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ブルマ部  作者: 焼肉一番


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15/27

やらせちまってごめんね

 なんと言って良いものかと悩んでいると、友城の方から話しを続けてくれた。


「別にあれだから、なんか、走りたかっただけだから」


「ああ……」


「食い過ぎたしよ、食後の運動」


「ああ……」


「お前はああ星人かよ」


「……ああ」


「何だよ、バーカ」


「ああ……」


「……ちぇー……」


 何でもない様に振る舞う友城だが、このまま流してしまって良い事とは思えない。気は重いが、やっぱりちゃんと考えておかなきゃだよな、サラの事。


「友城、俺達何も出来なかったけどさ……」


「うん……」


 良かった。友城もこの話しを避けたいワケじゃなさそうだ。


「相手は生徒会だろ? 転校初日にこんな目に合っちまったサラは可愛そうだったけど、この学校で生徒会がどう言う存在なのか、この国で今ブルマがどう言う存在なのか、俺達でちゃんと説明してさ、その……フォローして行ってやれば良い……よな?」


「……おぅ、うーんまぁ別に……、それで良いんじゃね。つかそのつもりだったし」


「うん、で、お前休み時間必ず来いよ」


「そのつもりだったですしー」


「生徒会に目ぇ付けられたって分かったら、他の生徒からはサラと距離取ろうって思われるだろうから……」


「だからそのつもりだっつーの」


「そうか……」


 別に俺がグダグダ言わなくても、友城は友城でそりゃちゃんと考えているよな。無茶苦茶な様で居て、案外気を使える奴なんだ。


「五時限目なに?」


「何だったっけ……」


「とりあえず移動ねぇよな? 終わったらすぐ行くわ」


「おう」


 サラの為にと、勝手に友城とそう約束したけど……。

 ――五時限目には、幾瀬もサラも、居なかった。


 俺達は、安易にサラをフォローしてやれば良いなんて、とりあえずの結論を出した事を後悔していた。

 本当は、二人共とても傷付いていたのだ。俺達の想像を遥かに超えるくらい傷付いていたのだ。だから俺達はモテない。女子の気持ちが全然分かってないから……、そうお互いを罵り合った。


「俺も帰ろっかな」


 つまらなさそうに友城が言う。俺だって帰りたい。


「帰ってどうすんの」


「オンゲ繋げるくらい……。ま、居るか」


「そうしろよ」


「居るからよ、帰りお前んち寄らせろよ」


「良いよ」 


 そうして、思いっきり惰性で最後まで授業を受け(いつもだけど)俺達は足取り重く家路に着いた。石ころでも転がっていたならコツンと蹴り飛ばしたい。そうだ、そうしよう、石ころを探しながら歩こう……。

 石ころ……石ころ……。案外ないもんだな……、石ころを蹴れないままに、もうすぐ家に着いちまうじゃねぇか……。


「ソースケ! トモキ!」


 明るいサラの声。


「大嶋君! 田中君!」


 可愛い幾瀬の声。


「俺、自分で思ってる以上に今日の事へこんでるかも。何だか二人の声が聞こえてくる様だよ」


「ははっ、馬鹿だな友城! ……俺もだよ……」


 小石を探しながら歩いていた俺達に、その幻聴は聞こえ続ける。


「二人サン! 前を見て歩かないとデンジャーデンジャー!」


 その声は一気に近付いて、まさかと顔を上げたところに、二人は立っていた。


「サラ! 幾瀬! どうして……帰ったんじゃないのか?!」


 幾瀬の顔は明らかに泣いた後だったが、表情は二人共妙に明るかった。


「転校初日に授業バックレ! やっちまったデスネ! コハル!」


「ご……ごめんね……、私が収まんなくなっちゃって……やらせちまってごめんね」


 なんと……、サラを慰めてくれるだろうと思っていた幾瀬の方が、逆に慰められていた様だ。あと幾瀬の日本語まで乱れている。


「ははっ! 良いじゃん良いじゃん! 出たくねぇ時は出なくたって良いんだよ! なっ! 奏介!」


 友城はサラを見ると途端に元気を取り戻した。


「ああ! 良い良い! 四人でどっか寄り道して帰るかー!」


 思ったよりも明るい二人に安心して、俺もそう提案してみた。ところが、二人はそれに乗っては来なかった。


「あの……、ちょっと二人に相談したい事があって……。それでね、あんまり人の居ないところが良くって……大嶋君の家、行っちゃダメかな?!」


「えっ! おっ……俺んち?!」


 二日続けて幾瀬がうちに来るとか絶対また母さんがはしゃぐぞ!


「うっ……うん、だからここで待ってたの。待ち伏せみたいにしちゃってごめん……」


「えっ? 何で幾瀬が奏介の家知ってんだ?」


 幾瀬があっ! と口元を抑える。ああもう、嘘が下手と言うか何と言うか……、可愛いんだよこの野郎。


「おう! 良いぞ! みんな俺んち来い! な! 行くぞ友城ぃ!」


「え? 何で? 何でなんだ?」


 友城のもっともな疑問をスルーして俺は三人を自宅へ招き入れた。

 さぁ、相談事とやらをじっくり聞かせてもらおうじゃないか! 俺達が何でも解決してやるぜ!

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