俺達のブルマ戦争
「どうか皆さん賛同して下さい! ブルマの可愛さを分かって下さい!」
「サラ達はもう大人デス! 好きな物に責任を持てるデス!」
「そうだー! 俺達のブルマ愛を抑制する事は、良くなーい!」
「賛同してくれる人はブルマ隊に入ってくれ! ブルマの用意はある! この、男子用もあるぞ!」
ブルマ隊……? 男子用ブルマ……? そこここからそんな囁き声が聞こえてくる。遠くから見ているだけの生徒達。こんなリアクションは想定内だ。
万が一でも、一人でも、分かってくれる奴がいりゃそれで良い。そいつが仲間になってくれなくたって、心の中でブルマ可愛いなって思ってくれるだけで、俺は良い!
「これはブルマだけの話しではありません! 私達はもっと! 私達の好きな物を自分で選ぶべきです!」
「サラこれで走ると百メートルのタイム必ず縮みマース!」
傍観している生徒たちの中から、少しだけ興味を持つ様な声が聞こえて来た気がした。そして男子達の中には、サラと幾瀬を見て頬を赤らめてる奴も居る。どんなキッカケでも良い、ブルマの良さに気付いてくれ!
「俺達は! ブルマが好きだ!」
思い思いに、ブルマへの熱い思いを叫んだ。好きな格好で思う存分好きな事を叫んだ。
「そこまでにしてもらう!!」
この事態に一番早く動いていたのは、副会長の内山田昂だった様だ。生徒会機動部隊を引き連れ、砂埃をあげながらこちらへ走って来る。
ああ、遅かったじゃねぇか……。
ここまでだな、と、サラ達と顔を見合わせる。みんな、うっすらと口元に笑みを浮かべていた。
俺は出来る限り……と、ドローンを校庭に飛び回させる。
ああ、最高だな、ブルマが自由に空を飛んでいるなんて……。なんて……、なんて綺麗で可愛いんだろう。
この時間に俺も私もと賛同してくれる生徒は居なかったけど、よーく見といてくれ、この自由のブルマを……! 青空に浮かぶ、この聖なる三角形を……!
ドッ! と背中に遠慮ないタックルを喰らって、俺はドローンのコントローラーを落としてしまった。そのまま機動隊員に地面へ抑え付けられる。無駄のない動きでコントローラーは回収され、自由のブルマは地に落とされてしまった。
「いってぇ!」
同じ様に、友城も地面に縫い付けられ、俺達は片頬を地面に擦り付けながら見詰め合った。
サラと幾瀬も両手を拘束された様だ。ここまで来たら抵抗しない様にと、前もって決めてある。抵抗してなかったのに男子にはこの扱いだもんな、まぁ甘んじて受けるけど。
砂埃の収まる頃に、その向こうから安池が悠々と歩いて来るのが見えた。
わざとらしくジャリッと俺と友城の前の砂を踏み付け、俺達を見下す。そんなに近付いたらスカートの中見えるのに。ふーん、白か。
「退学処分か、卒業まで放課後奉仕活動か、どちらか選びなさい」
「ははっ……、どうしてこんな事をしたのか聞きもしないって事は……とりあえず言いたい事は伝わってる……で、良いんですか? 会長」
「そうね、その上で聞いてるのよ、どっち?」
「奉仕活動でお願いします」
「お……俺もッス……」
「全員の意見で良いかしら?」
安池はサラと幾瀬を振り返り意思を確認した。
「一週間が卒業までになったデス……。でもそっちで良いデス……」
「私も……」
「分かりました。ただし同じ事をしたら次はありません……更衣室まで確実に連行して着替えさせなさい! 当然持ち物はすべて没収です!」
『イエス! マイ! トップ!』
生徒会の統制された声を聞いて改めて思った。
ああ、終わったんだ……。俺達の、ブルマ戦争が……。
なぁ、サラ、幾瀬、友城……、俺達やったよな。生徒会に一泡吹かせてやれたよな。好きな物を好きだと、大声で叫べたよな。誰も味方はしてくれなかったけど、俺達の声、少しは届いたよな……。
空飛ぶブルマ、カッコ良かった……よなぁ……。




