93話 カナデの覚悟
心に
大きなダメージが
ありますね
精神病棟 診察室
ツナグ「・・・」
医者「診断名を出すのは
慎重にさせてください」
カナデ「ツナグは
治るのですか!?」
医者「・・・」
わかりません
カナデ「・・・」
医者「現状では
それしか言えませんが
私は精神障害者には」
カナデ「・・・
・・・精神障害者?
医者「カナデさん?
私は精神障害者に
今のカナデさんのような
質問をされた時は
“治らない物だと
思ってください”
カナデ「・・・」
医者「いつも
そう答えます」
医者「さっそく薬を
処方して」
待ってください!!
カナデ「・・・ユリさん?」
ユリ「・・・」
ユリ「・・・薬なしで
回復する手段
ありませんか?
医者「・・・」
ユリ「・・・薬依存と
・・・副作用が」
医者「・・・
手段はありますよ?
ユリ「それは
なんですか!?」
医者「精神を
常にリラックス
させる事です」
カナデ「・・・だったら
入院は
良くないのでは?
ユリ「カナデちゃん?」
カナデ「心を
リラックスさせるなら
住み慣れた居心地のいい
自宅の方が良いと思うのですが?」
医者「・・・
ツナグ君が
取り乱したとき
誰が対応できるのだね?
医者「場合によっては
拘束具も必要だよ?」
ユリ「拘束具!?」
カナデ「・・・
・・・私に
・・・やり方を
・・・教えてください
ユリ「カナデちゃん!?」
医者「・・・正気かね?」
カナデ「・・・
・・・私が
・・・やります
こうして
ツナグは
退院した
カナデの部屋
カナデ!?
あなた本気なの!?
シエス「学校を休んで
ツナグちゃんの
介護をするなんて!?」
カナデ「・・・
・・・私が
・・・やるしか
・・・ないのよ
カナデ「・・・いえ
・・・違うわ
私がやりたいの
カナデ「・・・だって
ツナグには
笑ってて欲しいもん
シエス「・・・カナデ
でも学校は!?」
カナデ「・・・大丈夫だよ?
義務教育だもん
適当に通っても
卒業証書は
もらえるもん
カナデ「・・・
・・・たぶん
シエス「カナデ!?」
それから私は
ツナグの部屋に住んだ
ツナグは
一心不乱に
歌詞を書いていた
ツナグの部屋
カナデ「・・・
・・・ツナグの
・・・いつもの
・・・面影がない
カナデ「・・・
・・・笑った顔も
・・・優しい眼差しも
カナデ「・・・
・・・私にだけ
・・・見せてくれた
・・・穏やかな微笑みも
カナデ「・・・
机から落ちた
ツナグの歌詞が書かれた
紙が落ちる
カナデ「・・・
・・・これ
カナデ「・・・
寂しさと悲しみで
飾られた道
僕は そこしか
歩く事ができない
カナデ「・・・
もう
消えて消えて消えて
消えて消えて消えて
消えちゃえよ!!
こんな悲しい
未来になる
カナデ「・・・
なんのために僕は生きるの?
生きる意味は どこにあるの?
本当に必要?
人生なんて?
僕が消えたって
世界は変わらない
カナデ「(・・・やめて
・・・そんな歌詞
・・・書かないでよ)
ツナグ「うああああああああ!
ああああああああああ!!」
カナデ「ツナグ!?」
回想
医者「場合によっては
拘束具も必要なんだよ?」
カナデ「・・・」
医者「・・・本当は
・・・使わせたく
・・・ないんだけどね」
スタンガンを
カナデに渡した
カナデ「・・・これ」
医者「・・・最終手段は
気絶させて
拘束しなさい
回想 終了
カナデ「ダメ!
力で抑えられない!!」
カナデ「・・・
・・・ツナグ
・・・ごめん
ツナグは退院してから
車椅子生活だ
私は
ツナグの
気分転換のために
陽差しを浴びせるために
外に連れて行く
カナデ「ツナグ?」
車椅子で
力弱く
歌を歌うツナグ
神社
カナデ「ここなら
大丈夫かな
いつも
人は居ないし」
ツナグ「・・・」
カナデ「好きに歌っていいよ?
感情を出して?
ツナグ「・・・
ツナグは感情のまま
大きな歌声を出した
カナデの家
ユリ「・・・ごめん
・・・シエス」
シエス「・・・」
ユリ「・・・カナデちゃんを
・・・巻き込んで」
シエス「・・・
・・・いいのよ?
シエス「・・・ツナグちゃんだって
私の息子だもん
ユリ「・・・シエス」
シエス「それに
カナデが選んだ事だから
シエス「親として
カナデを
尊重したいの
ツナグの部屋 夜23時
カナデ「じゃあ
おやすみツナグ?」
ツナグ「・・・」
カナデ「(・・・まだ
・・・我に戻らない)」
目を閉じて
寝ようとすると
ツナグ「・・・フゥ・・フゥ」
カナデ「・・・
・・・え?
ツナグ「・・・」
カナデに
覆い被さった
ツナグ「・・・フゥ!・・フゥ!!」
カナデ「・・・」
ツナグが
力任せに
カナデの衣服を破り
胸が はだけた
カナデ「・・・」
ツナグ「・・・フゥ!・・フゥ!!」
カナデ「・・・
・・・いいよ?
・・・あげる
ツナグ「・・・」
カナデ「・・・ツナグが
・・・戻って来るなら
・・・ぜんぶ
・・・あげるよ?
ツナグ「・・・」
カナデ「・・・まあ
シちゃった結果には
ならなかったけどね
8か月後
外出
カナデ「・・・」
回想
医者「ツナグ君みたいに
心にダメージを受けた人に
必要なこと
否定しないで
理解して
受け入れること
医者「それができる
環境なら
・・・もしかしたら
回想 終了
神社
カナデ「ツナグ?
歌おうか?
ツナグ「・・・」
カナデ「今の想いを
歌っちゃおう?
絶望でも
なんでもいいよ?」
カナデは
ヴァイオリンを
取り出した
ツナグ「・・・」
カナデ「君の想いに
メロディを乗せるから
君の想いに
奏で寄り添うから?
ツナグ「・・・」
カナデ「・・・
君の歌声に乗せて
私のメロディを響かせる
その
繋ぐを奏でて
1つの物語になる
カナデ「・・・私たちは
・・・繋がってる
ツナグ「・・・」
カナデ「だから
歌って?
ツナグ「・・・
今日だって貴女と
一緒に生きて
居てくれて
明日も貴女が
居てくれて
寄り添ってくれる
いつも貴女が
傍に居てくれて
傷ついた僕に
温もりをくれる
カナデ「・・・え?
・・・絶望の
・・・歌詞ではない
ツナグ「・・・
二人で過ごす日々
二人 見つけた想い
貴女の感情に
僕の想いを絡めたいの
貴女の奏でを聴いて
僕の歌声を繋いで
いつまでも
重ねて居たいんだ
カナデ「・・・私のことを
・・・言ってくれてるの?
ツナグ「・・・
二人 重ねたくちびる
ついに
ここまでしちゃった
僕の心が
はやく
鼓動を打って止まらないの
「傍に居る」と気づいた
「ここに居る」と感じた
カナデ「・・・」
ツナグ「・・・
・・・貴女の
・・・せいだからね?
カナデ「・・・」
カナデ「・・・・・ツナグ?
・・・私と
・・・キスしたいの?
ツナグ「・・・」
カナデ「・・・いいよ?
あげちゃうね?
私のファーストキス
カナデ「・・・」
ツナグ「・・・」
カナデは優しく
ツナグの唇に
キスをした
ツナグ「・・・」
カナデ「・・・
・・・あげちゃった
カナデ「・・・こんな状態で
・・・不謹慎だけど
・・・嬉しいが
・・・止まらない
ツナグ「・・・」
ツナグ「・・・・・・」
ツナグ「・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・カナデ?
カナデ「・・・え?」
ツナグ「・・・僕は
・・・何を?」
カナデ「・・・ツナグ!?
正気に戻ったの!?
ツナグ「・・・正気?
僕は おかしく
なってたの?」
カナデ「・・・
優しく
愛おしく
その
好きな人を
抱きしめた
カナデ「・・・よかった
・・・よかった
それから
しばらくして
ツナグは回復した




