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ブルマ部  作者: 焼肉一番


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10/25

どうしてそんなに

「ソースケ、トモキ、コハル……三人サンは、ブルマ大好き?」


 おもむろにそう言ったサラの表情は少し神妙だった。


「おう!」


 悩む素振りも見せずにそう答える友城。しかし、俺は幾瀬と顔を見合わせてしまった。なんと答えたものかと考えたその一瞬の間に、友城が気付いて口に入れる寸前だったおにぎりを一旦戻す。


「あー、でもあれだよな、あんまり大声では言えねぇんだよな」


「ホワイ?! 何でデス?!」


 悲し気に顔を歪ませるサラ。


「何でって……うーん、何でだ奏介?」


 もともと友城は人の目を気にする様なタイプではない。同じブルマ好きだと分かり合ってから、所かまわずブルマの話をしたがる友城に時と場所を選べと教育して来たのは俺だ。ここは俺が日本の文化とブルマの現状を説明してやらにゃなるまい。


「それはつまりだな……」


「何でなんだろうね」


 俺が話し始めたと同時に、幾瀬がサラや友城と同じ様な事を言い出した。

 何でだ幾瀬! 一緒に説明してくれると思ってたのに!


「なんで私は、さっきのサラちゃんの質問に、田中君みたいにすぐにうんって言えなかったんだろう」


「何言い出すんだ幾瀬……。それはどうしてか良く分かってる筈だろう? だからお前は……」


 隠れてブルマをはいてるんだろう。と、喉元まで出た言葉を飲み込んだ。これはいくらブルマ好きが集まった昼休みだからとは言え言ってはいけない俺と幾瀬だけの秘密だ!


「好きな物を好きって言えないなんて……やっぱり変よ!」


 言ってから幾瀬はかぶりと勢い良くブルマおにぎりに噛り付いた。ギリギリ到達していなかったブルマ部分に。


「えっ? 何だよ幾瀬? お前ブルマ好きなの?」


 あーーーー俺と幾瀬だけの秘密が漏れたーーーー。


「何も法を犯したものを好きって言ってるわけじゃないわ! カブッ……もぐもぐ、汚いものでも卑猥な物でもない! カブリッ……もぐもぐ、女の子は洋服を選ぶ時にファッション性と動きやすさの狭間に揺れるよね! はぐっ……むしゃむしゃ、その両方を兼ね備えたブルマを好きって言って……ゴクン、なんでいけないのよ! ブルマ美味しい!!」


 ブルマ大好きと言いたかったのかな? でもブルマ部分食べてるしな。


「高速ニポッンゴ全部理解出来ているかもどかしいデスが……、つまり、つまりコハルはブルマ大好き?」


「うん! 好きだよ!」


 とうとう言ってしまったな。好きだと言ってるわりに何だか怒った様な表情なのは決意の表れなのだろう。もう自分を偽らないと言う決意の。


「嬉しいデス! さっきはクラスのみんなサンがブルマを悪く言っていたから……日本人はもうブルマ好きと違う思いました。あっ、ほらコハル! こっちのブルマ唐揚げも食べるデス!」


 そう言ってまたタッパーを取り出すサラ。今度のタッパーの蓋はユニオンジャックだった。サラって国籍どこなんだろう……。


「これはブルマ卵焼き! ブルマさんウィンナー! ブルマサンドウィッチ! どれを食べてもブルマデスから安心しやがれ候~!」


「おおおお~! どれも美味そうろう! 馳走になる! 全部貰うぞサラー!」


 どんだけ……! どんだけブルマ好きなんだサラは! どうブルマにするかのアイデア、それを再現できる技術、そして溢れんばかりのブルマ愛、そのどれが欠けてもこんなに恐ろしいまでのブルマ尽くし弁当は作れまい。

「なぁサラ、どうしてそんなにブルマが好きなんだ?」


 ストレートに聞いてしまおうと、俺はブルマコロッケを口に放り込んだばかりのサラに話し掛ける。

 サラは慌てる事なくゆっくりとブルマコロッケを飲み込み、ニヤリと不敵な表情で言った。


「それはムロン、東洋の魔女デスネ」

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