見えた光
「亜子ぉ! んっもう! 今日はお姉ちゃんを驚かせてばっかり! ダメよ危ないわ! あなたはまだ小さいんだから……」
「お姉ちゃんと一緒に戦いたい」
「……っ!!」
何がツボだったのか分からないが、一言で言えば実の妹の亜子に「萌えた」のだろう。一人っ子の俺に良く分からないのは当然として、妹がいる奴にも良く分からないんじゃないかなと、なんとなく思う。
「絶っっっ対にお姉ちゃんが守ってあげるから大丈夫!」
ひしと亜子を掻き抱く安池。さっきから亜子の発言力が強大だ。もしかして生徒会で一番の権力者は亜子、か。
「会長! 恐れながら申し上げます! やはりここはバレー経験者、あるいは高身長で編成するべきなのでは……」
加納が二人の世界に割って入る。この口ぶりからして加納もバレー経験者か。内山田は身長……いや、あいつは何をやらせてもヤバそうだ。そして亜子にバレー経験がないと言う事も分かった。メンバーに入ってくれりゃこっちとしては大助かりだ。
「いいえ、メンバーは私、内山田、加納、そして亜子♪ で決定よ」
よっしゃ!
「日時は明日の放課後、全校生徒の観戦を義務付けます。試合中はやむを得ずブルマの使用を許可しますが、試合終了後は速やかに着替える事を約束しなさい。では話しは以上です。下がって下さい」
簡潔に今後の事をまとめて、安池は俺達を追い出す。生徒会室を出る直前に後ろを振り返ると、亜子と目が合った。
悪いな亜子……、ブルマの為だ。チャンスがあるのなら俺は……、俺達は間違いなくお前を狙うからな。
「いーやっほー! 明日みんなの前で堂々とブルマがはけるとか夢みたいデース!」
生徒会室を出た途端にサラがくるくると踊る様に回っている。
だけど単純に喜んで良い話しじゃないんだ。みんなの前でブルマをはくのは、最後になる可能性だってあるんだから。
「余裕そうだけど、サラはバレー経験あるのか?」
「当たり前デス! サラ東洋の魔女歴イコール年齢ってくらいにがっつりファンデスカラ! レシーブ、トス、アタック、サーブ何でもコイコイ!」
おお、頼もしい!
「幾瀬は?」
「私も、受験キッカケにやめちゃったけど、小学校からずっと町内のバレークラブに入ってたの。うまくは、ないけど……」
おお、まさかの経験者二名!
「校長がバレー言い出した時はこいつマジかと思ったけど……まぁまぁ仕事したじゃねぇか! あんがとよ」
友城は中学時代サッカー部で、バレー経験はないけど運動神経良いし、俺は人並みくらいだけど、相手チームには明らかな穴、亜子が混じっている。友城の言う様に、案外バレーでの勝負って俺達にとってそう悪い話じゃなかったのかも知れないぞ!
「後はもう、君達の頑張り次第だよ。大きな声では言えないけど、私は君達を応援している」
「へへっ! こっちがブルマだからだろ! まぁでも頑張るぜ!」
「ありがとうございました校長先生!」
こうして、急展開により俺達は、明日ブルマ解禁を賭けて生徒会と戦う事となったのであった。




