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ブルマ部  作者: 焼肉一番


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19/25

生まれ変わる

 改めて小宇宙を出現させて、右足を持ち上げる。


「……っ!」


 ふぅ~、おお~、一旦待とう一旦待とう。

 俺は持ち上げた足をそのまま戻してしまった。なにせ俺にとって歴史的な瞬間なのだ。ちょっと鼓動がうるさ過ぎるから一旦待とう。そうだ、深呼吸。


「ひっひっふぅ~~、ひっひっふぅ~~」


 良し!

 俺はこの瞬間を記録しておこうと時計を見てから今度こそと小宇宙を召喚させた。時間は午後九時三十五分だった。

 行くんだ! 俺の右足!

 キラリと狙いを定めて繰り出した俺の右足は、正確に右の穴を捕らえて貫いた! 

 シャッ! と布が擦れる音がして、膝上を超えた辺りからブルマは俺の足に触れて甘美な刺激を与える。


「ふぁっ……ああ……!」


 まだ右足だけだと言うのになんたる幸福感! こんなんで友城は大丈夫だろうか、なんて思ったが、まずは自分の心配が先だ。

 さぁ行くぞ! 俺の左足!

 今度も狙いは正確だ。正確だったが右足が入っている分少々バランスが取りにくい。膝を伸ばす前にブルマの前部分に掠った。そして右足同様、太ももからはブルマが纏わり付いて来ては俺に刺激を与える。


「ふぁあっ……!!」


 危ないっ!


「……っっ!!」


 何が危なかったのかは良く分からない。分からないが俺はギリギリで、腰に上げる前に足の付け根辺りでブルマを待機させた。

 こっからが、本当の勝負だ!

 これを上げれば、ブルマは俺の尻も股間も包み込む事になる。つまり、俺も小宇宙の一部になると言う事だ。悟りにはまだまだ遠い煩悩だらけの俺が、ワンステージ上へ行くにふさわしいか試されているとも言える。


 行く!!


 なんだか急にじれったくなって俺は一気に待機ブルマを腰まで引き上げた。


「ふぁああああっ!」


 程よい絞め付けと最高の肌触りで、ブルマは俺を包み込む。

 極小のインナーショーツで心許なかった俺の腰回りは、一気に温もりを感じて、それはまるで魔法だったワケで、ただひたすらに俺はありがとうと呟いていた。

 幾瀬……、よく分かる。

 ああ、そうだな、ブルマは柔らかい。そしてはくとふぁあああってなる。お前はやっぱり何も変態なんかじゃない。誰だってこのブルマの心地良さに抗えるものか!

 もし、このファールカップがなかったらと考えると恐ろしいほどだ。ブルマから与えられるこの刺激と優しさの狭間、こんなものを直に股間に受けてしまったら無事でいられる自信がない。

 俺はそのまま、屈伸や開脚などをして改造ブルマの安全性を確認し始めた。これこそが俺と友城に課せられた重大な任務だ。


「うん、うん、大丈夫、はみ出さない。痛くもないぞ」


 ありがとう幾瀬。設置場所も強度も何も問題なさそうだ。それにブルマの機動力も失われてはい。こんなにスムーズに足を動かせるとは。今でもプロスポーツ選手がブルマを選ぶわけだな。


「ありがとう……ありがとう……ありが……はっ!」


 またありがとうループに突入していた俺だが、はっと気付いて部屋の姿見の前に踊り出た。男のブルマが視覚的にどう言う影響を及ぼすのかもしっかり確認しておかねばなるまい。


「うっ?!」


 鏡は、真実を映し出す。


「…………きつい……」


 あれ? なんで? 女子だとあんなに可愛いのに。

 俺はそう男らしい体型をしているわけではない。体毛はどちらかと言うと薄い方だし、筋肉だって人並み以下だ。部活もしてないから日焼けだってしてない。それなのになんでこんなに違うんだろう。

 足の形が悪いのか? どうしても女子に比べたらゴツゴツしてるもんな。案外こうしてみたら……


「おおっ!」


 俺は姿見の前で様々なポージングを試して一番可愛く見えるポイントを探し出した。


「この角度なら問題ないな! むしろ可愛いんじゃないか!?」


 うんうん大丈夫大丈夫似合ってる俺!

 そうだ、やっぱりすね毛剃ろう! すね毛の有無は一番見栄えに影響してくるだろうから、これがなくなったらもっと似合っちゃうんじゃないかしら!

 早速、髭剃り用のカミソリとムースを自室へ持ち込み、新聞紙の上に座り込んで脛にムースを噴射した。もちろんこんな事をするのは初めてだ。

 丁寧に丁寧に……毛の流れを読んで剃るのよ。

 体毛は薄い方だと思っていたが、それでも結構な量の毛が剃り落とされる事となった。つるつるになって気持ち良い!

 剃り残しなし! と、満を持して姿見の前へ。


「わぁっ!!」


 鏡は、真実を映し出すんだよな!?


「似合う!!」


 こーれはイケる!

 そうか、すね毛を剃るのってこんなに重要だったんだ! 友城にも教えてやろう! あいつの事だからきっとここまで頭回ってないぞ!

 鼻息荒くスマホを握り、友城へこの重要な情報を教えてやる。


「やだよ恥ずかしい。そこまでやる必要なくね?」


「えっ? あー……、あ?」


 俺が一番冷静だと思ってたんだけど……。

 友城の一言で色々と我に返った俺は、ブルマのままでしばらくベットに突っ伏した後、胎児のようにまるまって脛を撫で続けた。

 明日、俺この足を晒してブルマになるんだ……。

 もしかしてやっちまったかなぁと少しだけ後悔したが、目の前にブルマ男子が現れて、そいつの脛に毛があるかないかなんてきっと些細な事じゃないか。


 どちらにしろ俺は明日死ぬ。

 そして……生まれ変わる!

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