お古の
「あれからどうなった?」
未だに離れない明の頭を撫でながら湊は統の事を聞く
「逃げた……今日も様子見って言ってたからじゃないかな」
以前赤鬼が現れたのも、今回現れたのも、200年前の百鬼夜行に現れた『模倣』を扱う妖術師の実力の把握だったのか…逆に言えばもう懸念点がなくなったからいつ百鬼夜行が始まるか分からないってことでもあるけど
「このあと回復妖術が得意な妖術師の人達が来るから」
「え?」
「だって通常完治に一年だよ?統がそれまで待ってくれるかは分からないし…当時から残された百鬼夜行への対抗手段だった私の剣も不完全、つまり湊の固有妖術が切り札になるかも知れないって師匠が言ってて、その絡みで湊を1日で治すって」
「なるほど…でも複数人なんだね」
「当たり前でしょ…これだけの大怪我を一人で直せる妖術師なんて世界に誰もいないよ。だから人数集めてみんなで回復妖術を掛けて倍率を上げるの」
「なるほど……」
「まぁ…そのかわりすごく痛いらしいけど」
「まぁ……大丈夫でしょ…痛覚ないし」
それからすぐに現れた光一と20人程の回復妖術を得意とする妖術師達によって湊はすぐさま動けるくらいに身体中を治してもらった
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回復妖術を得意とする妖術師の退席後、光一は湊に昨晩のことを聞く
「それでどうだった?赤鬼は」
「数発反撃出来ました」
「そうか…それ────」
湊は光一の言葉を遮りながら話を続ける
「木刀より強い武器があれば傷の一つは付けられた」
「なるほど………私のお古だかこれを」
光一は懐からお札を取り出し一本の剣を取り出す。暗い赤色に染められた布で包まれた持ち手に、相反するように刃には鮮やかな青の装飾が散りばめられた美しい剣…湊はそれを受け取ると鏡のように反射する銀の刃を見つめた
「妖術師用の武器は高いからな…買い渋るのもわかるが、かと言って初心者用に安く、脆い木刀じゃ心許ない。その剣…《天雲》なら木刀より切れるし、硬い。赤鬼に折られることも、弾かれることもないさ」
「でも師匠…よかったんですか?湊にこの剣をあげて…この剣は10代の頃に貯金を切り崩して買った思い出の剣だって」
「いいんだ。もう使ってない…蔵で埃を被ってるよりはこの剣も喜ぶだろう」
光一は付け足すようにびっくりするような値段をいい湊をビビらせる。その値段は普通の木刀の二倍くらい高い妖術師用の木刀の五十倍はあるであろう金額であった
「本当にいいんですか!?」
「いいんだ…それとこれも」
光一は二人にある物を見せた




