、禁句とは言わないが何となく口に出すのを避けていた名前だった。

「それで、なんでゆかりが家出するんだ?」

「……分からないけど。何か思うところがあったんじゃないかな。その話をしてから、ちょっと変な空気になっちゃって」

ゆかりはあの夏祭りの後、風呂に入ってから散歩するといって家を出てから帰って来ていない。

夏とは言え、軽装の少女がそう何日も野宿できるとは思えない。

治安が良いとはいえ山の周りは動物も出るし、ゆかりは土地勘もまだ無い。

村の駐在さんには一応連絡してあるが、前向きな返答は得られていない。

月の向こうからやってきた身寄りのない少女が、祭りの夜にふらりと消えてしまった。

ホームシックだろうとか、神隠しじゃないかとか、そんな噂も出始めているようだった。

……ゆかりの境遇を考えると、あまり大事にもしたくない。

「僕が探しにいくから、朝顔はこの家でゆかりを待ってて欲しい。案外ひょこっと帰ってくるかもしれないし」

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