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六話

なんだか無駄に豪華な所に通された。…見るからにVIPが入るような部屋なんだけど?

心なしかレイチェルとメアリーが緊張しているようにも見える。


「…で、じゃ。お主は何者かのう?」


「ただの一般人「ではなかろう?」」


ものの見事に被せられた。くそっ。

しかも合ってる。まあ、魔法玉を割るなんて前代未聞らしいから仕方ないのか?

とりあえず、ボクワルクナイヨ?


「じゃあただの羽あり「でもなかろう?」」


また被せられた。なんだ俺に何か恨みでもあるのか?その喧嘩買ってやろうか?

そんな思いが過るが元とはいえ日本人、表面上は少し頬をひくつかせるだけですんだ。

俺は大袈裟にやれやれとする。まるでというか、まさしく仕方がないと言わんばかりに。

しかし目の前にいる狸じじ…あ、ギルドマスターは飄々としている表情のままだ。


「仕方ないですね。そうですよ、俺は少しだけ他の羽ありとは違います。」


「ふむ、やはりか。」


納得したように言う狸爺…もういいや、狸爺に内心殺してもいいか?という思いが過る。

だけどさすがにたったそれだけの事で人を殺す気にはなれるはずもなく、溜息を吐くだけにとどめた。


「俺は、炎・水・氷・大地・風・雷・光・闇・龍・治癒・神属性・創生・古代・空間の翼を持っています。」


「「「……は?」」」


何言ってんだこいつという顔をまたされた。レイチェルとメアリーにまでだ。

確かに普通ありえないだろうな、俺だって課金で無理矢理レベル上げをしてた感じだったけど…。

まあ、ゲームやってる人たちには邪道だっただろうな…。

俺はとりあえず炎の翼を見せた瞬間三人が熱そうな顔をした。

あれ?熱いのか?質問したら「当たり前だ!」とレイチェルに怒鳴られた。

なんで俺は熱くないのか不思議だったがとりあえず三人に水纏をさせた。


「あ、あれ…?熱くなくなりましたよ?」


「本当だ…。つーかこの水なんだ?苦しくもねぇし。」


「こ、これは…水纏じゃなかろうか?」


三人はとてもいいリアクションをしてくださいました。…敬語やめよ。

そして水・氷・大地・風・雷・光・闇・龍・治癒・神属性・創生・古代・空間の順で翼を見せる。

勿論、水纏は発動するのやめたぞ?

水の翼はともかく、水纏したまま氷の翼出したら凍るだろうし。

水纏を解いたが実際にレイチェルなんて物凄く寒そうに震えてたし。

だが、全部見せた後は三人とも呆然としていた。まあ、羽ありでもすべての翼を持ってる羽ありだもんな。


「しかし、まさか本当に全部持ってるなんてなぁ。」


レイチェルは呆然としたまま呟くのに対してそれに俺は「まあ、俺だしな。」とだけ言っておく。

そのうちにそれで後々納得するようにしなければ。


「でも、凄いですね。さすがシオン様です。」


「ああ、様付けとかしなくていい。…一応羽ありって事隠してるし。」


最後には取ってつけたかのように言うが、ばれなかったようだった。納得したように二人は頷いていた。

ギルドマスターは呆然としていて聞いてなかったんじゃないのか?どうでもいいけど。


「……で、ギルドマスター、要件はこれだけですか?それなら早く依頼を受けたいのですが。」


その言葉に思考が戻ったらしいギルドマスターは何度もどもっていて言葉になっていない。

俺はさっさと出ようとしたと所で思い出したことがあるために振り返る。


「ギルドマスター、俺のランクは一番下ですよね?」


「あ、ああ…。羽ありでも最初はFランクからと決まっておる。」


俺はその言葉を聞いて応接室から出た。あ、勿論レイチェルとメアリーもだからな。

応接室のような所は二階なため、降りると周りから視線を貰うが気にすることはない。

その視線の中に受付の人がいた。その人は俺だと認識した途端に声をかけてきた。


「…あ!来たんですね、えっと…?お名前はなんでしょうか?私の名前はアリア・エッフェルと申します。」


「俺の名前はシオン・アイリスだ。よろしくな。」


そう言うと受付の人…アリアは顔を赤くして「ひゃい!」と返事?を返した。

俺はしばらくアリアと談笑していたらいきなり後ろから二人に引っ張られた。


「うおっ。…何だ、二人とも。」


「依頼はどうしたのですか?とりあえず、依頼を受けてからまたお話すればよろしいと思うのですが…?」


「そうだぜ。速くクエストこなさないと日が暮れちまうぞ?」


二人の言葉に確かにそうだな、と俺は納得してクエストボードに行く。

そう言えば、メアリーは依頼と言ったのにレイチェルはクエストって言ったな。

その辺りはどちらでもいいのか?と考えるが瑣末な事だな。と納得させる。

クエストボードには色々な依頼があったがSSS~Sランクは無いようだった。

代わりにAは五枚、Bは三枚、Cは八枚、Dは十二枚、Eは六枚、Fは四枚だった。

一番多いのはDランクでBランクとFランクは五枚もいってない。この差はなんなんだ?

…まあ、考えても仕方ないだろう。俺はFランクの依頼を見てみた。


ゴブリン討伐 Fランク 報酬 1000G

ゴブリンを十体討伐してください。それ以上になると一体100Gです。討伐部位は右耳です。


ボーンラビット討伐 Fランク 報酬 600G

ボーンラビットを十体討伐してください。それ以上になると一体100Gです。討伐部位は尻尾です。


毒消し草の収集 Fランク 報酬 350G

毒消し草を五枚収集してきてください。それ以上収集すると一枚50Gです。


薬草の収集 Fランク 報酬 350G

薬草を五枚収集してきてください。それ以上収集すると一枚50Gです。


……このくらいだったら別に数十分で終わるな。Fランクの依頼を全て取る。

一部以外の奴らは全員納得した顔というか、当たり前いった顔をしている。

多分一部の奴らは俺が応接室にいた時に来た奴等なんだろう。


「これを頼む。」


「ああ、はい。…完了いたしました。頑張ってください。」


「ああ。」


俺は二人には待ってるように言ってからギルドを出ようとした。

その時、ドンと誰かがぶつかってきた。無論、俺は倒れるどころかふらつきもしなかった。


「おー、イテーイテー。おいお前、この俺にぶつかって謝りもしないのか?」


「いや何処からどう見てもお前からぶつかってきたんだろ?ボケてんのかよお前。」


「おいお前!!ボッケさんになんちゅー口きいてんだよ!」


ボケ男はやっぱりボケ男だったらしい。ついでにこいつ(と取り巻き)はなんだか…山賊?みたいな感じだな。

一緒にいたくない感じの印象を持つ。

俺は適当に話を聞き流していたら切れたらしいボケ男+αが襲いかかってきた。

まさかこの世界に来て初めての戦闘がこんな奴らだなんて…と内心地味にショックを受けた。

あ?レイチェルとのはカウントしない。当り前じゃないか。

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