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両片想いでラブコメで!~想い人一筋なのに、隣人の金髪碧眼美少女がやたらとちょっかいかけてくるんだが?~  作者: 金谷羽菜
第2章

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第2話 面片会美少女トリオによる水着売り場攻防戦・1

「ほらっ、咲耶。この水着なんてどう? あなたくらいスタイルの良い人なら、こんな大胆(だいたん)な水着でも、充分着こなせるんじゃない? あと、こっちもシンプルだけど素敵よ? 大胆さではちょっと負けるけど、定番のビキニスタイルだし。色は、黒と赤があるわね。う~ん……咲耶なら、黒の方が似合うのかしら? でも、その綺麗な黒髪に()えるのは、赤の方って気もするし……。ねえ。どう思う、桃花?」

「――えっ?……え、ええと……」


 振り向き様、イーリスに訊ねられ、桃花は一瞬、返答に詰まってしまった。

 イーリスの言う通り、咲耶であれば、どちらの水着も難なく着こなしてしまうに違いないが、しかし……。


 正直言って、イーリスが両手に持っている水着のどちらとも、咲耶が好みそうなデザインには思えなかった。

 大胆を通り越して、過激(かげき)と言ってもいいくらいのデザインなのだ。極端(きょくたん)に、肌を隠す部分の、布地の面積が少ない。



(とりあえず、イーリスさんが右手に持ってる方の水着は、論外だよね。あの水着、胸の面積三分の一くらいしか隠せないし、下はTバックだし。肌の露出が激し過ぎるよ。あれを着てみてだなんて、ほとんど罰ゲームだよ……。イーリスさんが左手に持ってる方の水着は、確かに、定番のビキニって感じだけど、どうかなぁ? 咲耶ちゃん、前から胸が大きいこと気にしてたし……ってゆーか、胸に視線が集まること、すっごく嫌がってたもんね。……わたしとは正反対の悩みで、ちょっぴり、(うらや)ましく思えることもあるけど……。でもやっぱり、胸ばかりジロジロ見られるのは、嫌なものなんだろうなぁ……)



 桃花には、一生実感出来ない悩みだ。

 それが少し悲しくもあったが、咲耶とは、小学校に上がる前から、ずっと一緒だったのだ。胸が大きくなり始めた頃の彼女の悩みも、当然、近くで見て来て知っていた。



 咲耶の胸が大きくなり始めたのは、小学校四年の頃だったが、その頃は、ブラジャーをするのも嫌がっていた。

 胸元をギュウッと押しつけるようにして、厚手の布(要するに(さらし)のことだが)でグルグル巻きにし、わざと(たい)らに見える状態にして、学校に通っていたことすらあったほどだ。


 まあ、それはさすがに、『胸の形が悪くなるし、体にも良くない』と、咲耶の母親である時子に、反対されてしまったらしいが……。

 それ以降、泣く泣くブラジャーを付けるようにはなったものの、かなり不満そうだった。



(咲耶ちゃんは、胸元がすっぽり隠れるくらいのデザインじゃないと、着てくれないと思うな。……それこそ、競泳用の水着とか、ワンピースとか……あとは、タンキニくらいまでかな?)



 イーリスに、水着を目の前に突き付けられながら、桃花はぼんやりと考えていた。



 ここで、〝タンキニ〟の意味がわからない人のために、一応説明しておこう。

 〝タンキニ〟とは、上(タンクトップやキャミソール形状のもの)と(ボトム)とに分かれているタイプの水着のことだ。

 要するに、タンクトップと、ビキニを合わせた造語。〝タン(クトップ+ビ)キニ〟というわけだ。


 トップの丈が長いものが多く、ウエスト部分の露出が少ないので、『ビキニを着てみたいけど、着る勇気が持てない』――というような女性が、選ぶ場合が多いのではないだろうか。



 桃花達は今、イーリスの選んだ水着を試着するため、ショッピングモール内の水着売り場に来ている。


 店に着いたとたん、イーリスは、ハンガーラックに並べられた水着の前に陣取(じんど)り、これじゃない、あれは違う――などとつぶやきながら、様々なデザインの水着を物色し始めた。

 結構な時間を掛け、イーリスによって選ばれた水着が、先ほどの二着というわけなのだが――……。


「もうっ、桃花ったら! アタシが選んだ水着に、何の感想もないの? 怒らないから、素直な感想を聞かせてほしいわ」


 言葉に詰まったまま、一言も発さなくなってしまった桃花に、苛立(いらだ)ったのだろう。イーリスは、むぅっと口をとがらせ、再び彼女に感想を求めた。


「あっ、ごめんなさい。……えっと、あの……どっちの水着も、咲耶ちゃんには似合っちゃいそうだけど……でも……」

「やっぱり!? そーよね、咲耶ならどっちも似合っちゃうわよね!?――ほらっ、桃花も似合うって言ってるわよ? 早く試着してみせて、咲耶!」


 桃花の言葉を最後まで聞くことなく、イーリスは瞳をキラキラと輝かせて、咲耶の方を振り返る。

 すると、


「――っざけるなぁああッ!! 誰が着るかっ、そんな破廉恥(はれんち)な水着ッ!!」


 鼓膜(こまく)がブルブル震えるほどの大声で、咲耶がイーリスを怒鳴(どな)り付けた。

 イーリスはビクッと肩を(はず)ませ、両目を大きく見開きながら、一歩足を引く。

 だが、すぐにムッとしたように眉をつり上げ、


「はあ? ハレンチ?……何よハレンチって? どーゆー意味?」


 咲耶の言う『破廉恥』の意味がわからなかったらしく、ストレートに訊ねる。


「破廉恥は破廉恥だ!! 恥知らずってことだ!!」

「恥知らず? この水着が?……いったい、どこが恥知らずだって言うのよ?」

「どこもかしこもだッ!! いったい、何なんだそれはッ!? どー考えてもおかしいだろうが!! そんな、極端に布地の少ない水着、どこの誰が着るってゆーんだ!? それじゃ、ほとんど裸族(らぞく)と変わらないじゃないか!! 着る意味が全く感じられないッ!!」


 怒りのためか、羞恥(しゅうち)のためか、はたまた、そのどちらもか。咲耶は顔を真っ赤にしながら、イーリスを責め立てた。

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