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悪魔×事件×ティータイム  作者: 緋夏 鐘成
イリーガル種編
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災餓の謳歌編 ⑧

連続更新38日目!

少し遅れたわねー


槍と棒の間合いはほぼ同じ

しかし先端の殺傷力という点で漸々に軍配が上がるのは言うまでもない。

栞に能力値を合わせ純粋な技術のみで戦う対人訓練で私は娘に敗北を喫している。

つまり技術のみの勝負ならばこの私さえ凌ぐ栞を南坂は見た感じでも更に超えている。

この事が格上であるはずの漸々の猛攻を凌いでいる要因であり逆に攻め切れない要因でもあった。


「あやつの超直感と思われる反応は驚異的じゃ。ダンジョンのマスターである妾と主様と比べても優れておる。

 だが前衛として根本的に必要な身体能力が足りていない。

 人の意思が介入する対人戦闘だからこそ勝負になっている端がある。あれが大量のモンスターとの対決ならばジリ貧となり1時間とも経たず死ぬであろう」


「超直感の能力も漸々は既に気付いているなこれは……ふむ、更にはその超直感故の反応の速さすら利用し強制的に択を迫り判断能力を奪いつつ移動も制限。

 ボスである漸々もダンジョンのボスも務めるマスターとして産まれただけあって技量がずば抜けている。

 相手の長所すら自分の攻撃の糧にするのは流石に驚くぞ?明らかな格下相手ならば私とて真似出来るがあそこまで強い南坂を相手に出来るのは…………少し嫉妬する」


無骨なまでの技の応酬と超直感の冴え、そしてそれを利用し肌を斬りつける刃。

漸々の優勢だが完全には冷め切れていない。


南坂の持つ不壊の樹鉄の特性は剛性と柔性の両方

更に『柔性』の能力には1つだけ魔法が込められている。

それは『成長』

魔力を瞬間的に多く注ぎ込むと不壊の樹鉄自体が成長し攻撃範囲が広がる。


武器の特性を深く理解している南坂は超直感に従いつつ武器を長くしたり短くしたりする事で少しずつ漸々の猛攻に対応して行く。


「うぅおらぁあ!!!」


「はぁ!!」


ガン!ガンッ!!ガンッ!!!!!


「武器同士の衝撃音がここまで……」


「主様が目を掛けているだけあって中々やりますね」


「漸々もボスとして相手をするのではなく武人のして相手をしているから手加減はされているがな。

 ボスとして相手をするならば最低でも栞ともう1人必要か」


「一応栞様とあの男は既知の仲なのか?」


「口調……そうだな、その通りだよ。2年ほど一緒にダンジョンに放り込んでやった事もある」


「ならば連携も取れるはず」


「当然」


「2人の間に割って入れるほどのハンターなどいますか?」


「はっはっはっ!!見くびるなよ葬盛?!!私が育てた種は私が思っている以上に育っている!

 何十人も指南していた訳ではないが……栞達含めて4人鍛えていたんだ」


「それは─────」


「動きがあったぞ葬盛?2人の行く末を見ようではないか」





「うらっ!!」


「ちっ!!……っ!この私の攻撃に着いて来れるとは褒めてやるぞ南坂ぁ!そして認めてやる!武人としてお前は私の好敵手に相応しい!」


「はははは!!栞の嬢ちゃんや姐御に情けない姿は見せられんからなぁ!!

 頑張るさぁ!!!!」


ズドッ─────!!!!!


空振った不壊の樹鉄が地面を叩く。

その瞬間亀裂が大地に走り轟音を轟かせる。


「?!?!」


「驚いたか漸々!!!武器の特性を真髄まで把握し扱えばあ!!自身の実力以上の力を出せるぅ!」


「ちぃ!!」


空に舞う岩や破片を兎に角不壊の樹鉄で漸々に向けて殴り飛ばす。


「っ?!……?!!!…………!!!」


「オラオラオラオラァ!!!!」


1発1発が弾丸より優った速さ、漸々を襲う。

生き物としての根本的なスペックが遥かに高い漸々でさえ凌ぐのが対処するのがやっとの速度。

理由は南坂の持つ不壊の樹鉄の2つの特性が要因である。


要因その1

まず不壊の樹鉄の特性その1として柔性がある。

これは魔力によって得物の長さを自由自在に成長、退化させる可変能力と更に『柔性』の名前に違わぬ『しなり』を武器に与える。


要因その2

それは不壊の樹鉄に存在するもう1つの特性『剛性』

ただ硬く、ひたすら硬くするだけの雑かつ地味な特性だが『柔性』と掛け合わさった事により非常に扱い辛い『特性』が生まれた。


『柔性』によってしなりを得た不壊の樹鉄は鞭と呼べる程に良くしなる。

そこに『剛性』が合わさるとどうなるのか?

もちろんある程度『しなり』ある程度『硬く』なるが南坂が見出した真価はそこではなかった。

『しなり』を持っている時に本気の『剛性』を付与するとどうなるのか?


「うらぁぁあ!!」


「うぐっっ!!」


それは形状記憶合金の如く元の形状に戻る事だった。

これだけでは対した事ないが南坂のように瓦礫等を武器として殴り飛ばす場合では話が変わって来る。

本来殴り飛ばすならば腕だけでの加速に留まるがこの『第3の特性』があれば殴り飛ばす瞬間にもう1度物体を加速させる為の力が生まれる。

そうする事で本気の南坂の身体能力と合わさればライフルと並ぶ速さで岩を殴り飛ばせるのだ。


「防げてねぇんじゃねぇのかぁ!!?!」


「まだ一撃ありとも貰っておらんわぁあああああ!!!!!!」


南坂の岩を殴った事によるライフル並みの速度で放たれる石の散弾を受けてついに漸々は


「認めてやる!!!貴様は私を連れ出すに相応しい!!だが!もっと!!武を交え合おう!!」


「よっしゃあぁあぁあぁあぁ!!!」


石の超速散弾を止めると『柔性』に寄った不壊の樹鉄で漸々を攻撃した。





ここまで読んで下さりありがとうございます!!

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