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両片想いでラブコメで!~想い人一筋なのに、隣人の金髪碧眼美少女がやたらとちょっかいかけてくるんだが?~  作者: 咲来青
第4章

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第13話 結太と桃花、イーリスの主張に圧倒される

「……『二人の仲がどこまで進んだのかが知りたい』って……」


 龍生と咲耶の〝恋の進展具合〟が気になって仕方がないらしいイーリスに、結太は呆れ顔だ。


「だいたい、そんなこと知ってどーすんだよ? イーリスに、何かカンケーあんのか?」

「ないわッ!!」


 間髪をいれずに返され、結太はお笑い番組のお約束のごとくズッコケた。


「何だぁそりゃっ!? 結局、ただの野次馬根性ってだけなのかよ!?」

「そーよいけない? 友達の恋の進展具合を知りたいって思ったらいけないの? 罪になるの? 法律で罰せられるの?」


 ものすごい早口でたたみ掛けられ、結太は思わず、体を大きくのけ()らせた。 

 桃花はイーリスの熱意(?)に圧倒され、口をポカンと開けたまま、ただただ彼女を見守るのみだ。


 イーリスはソファから勢いよく立ち上がると、胸の脇辺りで両拳を握り締めた。


「だって気になるじゃない! 学校では、『今日も俺、保科さんに、ウジ虫見るような目つきで睨まれちまったぜ!』とか、『俺なんか、存在をまるっきり無視されちまった!』とか『俺なんか俺なんか、〝邪魔だ。どけ〟――とかってすごまれちゃったもんね!』なんて訳のわからない理由で、M男子達に陰で自慢大会開かれてたり、ツンデレだかクーデレだかってもてはやされて、半数近くの男子達に憧れられてる存在の、あの咲耶がよ!? いったいどんな顔して、秋月くんとの初体験に(のぞ)んだのかって考えると……。そりゃーもう、興味()かずにはいられないでしょ! 湧くわよ! 絶対湧くに決まってるじゃない! しかも、相手はあの、学校一のモテ男の秋月くんなのよ!? 中身はどうなんだか、私はまだよく知らないけど、普段は爽やか美少年、『性欲なんてありません』って顔して澄ましてる彼が、よ!? どんな風に咲耶に迫ったのか。どんな風に咲耶をその気にさせたのか。どんな風にどんな風にって、どんどん好奇心が溢れ出して来るじゃない‼ 溢れずにはいられないじゃない!? ねえ! ホントはあなた達だって、知りたくて知りたくて知りたくて、好奇心大爆発で大変なんでしょ!? ねっ、そーでしょ!? そーなのよねぇッ!?」


 引いてしまうほど鼻息荒く、イーリスは結太と桃花に迫る。


「……ね? ホントは知りたいわよねぇ、結太? 知りたいに決まってるわ。そーでしょ? いーのよ、桃花の前だからってカッコつけなくても? 桃花だって、口には出せないだろーけど、きっと気になってるに違いないんだから」


「な――っ?」

「ふぇっ?」


 そう言ったきり、結太と桃花は、再び真っ赤になって絶句した。



 ……確かに、全く気にならないと言えば、嘘になる。

 嘘になるし、実際、気になってもいる。


 だからと言って、いくら友人であろうとも、好奇心丸出しであれこれ訊ねるというのは、下品ではないか。


 それに、もし――ねほりはほり訊いたことにより、二人が気まずくなってしまったら……と思うと、とてもじゃないが、気楽には訊ねられない。



 結太も桃花も、イーリスのあけすけな好奇心を、迷惑だと感じながらも……心の内では、ちょっぴり羨ましいとも思っていた。

 彼女のように、無遠慮に訊ねることが出来たなら、まだいくらか楽な気持ちで、二人の側にいられるような気がしたのだ。



 ――とは言え。


 あの龍生が、『どこまで進んでいるのか?』という質問に、素直に答えてくれるとは思えない。

 咲耶から聞き出すのも、龍生以上に難しい……いや、不可能に近いだろう。


 だとすれば。


 やはり、諦めるしかない。

 ……という結論に至るのが、当然ではないだろうか。



 結太はしばしの沈黙の後、イーリスを正面から見据えると。


「ここでオレが『知りたい』って言ったとしても、どーにもなんねーだろーが。……あの龍生が、大人しく〝進展具合〟なんて教えてくれると思うか? 教えてくれるワケねーだろ? だったら、訊くだけムダじゃねーか」


「教えてくれるかどーかなんて、訊いてみなくちゃわからないじゃない。秋月くんだって男よ? 友達に、初体験の自慢話をしたいって、思ってるかもしれないわよ?」


「ねーよ。それはぜってーねー。あの龍生を、そこら辺の男と同等に考えんなよな」

「あら。そーかしら? 秋月くんにだって、普通の男性と同じような願望や欲望は、あるに決まってるって、アタシは思うけど?……結太は秋月くんのこと、完璧人間だと決めつけてる気がするわ」


「そん――っ、……なこと、ねーよ……」

「あるわよ」


「ねーよ!」

「あるってば」


「ねーったらねーったらねーったらねーよッ!!」

「あるったらあるったらあるったらあるわよッ!!」


 テーブルを挟んでの睨み合い、言い合いに、桃花は、ただオロオロと、二人の間で視線をさまよわせることしか出来ない。胸の前で両手を組み合わせ、見守ることしか出来なかった。


 一分ほどの、睨み合いの末。

 イーリスはため息をひとつつき、結太をビシッと指差した。


「じゃあ、賭けをしましょう!」

「……は? 賭け?」


「そーよ、賭けよ! もし、結太が秋月くんから、セ――ッ……ん、んんっ……じゃなくて。一線を越えた、キス以上のことをしたって教えてもらって、その上、その時の手順とゆーか……行為なんかを、結構詳しく教えてもらえたら、アタシの勝ち。彼が一切のことを教えてくれなかったら、結太の勝ち。『キス以上のことをした』ってゆー、事実のみを教えてもらえたら、引き分け。……そーね、この場合は……桃花の勝ち、ってことにしていいわ」


「ひぁっ……えッ!?」


 まさか、自分も賭けのメンバーに加えられるとは、思ってもいなかったのだろう。桃花が奇妙な声を上げた。

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