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悪魔×事件×ティータイム  作者: 緋夏 鐘成
イリーガル種編
55/147

災餓の謳歌編 ⑤

連続更新34日目!

すまん遅くなった!


周囲の警戒に当たっていた南坂が帰還する。


「どうだった」


「不自然すぎるぜ姐御。モンスターが見当たらない。

 見つかるのは首が捻じ切られた死骸ばっかりだ!!しかもどれもが遠方に見える火山に背を向けて死んでいやがる!

 逃げて来たようにしか見えねぇ!!」


「逃げて来た?」


記憶の中で見た光景と一致するな。

まだそこに犯人がいるのなら噂の変態かどうか確かめないとな。

最初はただの暇つぶしだったが記憶にさえも認識阻害を掛けられる存在ならば学生の誘拐事件のみならず新種への実験に使われた疑惑も確かめられる可能性が高い。


「これは……向かった方が良さそうだ」


「行きますか?」


「俺はそもそもリベンジと依頼の為に来たから姐御に任せる!!!!」


うるさいな


「ならば行くぞ。少しでも速く行かねば犯人に逃げられるやも知れん」


死骸達に背を向けて魔力を体に回し身体能力を向上させる。


「少し速めに行く」


地面を蹴って走り出す。

葬盛は勿論南坂もしっかりと着いて来ていた。


昔ならすぐに離されていたが楽に着いて来ているとは……これだけでもそれなりに成長を実感出来るな。


……嫌に死骸が多い

首が捻じ切られた物が多いが稀に腹を抉られ内臓を失った死骸もある。

あの死骸だけが特別ではなかったという事か?

…………ふむ。今の所は意味があるのかどうかが分からん。

記憶の中の人型の表情さえ分かればその行為に意味が出来て理由が生まれる。

だが分からなければそれまでだ


「葬盛あの恐竜の死骸の記憶を見て人型を見た」


「人型?姿が不明瞭だったみたいな言い方ですね」


「どういう事だ姐御」


「葬盛の言う通り記憶だと言うのに見えているはずなのに認識出来なかったんだ。

 記憶の中にまで認識阻害を掛けられるのはよほどの手練れかそれに特化した者が可能性として高い。

 しかしこの周りの惨状から察するに戦闘力も申し分ないようだ。全く最近のダンジョンは少しおかしい」


少しだけ

本当に少しだけ愚痴を溢した。

ついこの間葬盛に完膚なきまでに叩きのめされたばかりなのにまた同じような存在が産まれたとなって私が対応出来る範囲と実力が足りなくなるからだ。

そもそも私は何故この地球にダンジョンが出来たのかの調査も気長にとはいえしなければならない。

やる事が多い。

このままでは過保護が兄達に頼らなければ行けなくなるっ!!


「っっ!!そろそろだスピードを緩めるぞ」


軽くブレーキを踵でかけるとゆっくりとジョグのスピードへと落として行く。


記憶の通りならもう少し離れた位置に


「「「………………」」」


「………………」


な、何かいたーーーーー!!!!!

やはり認識阻害の効果で姿を認識出来ないがそこにいる事だけは分かる!


「葬盛、南坂……分かるな?」


「えぇ……」


「姐御これ……やばいっ」


葬盛は努めて冷静に南坂は冷静を隠しきれないように冷や汗を流していた。


「…………」


「「「…………」」」


「…………」


「「「…………」」」


何も言わないのか

せめて何か言え身構えている私達が馬鹿みたいじゃないか


心の中で思わずツッコミを入れると認識阻害によりモヤのように見えた人型のモヤが晴れ始めた。


「っ?!」


「人?!」


「なるほどそう言う事ですか」


葬盛だけが何か分かったような口振りだった。


「主様ここは私が何とかします」


「分かった」


「頼んだぜ嬢ちゃん」


一歩前に出て人間の姿になった対象に話しかける。


「ようやくダンジョンのボスとして自我を獲得出来たからと言って暴れ過ぎなのではないですか」


「…………」


まだ話さない。

だがさっきと違って考えこむそぶりが見える。


「貴方がどうして今まで自我を獲得出来なかったのか疑問で仕方がありません。

 私も調べましたがこのダンジョンは出来てから15年。普通ならばダンジョンのボスとして自我が芽生えていなければおかしい何月です。

 何があったのですか」


「…………」


対象は葬盛の目を外さず見る。

そして遂に口を開いた。


「分からん」


「何?」


「何故こんなにも自我の獲得に時間がかかったのかが分からんのだ。

 ずっと……眠りから覚めようとすれば体の上に闇が覆いかぶさって意識が沈められた。

 正直まだ自我が曖昧な部分がある」


「私から質問いいか」


「何だ」


「この恐竜達の死骸を築いたのは貴様か?」


「…………そうだ。

 何年も覚めるはずだった意識を強制的に沈められれば鬱憤も溜まる。だからここしばらくの間体の機能確認も含めてダンジョン内にいるモンスターを片っ端から殺戮していった。

 階層は……一々下に行かないと駄目なのが苛立ったな。

 だが私以下とはいえそこそこ強いモンスターがいたから……楽しめた」


「なるほど……情報感謝する」


彼女達の言っていた変態の正体はまさか目の前のダンジョンボス。

笑い声も恐らく溜まった鬱憤を晴らした事による快感?

…………まぁ気持ちは分からなくもない。


「だが気になる」


「…………」


「貴様は何故……噂になるほど動けているのに未だ自我が曖昧なのだ。

 自由に動けているのに確立されていない自我などありえんだろう」


「やはりその話かその話は─────」


「何勝手に話してんだ?」


「「「?!?!」」」


「仕方なかろう。

 この状況……私が勝てる道理はない」


「嘘をつけ!空を翔ける神話が」




ここまで読んで下さりありがとうございます!!

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