ブルマ部!
「うっ……うっ……ヒック……」
それにしても、歴代最強の生徒会長様が全校生徒の前でなんて姿を……。
「私は……ブルマの方が好きなの、それだけ……。ブルマを下着みたいで破廉恥だって、言う人が居るのも……分かる……けど、私はブルマが好き。もうお姉ちゃんのお人形じゃないの、好きなものは、好きって……言いたいの!」
「わぁぁぁ~~ん! 亜子ちゃまぁぁぁ~!」
ここに居ない生徒にも、この様子はカメラで中継されている筈だ。気を利かせて撮影をやめる生徒会員は居ない。何故なら皆が皆立ち尽くし、安池の取り乱した姿から目を離せないのだから。
「泣かないでお姉ちゃん……、私本当は……ずっと、いつも……制服の下にブルマはいてたの……」
何だとっ?!
驚愕の事実にハッと幾瀬と顔を見合わせる。
「なあぁぁぁ~~~~??!」
安池は、これ以上自分に何を言うのだと、もうさすがにこれ以上は聞きたくないと言うように奇声を発し始めた。
「だって! だってもしも……お姉ちゃん以外の人にパンツ見られたら……やだもん……」
安池の奇声を制するように亜子が言葉をそう続ける。
それは実際に効果があったようで安池はピタリと大人しくなった。
ブルマの愛で方は人それぞれだ。可愛いからはきたい、動きやすいからはきたい、それ以外に、パンツを見られたくないからはく、と言うのももちろん有りだと思う。俺達の感覚とは違うけど、十分に理解出来る。
「お姉ちゃんだけ?」
「……ん?」
「亜子ちゃまのパンツ見ても良いのお姉ちゃんだけ?」
「……う……うん……」
「お父様は?」
「嫌だよ……」
「お母様は?」
「嫌……」
「お爺様も? お婆様も? お兄様は?」
「嫌、嫌だよ、みんな嫌だよ、お姉ちゃんだけ、だよ……」
甘えた声で一つ一つ確認していた安池だが、亜子から聞きたい言葉を聞けた様で亜子をひしと抱きしめた。
「ごめんね、お姉ちゃん……、大好きだよ……」
もう安池は何も言わず、亜子を抱きしめ続ける。
場の雰囲気が、随分とほっこりした物に変わっていくのが分かった。何だか俺達は、この姉妹の小さなわだかまりを取る事に一役買ってしまった様である。
しばらくして少しだけ恥ずかしそうに立ち上がった安池はコホンと咳払いを一つ。赤い目をしながらもいつもの調子を取り戻そうと気丈に振る舞った。
「ブルマの長所は良く分かりました。しかし、この学校でブルマを解禁するわけにはいきません」
「お姉ちゃん……」
亜子が悲し気に安池を見上げる。
俺達はと言うと、もう試合内容に満足していたし、負けは負け、安池がどんな判断を下そうともそれを受け入れる心づもりがあった。
「勝負は勝負だ。何も文句はない」
「ムロン! ブルマが負けたとは思ってないデスケド……サラ達もっとブルマに相応しい人間になれる様にショージンするデス!」
「ブルマに相応しい……か、さすがサラ! 良い事言うじゃねぇか!」
「本当にそうだね。ブルマをはいてると、脚のラインを確認しやすいし、私もサラちゃんみたいにしなやかで綺麗な筋肉つけなくちゃ」
少なくとも、サラがこのまま大人しくしているとは思えなかったが、どうやら友城も幾瀬もまだ終わる気はなさそうである。そして今後、何か行動を起こすにしても、今までよりきっと味方が増える、そんな希望が見えていた。
「それから……今言う事では全くありませんが、なのでこれはほとんど独り言ですが……この学校の部活動設立の条件は四人です。部活動とは、共通の趣味、興味を持つ者が集まり、その中で自主精神や自治精神を養う事が目的であるので、一度設立が認められれば生徒会の介入は極力ありません」
へっ……?
部活動……? 何それどう言う事?! ブルマ解禁は出来ないけど、部活動なら許されるって事? だとしてそれって何部?
「ブルマ部!!!」
『ブルマ部?!』
サラが喜びに満ち溢れた声で叫んだ言葉を、俺達はそのまま繰り返していた。このブルマ試合を見守っている生徒達からもざわざわとこう聞こえる。
ブルマ部? ブルマ部?? ブルマ部???
「カイチョ! サラ達ブルマ部設立希望シマス! ブルマ部は人を育てマス! ブルマの素晴らしさを再確認する事で、その素晴らしいブルマに見合う人間に育って行くデス! 知性と体力とを向上させ! 堅忍持久の魂を目指す事を目的とする! 実に高校生らしい部活動になる事請け合いナノデス!!」
すっ……すごい……。何だかよく分からないがとてつもないエネルギーだけは感じる。これが許可されたら、きっと凄い事になる!




