プロローグ
2020年…
20時37分突如都心部で大規模な火災が起きた。後に名をつけられ教科書にも載った原因不明のガス爆発の中で両親を盾にし生き残った少年は死にたくない一心で走る
「助けて!」
「行かないで……行かないで」
「ナンデオマエダケ?」
「助けて!」
「痛い痛いよ!お母さん!」
うるさいうるさいうるさいうるさい!!
「ナンデオマエダケ?」
少年は悲鳴が聞こえないよう耳を手で塞ぐ
「はぁ…はぁ…………はぁ…」
無数の死体を踏み潰しながら少年は火の手から逃げる
「ナンデオマエダケ?」
「─────死にたくない─────────」
「オマエダケ?」
少年は口にした願いとは裏腹に地面に倒れ伏し指一つ動かせずにいた
お父さん…お母さん……………俺のせいで死んじゃった……凛はどこに行ったの…?……俺も死ぬのかな…
────────────亡き家族を思いながら少年は目を閉ざす。死を覚悟して───────
死にたくない
少年は再び目を開けるが誰もいない。代わりに空から恵の雨が降り注いだ。雨と消防隊のおかげで火事は発生から4時間半で完全鎮火し少年は救急隊によって救助された。都市一つを燃やし尽くし救出された者はたった一人だけと言う史上最大の大災害は、10年がたった今もなお人々に深い悲しみを与えていた




