94話 君は何よりも強い
・・・たった
・・・8ヶ月で
精神病院 診察室
医者「・・・
信じられん
驚異的なスピードだ
・・・いや
・・・まさか
・・・治るとは
カナデ「・・・」
医者「・・・何をした?」
カナデ「・・・
先生が仰ったことを
しただけですよ?
医者「なに?」
カナデ「私は
否定しないで
理解して
受け入れただけです
医者「・・・」
カナデ「ただ
それをしただけですよ?
医者「・・・」
医者「・・・カナデくん?
それをできる人間が
圧倒的に少ないのだよ?
医者「・・・私だって
・・・できやしない」
医者「・・・なぜ
・・・そんなことが
・・・できた?」
カナデ「・・・
私は
ツナグを
愛しているからです
医者「・・・」
カナデ「だから
できたのかも
しれませんね」
医者「・・・」
カナデ「学校の授業は
8ヶ月も
遅れてしまいましたが」
必要ない
カナデ「え?」
医者「必要ない
学校の授業など
政治家が用意した
答えのある問題を
ただ解くだけのものだ
医者「それに
何の価値がある?
この世界を
政治家が支配してるなら
学校の授業など
政治家の支配の世界で
ただ
生き易くなるだけ
カナデ「・・・」
医者「たかが
そのくらいの価値だよ?」
医者「人生とは
答えのない問題を
永遠に解き続けるような物だ
カナデ「・・・」
医者「君は
自分で考えて
自分で決断して
自分で行動した
医者「その結果
答えの見えない問題に
自分で正解を見つけた
医者「それは
どんな有名大学を
首席で卒業するよりも
圧倒的に価値がある
医者「君はステキだ
君は何よりも強い
医者「私も
君みたいに
なりたかった
カナデ「誉めすぎでは?」
医者「・・・
誉め足りない
くらいだよ?
神社
ツナグは回復した
いつもの
ツナグに戻った
笑った顔も
優しい眼差しも
ツナグ「カナデ?」
カナデ「・・・
私にだけ見せてくれる
穏やかな微笑みも
カナデ「・・・
・・・すべてが
・・・戻った
ツナグ「今日も
奏でてくれるんだろ?」
カナデ「そうよ?
だから君は歌って?
はじめよう?
ツナグとカナデを?
ツナグ「あぁ」
カナデ「そうして
毎朝
この人の居ない神社で
セッションするのが
日課になった
現在 ワンモア事務所
シアン「・・・そんな
・・・過去が」
ヴェル「・・・カナデ?」
ヴェルは
カナデを抱きしめた
カナデ「ヴェル?」
ヴェル「・・・お前は
・・・本当に
・・・強いな?
ヴェル「・・・俺は
・・・一度
・・・逃げ出しち
・・・まったのにな
ヴェル「・・・よく
・・・逃げなかったな?
リエル「僕のこと
気に病まないで
ヴェル?
逃げ出すのが
普通なんだから?
ヴェル「・・・リエ?」
リエル「・・・むしろ
・・・ごめん
・・・こんな
・・・重たい僕を
・・・支えてくれて
・・・ありがとう
ヴェル「・・・リエ」
ワスア「・・・しかし
・・・ツナグくんは」
シアン「大丈夫だろ?」
ティア「そうですね
ツナグには
カナデが居れば
問題ありません
ティア「むしろ
私とシアンが
もっと精進しなくては」
シアン「そうだな」
カナデ「なんで?」
ティア「ツナグもカナデも
ヴェルもリエルも
とんでもない
理不尽な現実を
戦い抜いたのだから
シアン「“欠けている”は
簡単に
折れそうにねえぜ
シアン「なあ?
ネア?
ネア「・・・」
ネア「・・・そうね
“レア・シーン”も
油断したら
簡単に喰われるわね
ワスア「事情から察するに
ツナグくんが
歌番組に出たくないのは」
カナデ「・・・えぇ
・・・ジアゼに
・・・気づかれたく
・・・ないのでしょう
シアン「全国ネットだもんな?」
ティア「さて
テレビ出演なしを
OKな人は
挙手をお願いします
カナデ「・・・え?」
ヴェル「・・・」
リエル「・・・」
シアン「・・・」
“欠けている”メンバー
全員 挙手をした
カナデ「・・・
・・・みんな
ワスア「・・・それでわ」
シアン「わかったろ?
ワスア社長?
これが
俺たちの意志だ
ワスア「・・・」
シアン「だから
プロ契約は」
・・・ごめん
・・・みんな
カナデ「・・・
・・・ツナグ
ツナグ「・・・僕は
・・・また
・・・やっちゃったか
シアン「やっと
目が覚めたか?
心配したぞ?」
ツナグ「・・・」
ヴェル「ツナグ?」
ツナグ「・・・
・・・ごめん
リエル「・・・どうしたの?」
ティア「・・・」
ツナグ「・・・
・・・僕は
ネア「・・・少年?」
ツナグ「・・・」
ツナグ「・・・みんな?
・・・僕は
・・・“欠けている“を
・・・抜けるよ




