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結婚したら彼が変わった!?  〜婚活後に待っていた“理想と現実”のギャップ白書〜  作者: アレックス・フクリー
Case.6:子どもができたら、レスになった

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視点の転換⑥

「こんなに早く"夫婦の営み"が消えてしまうなんて……」


 そんな戸惑いを抱える女性は、想像以上に多く存在します。でもそれは、あなただけが"魅力がなくなった"からでも、"女として見られなくなった"からでもありません。現代の日本社会では、「子どもができた瞬間に夫婦関係がプラトニック化する」という現象は、珍しいことではないのです。

 多くの男性が、「妊娠・出産を経たパートナーにどう接すればいいのか」「母となった女性に"性"を向けることの是非」について、明確な答えや経験則を持っていません。これは単に個人の問題ではなく、現代日本における「父親役割」や「夫婦関係」についての社会的な模範例の不足とも言えるでしょう。

 日本社会では、「母親になった女性」は神聖視される傾向があり、それが男性の中に「母親となった妻に性的な欲求を向けることへの罪悪感」を無意識に植え付けていることも考えられます。また、「良き父親」のモデルが「子どもを最優先する男性」として描かれがちな中で、「妻との関係をどう維持するか」というテーマは後回しにされがちなのです。

 こうした社会的な背景を理解することで、「私に問題があるのだろうか」という自己批判から解放され、「私たちが直面している状況は、多くのカップルが経験する社会的な課題なのだ」という視点を持つことができるでしょう。


 女性にとっては、子どもができたからといって、パートナーとの関係まで"親子仕様"にしたいわけではありません。むしろ、育児の大変さがあるからこそ、パートナーとの親密な関係を求める気持ちが強まることさえあります。

 一方で、男性側は往々にして"セーフモード"に入りがちです。「今はそういう時期じゃない」「彼女は疲れているから気を使っているんだ」と、自分なりに"優しさ"のつもりで距離を置いてしまう。また、「父親」という新しい役割への適応に精一杯で、「夫」としての役割をどう維持するかという視点が抜け落ちていることも。

 ここに、「求めたい人」と「避けたい(実際は避けるべきだと思い込んでいる)人」のミスマッチが生まれるのです。

 このとき、女性側の視点として大切になるのは、「私が悪いんじゃない」「彼が冷めたわけじゃない」という理解です。そして同時に、「このまま放っておいたら、ふたりの関係が"親業務の相棒"で終わってしまうかもしれない」という、小さな危機感でもあります。


 男性の多くは、「理解できる人」でも、「自分からは話そうとしない人」でもあります。特に性に関するテーマは、日本社会では口にすること自体がタブー視されがちなこともあり、男性側から問題提起をすることはまれです。

 だからこそ、あなたの側から、少しだけ勇気を持って声をかけてみることが重要です。「なんか最近さ、寂しいって思っちゃった」「二人の時間が減って、少し淋しく感じるんだ」といった言葉を口にするだけで、彼の意識が変わることもあります。

 そして、このとき大切なのは「批判」ではなく「共感を求める」姿勢です。「あなたはダメだ」という非難ではなく、「私はこう感じている、あなたはどう?」という対話の入り口を作ることで、互いに心を開きやすくなります。


 出産前の関係に「戻る」という発想は、実はあまり現実的ではありません。なぜなら、子どもの存在によって家族の形は根本的に変わったからです。必要なのは「過去に戻ること」ではなく、「新しい家族の形の中で、夫婦としての親密さをどう再定義するか」という前向きな視点です。

 これは「夫婦」から「家族」へのステップアップであり、単なる後退ではないのです。子どもがいる生活の中で、以前とは違った形で親密さを見つけていく——その創造的なプロセスこそが、この段階での夫婦の成長とも言えるでしょう。


•「子どもがいるから制限される」ではなく「子どもがいるからこそ大切にしたい二人の時間」

•「昔のように情熱的な関係」ではなく「互いを理解し合う深みのある親密さ」

•「性的な関係の回復」だけを目指すのではなく「精神的なつながりと身体的な親密さのバランス」


 このように、視点を変えることで、今の状況を「喪失」ではなく「成長の機会」として捉え直すことができるのです。


 最後に大切なのは、「相手に変わってほしい」と願うだけでなく、「自分から変化を作り出す」という主体性です。

 "女として見られなくなった"のではなく、"どう見たらいいか分からなくなった"だけ。"興味がなくなった"のではなく、"関係が変わったことにどう対応していいか分からない"だけ。

 その一歩を、あなたの見る目と、関係の見直しから始めてみてください。子どもがいるからこそ、「夫婦でいる意味」が試される場面は増えます。でもそれは、夫婦としての絆をもう一段階深める"チャンス"でもあるのです。

「私たちはパートナーとして歩んでいく二人」という原点に立ち返りつつ、「親であることを喜びつつも、夫婦であることの豊かさを大切にする」——そんな新しい関係性を、少しずつ築いていくことが、この時期の夫婦にとっての成長の道なのかもしれません。

 親になることで失われるものもあるかもしれませんが、それ以上に得られるものの大きさに目を向けると同時に、「夫婦」という関係の新たな形を模索していく姿勢が、この段階を乗り越えるための大きな力になるでしょう。

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