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悪魔×事件×ティータイム  作者: 緋夏 鐘成
イリーガル種編
82/147

戦闘訓練 ④

連続更新61日目!

遅れたよ


栞との訓練を始めて10分が経過した。

最後に手合わせした時より遥かに強く、攻撃の精度も正確になっている。

ダンジョンに潜る頻度は昔より少なくなってもお母様に鍛えられていたならばこのくらいは当然か。


「槍術の完成度はかなり高いがやや対モンスター用の戦い方が癖になってるよ!

 対人用ならもう少し脇締めてコンパクトに!対モンスター用なら大振りで威力重視!栞の身体能力なら大振りのまま対人戦でも無理矢理解決出来るけど南坂とかに負けるよ!

いや、今もまだ勝ち越せてないでしょ!」


「うぐっ」


「ほら図星!対人戦の戦い方もモンスターに対して応用出来るからしっかり覚えて!

 持ち手を少し下に持てば有効距離が伸び!上に持てば近づかれた時に素早く武器を動かす事が出来る!

 他にも足運び!身体能力に任せ過ぎだ!!攻めに転じる時露骨に一歩が大きくなる瞬間がある!高位ランクのダンジョンボス相手なら人と同じく武術を使うし相手の足元すら観察する存在もいる!

 そのような存在と出会った時今のままでは簡単に死ぬぞ!!」


心苦しいがこれは訓練、私は心を鬼にして自前の訓練用の槍で栞の悪い部分を指摘するように叩いて行く。

優しくするだけならば口で言えば充分だが訓練の成果はダンジョンでこそ発揮される。

つまり命が関わるからこそ死をゲーム形式とはいえ意識させなければ行けない。


「幾ら万能とは言え本来なら私は魔法使いだ。負けて悔しいはず……悔しいと思うなら早く立って私に汗をかかせろ!」


優しさは捨てない。

もし優しさを捨てて訓練してしまったならイギリスで鍛えた奴らがゲロを吐き決壊したダムの如く涙を流した訓練になってしまう。

そこには男女の壁はもちろん尊厳はない。


そんな自ら客観視した結果クソ訓練と判子を押せるほどの訓練など愛しい妹の栞に課せられるはずがない。

私とて身内に対して人の心はある。


「いきなり私に追いつこうとするなまずは道を辿れ。

 背中も見えない状態で追い抜く事なんて不可能だぞ!まずは足跡を辿り、先人の道を自分の物と言えるくらいに慣らし前に進む速度を上げて背中を見つけろ!」


「くっ!」


栞を吹き飛ばす。

顔にも腹にも傷は付けていないから安心して話せる。


「いいか?私の動きを良く観察しろ特に足運びだ!」


「分かった」


ほんの少しずつ改善されて行く。

私ほどと行かない才能とは言え私を超える速さでSランクになったのはお母様から厳しい訓練を受けていた事もあるけれど何よりこの素直さと理解の速さ。

噛み砕き理解し吸収して実践に移すのが速い。

私は経験によって栞より行動が速いがそれでも差はほんの僅かだ。


「おっ?!」


ワザと雑な足運びと綺麗な足運びを混ぜて緩急をつけている。

この咄嗟なら応用力は私も見習わないと行けないな!


「ふっ!」


「ぐっ」


横薙ぎの一撃を何とかガードした栞は初めて蹴りを放って来た。


「甘い!蹴りを放つならしっかりと槍を利用しろ!

 ただ突っ立って蹴りを放つより槍の支えを借りて蹴りを放つ方が強いに決まっている!」


栞に言った問題点を修正した蹴りを放つ。


「い"っ?!」


太ももに当たった栞は小さな悲鳴と共に崩れ落ちた。


「いったぁ…………!」


涙になっている栞も可愛い……ではなくて。


「ははっ今は栞と同じ力で蹴っただけ」


「こんなに強かったかな?」


「だから槍を支えにするだけで同じ力でも威力は増すの。

 槍術に体術を組み込むのならここら辺はしっかりと学んで行かないとね。

 他にも栞の持つ槍は棒術の心得も覚えておいて損はないタイプの物だからそこら辺は南坂に教えて貰いなさい。

 後は…………最後に気が抜けちゃった所かな。まぁ、訓練だからって言い訳もあるんだけどダンジョンの事を念頭に置こうね。

 今度来た時は加減減らすからね」


「へぅ」


「文句は言わせないからね。

 でも安心して尊厳は守らせて上げるから」


一線さえ超えなければ厳しくしても大丈夫かな!!!






ここまで読んで下さりありがとうございます!!

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