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188・迷宮核(ダンジョン・コア)は二度枝を伸ばす

ドドドドドゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオァァァァァーーー……ッッッ!!!!


大地が唸りを上げていた。

二カ所にわたって密林が消え、代わって二つに分かれた王種の死体が現れた。

それは、突如として発生した異常事態に震える、エリアそのものの動揺ででもあるかのようだった。


「……どうやら、不死ではないようじゃのう」


そんな中にあって、ビョーウは何も変わらなかった。涼し気な目で、ガラナマダラの死体を冷静に観察している。


「さすがにアレは改造できなかったみたいだな」


「ふん。期待外れもいいところじゃ」


シュウウウゥゥゥ〜〜……


ため息混じりの言葉が、戦闘の終わりを告げる。

発していた白い殺気が収まると、六枚の刃がさらりとほどけた。

麗獣から、麗人へーー血を吸った銀髪も、今はただ夕日色に染まって流れるように揺れているだけだった。


ゴゴゴゴ……ゴゴ……ゴオオォォォォォォォォ……


「地震も収まってきたな。よし、そろそろ行こうか」


「え? あ、あぁ……」


「そ、そうですね……」


「…………」


「ん?」


声をかけると二人が我を取り戻した。そんな中、マリリアだけ反応がない。

無言の顔が、暗く沈んでいた。


「どうかしたか?」


「なんか……さあ……」


仲間が王種のソロ討伐を達成したのだ。このお祭り娘なら、いの一番に大騒ぎしてもおかしくない。

しかし、マリリアの反応は予想していたのと大きく違っていた。


「あんなの見せられちゃったら……ザコ狩りで浮かれてた自分が恥ずかしくなってきたわ……」


「なんだよ。そんな事でヘコんでるのか」


「わたしの身にもなってよ。そりゃヘコみもするでしょ……」


「そもそも、ビョーウと比べるのが間違いなんだよ。白鬣(はくりょう)は戦闘特化の神霊だ。いわば、闘神に近しい。強さの次元が違うんだって」


「それは……そうかもしれないけど……」


頭では分かっていても、心情的に納得いかない。そんな表情だった。

そこにフォローを入れてくれたのは、グラスだった。


「気にする必要はありませんよ、マリリア。神の仕事とは闘う事ではありません。人々を導く事なのですから」


「…………」


「ここまで(みな)を連れて来てくれたのは、立派な功績です。胸を張ってください」


誰あろう、女神の言葉だ。説得力は十分だった。

うつむき気味だったマリリアが、顔を上げた。


「そ、そうかな……」


「大体だ。お前さん、聖職者なんだろ? 後衛が前衛と戦闘力(ちから)比べしても意味がないだろうよ」


「パーティーにそれぞれ役割があるのと同じ、人には各々の使命がある。それをしっかりやればいいんだよ」


「そう……よね……うん! 闘うだけが神様じゃないもんね! なら、これからもみんなを導いてあげるから! しっかりついて来てよねっ!!」


あっさりと、暗い雰囲気が霧散した。

思わず苦笑の出る変わり身の早さだったが、こいつはこれでいい。


「それにしても、あんた……」


と、今度は、入れ替わるように顔を覗かせたものがあった。

まじまじとオレを見つめる目にあったものーーいつもの好奇心だった。


「まだ何かあるのか?」


「いや、ビョーウの斬撃(アレ)を見て、よく冷静でいられるなぁって思ってさ……」


「冷静ってほどでもないけど……初見じゃないからな」


「前に見た事あったの?」


「見たっていうか……まぁ……」


食らった事があるからね。


とはいえず、答えを濁しておいた。

話せば長くなる事は分かっているんだろう。これには触れず、ビョーウがいった。


「陽もだいぶ落ちて来たようじゃ。先を急ぐぞ」




たどり着いた遺跡は、思いのほか新しいようだった。壁面にヒビや剥がれなどはなく、汚れも目立つほどではない。

全体の規模は校舎くらいの大きさで、造りは西洋風のそれだった。

四本の円柱に守られているかのように、細かく装飾された巨大な扉が鎮座している。


「よし。行くぜ」


ロメウが両手で押すと、音を立てて扉が開いた。高さだけで四メートルはありそうだったが、巨大さに見合った重量が感じられなかった。


「随分あっさり開いたな……」


「誘ってるんだろうよ。その証拠に、ほとんど力を入れてねえ」


遺跡に踏みこむと、内部は真っ暗だった。頬に当たる空気はひんやり冷たく、差しこむ夕日の中で(ほこり)が舞っている。


「奥が見えねぇな……」


「ちょっと待ってて。灯りを点けるから」


マリリアが短鎚矛(ショートメイス)を一振りした。先端から飛んだ小さな光球が、はじけて辺りを照らし出した。

息を飲んだ。


「!!?」


「こ、こいつぁ……」


照明に浮かび上がったのは、異様な光景ーー入口の数歩先から黒く広がる、底の見えない奈落だった。


「ゆ、床がないんだけど……」


「フロア全体が穴になっていますね……」


「……底まで光が届いてない。相当な深さだぞ、これ」


「迂闊にズカズカ踏みこんだら、奈落の底まで真っ逆さまって訳か……」


いいながら、ロメウが小さく身震いした。

改めて覗きこむと、黒い穴の中から冷たい空気が流れてきているようだった。埃っぽさとは別の匂いが微かに鼻を掠める。

あるいは、どこかと繋がっているのかもしれないーーそんな事を考えていると、眉間に皺をよせながらビョーウがいった。


「くだらぬ真似をしおって。小細工する暇があるなら、もっとましな獲物を用意すれば良いものを」


「いや、ガラナマダラ以上のモンスターなんて、そうそういないから」


入れる気はあるが、進ませる気はない。

創造主の悪意がそのまま形になったようなフロアだった。


「本当に、たちの悪い迷宮(ダンジョン)だな」


「準備がなきゃ先に進めねえ、致命的な仕掛けだ。シンプルだが効果はバツグンときてやがる。迷宮核(やっこさん)、知能もかなり高いらしい」


「ひねてるってだけじゃなくて、か。厄介な迷宮核(ヤツ)だ……」


「……ん?」


呆れ返るオレ達をよそに、ビョーウが何かに気づいた。

細めた目を、灯りの届いていない闇に向けている。


「どうかしましたか?」


「……奥に何かあるようじゃ」


「なんだって?」


「この暗さで目が利くのですか? ビョーウ」


「うむ……木のように見えるのう」


「え"っ!?」


悪夢が頭を掠めた。

全員の目が見えるはずもない闇の中へ釘付けになる。


「ま、まさかそんな事……ない……よね?」


「いくらなんでも、っていいたい所だけど……」


「ここの迷宮核(たいしょう)に限っちゃ、ないともいいきれねぇぞ……」


「照らして良く見れば分かる事じゃ。もっと奥に灯りを飛ばせぬのか?」


「で、でしたら、わたくしが……」


グラスがかざした(ロッド)の先に光が生まれた。一振りすると、光球が真っ直ぐに飛んでいく。マリリアの作った灯りのさらに奥、強さを増した魔法の光源がフロアを明るく照らし出した。

確かに、穴を超えた向こう岸に木が立っている。


「ホ、ホントにあるわね……」


「……だが、普通の木みてえだな。葉が茂ってるぜ」


「なんの木なのでしょうか……」


「よし。ちょっと様子を見てくる」


対岸までは四〜五十メートルといった所だった。普通なら渡るだけで一苦労な距離だが、オレ達には関係ない。


「すぐ戻るから、休憩しててくれ」


「帰ってくる必要はないわ。これ使いなさいよ」


マリリアが手にしていたのは、買ったばかりの新アイテムーー遠距離通話用のメルメス・ストーンだった。


「あ、そうか」


「問題なければ連絡して。追っかけるから」


「了解。じゃ、行ってくる」


飛翔(フライ)で奈落を越えた。飛んでいる最中は妨害もなく、モンスターも出てはこなかった。

どうやらここは、『越えられない距離』というのが、唯一にして最大の障害であるようだった。


「よし。到着、っと」


降り立った対岸は石床ではなく、土の地面だった。

目の前には、ごくごく普通の木がそそり立っている。青々と葉が茂り、よく見ればピンク色の実が()っていた。


「ただの木……だよな。ふぅ……よかったぁ……」


心の底から安堵した。

あんな化け物と日に二度も闘うなんて、まっぴらごめんだ。

近づいて見ても、木に不自然さはなかった。周囲にモンスターが潜んでいる気配もない。

ただ、一つだけ。

根元にある物が置かれていた。

伸びた(つた)がびっしりと絡みついた、宝箱だった。


「こいつの中身をゲットすれば、ここはクリアって訳か」


木の背後、壁面に扉があった。案の定ロックされている。

とすると、宝箱に入っているのは鍵だろう。

開けてみるか。

一瞬考えたが、やめておいた。

万一がある。

触れるのは、ロメウを呼んでからの方がいいだろう。


「とりあえず危険はないな。じゃ、連絡するか。え〜っと……効果発動(アクタベクト)


アイテムを取り出し、言葉(ワード)を口にした。

メルメス・ストーンが淡く光を発し始める。


『……しもし?』


わずかな無音の(のち)、応じたのはマリリアだった。声と共に、微かな風の音も聞こえてきた。


「もしもし。聞こえる?」


『聞こえてるわ。そっちはどう?』


「危険はなさそうだ。立ってるのもただの木みたいだしな。来ていいぞ」


『オッケー。すぐに行くから、ちょっと待っててね。効果発動(アクタベクト)


プツッ……


どうやら、切る時も同じワードでいいらしい。

通話が終わると、メルメス・ストーンの光が消えた。


「それにしても、これ……」


思っていた以上に声がクリアに聞こえる。機能面でいうと、完全に携帯電話だ。

ナーロッパの文明レベルで携帯が使えるというのは、なんとも不思議な感じだった。


「おまたせ!」


「お、来たか」


「っと。なんだ、本当にただの木じゃねぇか」


「あれ? 宝箱があるじゃない!」


合流すると早速、マリリアが目を輝かせた。見つけたお宝に近づこうとする。

その肩に、ロメウが手を置いた。


「待った。迂闊に開けるな」


「分かってるって。見るだけだから心配しないでよ」


「いや、近づくのもやめとけ。まずは俺が調べてみるからよ」


マリリアを下がらせ、ロメウが木に歩み寄った。顎髭を撫でながら膝をつき、宝箱を見ている。次いで伸びた枝を見上げながら立ち上がった。


「後ろの壁に扉がある。おそらく、宝箱の中身は鍵だ」


「なるほど。なら、こいつを開けりゃここはクリアだな……それと、これ。パウパウの木か」


「はい。そのようですね」


「パウパウ……?」


「たくさん()っている実の名前です。非常に栄養価が高い事で知られ、体力を回復させる効果があります」


「滋養強壮薬の原料にもなる、珍しい果物だよ。パウパウがあるってこたぁ、ここはセーフティゾーンなのかもな」


「なら、危険はなさそうよね。モンスターも出てこないし、穴さえ越えればただの休憩所って事か」


守護者(コア・ガーディアン)()る前に回復しとけってか。なんだ、なかなか親切な迷宮核(ヤツ)じゃん」


「そんな玉ならいいんだがな……」


軽口に応じるロメウの口調が気になった。心なしか硬いように感じたのだ。

真意を聞こうと口を開きかけた時、薄笑いを浮かべてビョーウがいった。


「それだけ自信があるという訳か。面白い。なれば早速、守護者(そやつ)に会ってしんぜよう。鍵を持てい!」


「ははぁっ! ただいま!」


待ってましたとばかりに、マリリアが宝箱に駆け寄る。

しかし、絡みついた(つた)を前に、出した手が止まった。


「それにしても凄いわね。どうすればこんなになるのよ……」


「何十年も放置されていたのでしょうね」


「……何十年も、放置? ……!!?」


「とりあえず、(つた)を切らないと開かな……」


「待て! 触るんじゃねえ!!」


「!!?」


唐突にロメウが声を上げた。

ビクッとしたマリリアの身体が、その場で硬直した。


「ど、どうしたの?」


「離れるんだ。違和感の正体が分かった」


「違和感?」


「この遺跡はまだ新しい。できてそんなに経っちゃいないはずだ。にもかかわらず、(つた)がそこまで伸びてるのは不自然だ。グラスの嬢ちゃんがいった通り、本来なら何十年とかかるはずだからな」


「で、でもさ、それならこの木も、外のジャングルだって……」


「だから余計に変なんだよ。要は、自然にできたもんじゃねえ、計算して配置されてるって事さ。このフロアにある全てが、な」


「じ、じゃあ、(これ)も……」


(トラップ)だろうな。調べるから離れててくれ」


今や、索敵と(トラップ)の扱いにかけて、ロメウには絶大の信頼を寄せていた。

無論、その認識はマリリアにもある。大人しく従うと、ロメウが宝箱を調べ始めた。

顔を近づけて観察し、慎重な手つきで触れている。

裏側まで調べ上げると、何かに気づいたようだった。宝箱から伸びる(つた)と、それが絡みついた木を見上げた。


「どうやらこいつぁ……アレみたいだな」


と、独り言をいったかと思うと、木に足をかけた。そのまま慣れた様子でするすると登っていき、葉の茂る太い枝に座った。付近に生っている実を一つ一つ見ていた顔が何かを見つけて、オレ達の方に向いた。


「あったぜ。予想通りだ」


降りてきたロメウが持っていたのは、パウパウの実だった。

リンゴ程度のサイズで、濃いピンク色をしていた。


「パウパウじゃない。これがどうかしたの?」


「偽装しちゃいるが、こいつぁパウパウじゃねえ。『バーベキュー・ピーチ』っていう、作り物だ」


「えっ!」


「偽物なのか……」


「ほ、本物と見分けがつきませんね……」


一見した限りでは、ただの果実にしか見えなかった。

オレ達の目を手元に集めながら、ロメウが説明をしてくれた。


「宝箱の蓋を開けて(つた)の一本が引かれると作動するよう仕掛けられてた。中にはわずかなショックで引火・爆発する揮発性の高い劇薬が入ってる。破裂して空気に触れた途端に気化するから、着火した炎が広範囲に広がるんだよ。それを頭から浴びせて、黒焦げにするって寸法だ」


見つけた宝箱をウキウキで開けた途端、火だるまにされるのだ。

精神的にも肉体的にも最悪な(トラップ)だった。


「エ、エゲツないわね……」


「最初の木には肉汁赤子(アレ)で、次の木にはコレが()ってるのか。なんて悪趣味な……」


「その大きさでは、さして威力はなさそうじゃがの。炎はどの程度まで広がるのじゃ?」


「見せてやる。下がってろ」


数歩前に出たロメウが、慎重な仕草でバーベキュー・ピーチを投げた。

死の果実が、ふわりと飛んでゆるく放物線を描く。

と……


パンッ!!

ボウッッンンン!!!


「!!?」


ゴウウゥオオォォォーー……ッッ!!!


地面で破裂した瞬間、広範囲に渡って火の海が生まれた。

まるで、ぶち撒けたガソリンに引火したかのような惨状だった。

もしもあれが、頭の上で破裂していたらーー炎の熱に炙られながら、背筋が寒くなるのを感じた。


「殺傷力はご覧の通りだ。が、衝撃に弱くて持ち歩けねぇから、(トラップ)でしか使い道がない」


「懐で誤爆したら、ただじゃ済まないもんな……」


「自身だけでなく、周りまで危険にさらしてしまいますものね……」


「ロ……ロメウがいてくれて、良かったぁ〜……」


マリリアがぶるっと身を震わせた。

しかし、それを見ていたビョーウが事もなげにいった。


「しかし、罠としては不完全じゃ。のう、ルキト」


「バカいうな。宝箱に気を取られてたら、火の雨が降ってくるんだぞ。まず引っかかるだろうが」


「火の雨だろうが矢の雨だろうが、当たらねば良いだけじゃろう」


「それは……まぁ……」


(かわ)してしまえば、それまでではないか」


「いわれてみれば、そうだけど……」


「えっ! そうなの!?」


「そんなわきゃねぇだろ。超人同士の会話を鵜呑みにすんなよ、マリリア」


「と、ともかく、宝箱を開けてみましょう」


(つた)を切って蓋を開けると、やはり中には鍵が入っていた。

これで扉が開くだろう。

と、先に進もうとした所で、ロメウから待ったがかった。


「どうかしたの?」


「いや、せっかくだからよ、いくつかもらってこうぜ」


いいながら指差したのは、パウパウの木だった。


「そういえば……すっかり忘れてたわ……」


「レアな回復アイテムなんだっけ?」


「あぁ。女王(さっき)の木に()ってた肉汁の実と違って、果汁たっぷりの食える実だ」


「ち、ちょっと。やめてよ、もう……」


「みんなまだ余裕はありそうだが、迷宮(ダンジョン)がどのくらい続いてるか分からねぇ。回復の手段は多い方がいいだろ?」


「それもそうだな」


「採って来るから、ちょいと待っててくれ」


再び、慣れた様子でロメウが木に登った。少しして帰って来ると、革のバックが膨らんでいた。


「これだけありゃ十分だ。ほれ」


「……っと!」


ポンと、ロメウがパウパウを投げた。咄嗟にマリリアが受け取った。


「食っとけ」


「え? いいの?」


「あれだけ暴れたんだ。そろそろエネルギー補給が必要だろ」


「じゃ、お言葉に甘えて。いただきま〜す!」


がぶりとかじりついたマリリアの顔に、至福の表情が浮かんだ。頬を緩ませながらゆっくりと味わっている。


「ん〜、おいっしぃ! 果汁が身体に染み渡るわぁ〜……」


「どんな味なの?」


「食べてみる?」


「どれ……お! 美味い!」


差し出されて口にしたパウパウは、硬めの桃といった食感だった。濃厚な甘さの中に、ほどよい塩気がある。

豊富な果汁に、喉と身体の渇きが癒されていくようだった。


「不思議な旨さだな。酸味じゃなくて、塩の味がする」


「水分と同時に糖分と塩分まで摂れるんだもん。まさに天然の栄養食って感じよね」


理屈としては、スイカに塩をかけるのと同じようなものだろう。


「っしゃ! ごちそうさまでした!」


と、話しながら食べていたマリリアが、あっという間にパウパウを平らげた。

肩に手を置き、右腕をグルグル回しながら気炎を上げる。


「チャージ完了! さぁ! 迷宮(ダンジョン)完全踏破、気合い入れて達成するわよぉっ!!」


「いよいよ大詰めだ。気を引き締め直さねぇとな」


「あぁ。ここまでの展開から、どんな事があるか分からない。油断しないで行くぞ!」


迷宮核(ダンジョン・コア)守護者(コア・ガーディアン)も目前です! がんばりましょう!」


「くくく……さて、あの扉の向こうに、どれほどの獲物がおるかのう……」


ラストバトルの気配が漂う中、自然と声をかけ合った。

決意も新たに、解錠したロメウがドアノブに手をかける。ゆっくりと、扉が開いていった。

すると、その先に広がっていたのは……


「!!???」


「すっ……ごっ……!! 何よこの部屋っ!!?」


マリリアが目を輝かせるに十分な、見たこともない光景だった。

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