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欠けている  作者: ausunoto
88/99

88話 最後に抱く感情は





       アンコール!


       アンコール!!


       アンコール!!!


       アンコール!!!!






文化祭 体育館


ステージ


ツナグ「・・・








       観客参加型の一体感は


       魅了の沼がハンパなかった



       ”欠けている”


       バンドメンバーは


       熱烈な


       アンコールを受けていた







ツナグ「・・・どうするんだよ

    ・・・四曲目なんて

    ・・・準備してないって」


シアン「適当に

    持ち歌で対応するか?」


カナデ「でも な~んか それ

    つまらなくな~い?」


リエル「ハードル

    上げていくー」


ヴェル「じゃあ

    どうするんだよ?」


ティア「まあ






      バンドとして


      アンコールに備えてないのも


      考えが足りませんでしたね






ティア「カナデの言う事には

    無理がありますよ?」



カナデ「え~ 

    つまんな~い」



ツナグ「だったらさ






        新曲の あの歌詞


        みんな頭にあるよね?





リエル「まだ歌詞だけの

    曲を創ってないやつ?」



ツナグ「うん

    それを







     即興で合わせて?






            ・・・ふざけんなよ?

            ・・・クソヤロー?







ツナグ「僕なんてカナデに

    毎朝それやられてるんだからな!?」



シアン「・・・ある意味







        ・・・ガキのころから


        ・・・特殊な訓練


        ・・・してるのな?







ティア「ツナグの作詞の力は

    カナデのムチャ振りによる

    物でしたか」



カナデ「ムチャ振りって言うな~!?」



リエル「・・・じゃあ

    ・・・もう








        即興で合わせればいい?








リエル「どうなるかは

    知らないけど」




ヴェル「まあ

    失敗しても学校だし

    傷は浅いか」



シアン「やるしかねえな」



ティア「即興ライヴ

    まあそれが








         ”欠けている”らしいですがね









ツナグ「じゃあ

    奏でようか?

    みんな?」




カナデ

ヴェル

リエル

シアン

ティア「おぉ!!」







       オーディエンスに告げる






ツナグ「今から披露する曲は







        完璧になる即興です






ツナグ「歌詞しか まだ

    完成してません」






”・・・え?”






ツナグ「なので









         魅せてやるよ!


         これがバンドの即興ライヴだ!!







”・・・それって










          ・・・ぶっつけ本番!?”











ステージ


カナデ「終わり良ければ

    すべて良し~」



ティア「逆に言えば

    終わりが最悪なら

    今までのすべてが

    無に帰りますがね?」








観客席


”・・・あれ








          カナデが また


          マイク構えてるけど!!










”・・・ツナグもだ

・・・あれって










          ・・・コーラスって


          ・・・感じじゃない!!









”・・・









            ・・・デュオだね?”










ツナグ「さあ








            行こうか










ツナグ「ラスト曲








          「同じ痛みを知ってる

           となりに君が居るから」










          リエルの

          キーボードソロの

          イントロから始まる


          切なく優しく

          響くような

          音の彩り




          他の楽器たちは

          まだ黙ってる


          リエルだけの音で

          ヴォーカルは唄い始めた










カナデ「・・・












          独りでは生きていけない

          悲しみが そこにあるから


          幼い日に壊れた

          心を抱いて


          この悲しみを

          消す方法を教えて?


          もう

          忘れたいの


          寂しさも


          悲しみも


          孤独も








ツナグ「・・・







        さあ 行こう?

        笑顔を見せて?


        悲しい過去を忘れて


        今を生きて

        これからも

        笑って歩くために


        僕たちは

        壊れた

        心を抱えている


        それでもいい

        お互いに


        孤独を

        埋め合って行こうよ?







「もういいだろ?

 ズルいよ?」


「参加したくなった?

 君たちも奏でなよ?」


「そうさせてもらうよ?」







           残りの楽器たちも

           はしゃぎ始めた!


           我慢してた分

           騒いでやろうと

           枷を外した!!






カナデ「じゃあ

    第二幕だね



カナデ「・・・







        きっと

        これからの人生は

        過去とは真逆の物になる


        同じ痛みを知っている

        となりに君が居るから


        私と同じ君と

        私は出逢えたから


        

        悲しみも


        孤独も



 

        全部

        分かり合える








ツナグ「・・・








         さあ 行こう?

         笑顔を見せて?


         どんなに

         生きるのが

         つらくても


         貴女が居て

         僕が居る


         それだけで満たされる


         ありがとう

         居てくれて


         独りじゃないって

         気づいたよ?


         この鼓動を

         どうすればいい?


         貴女に伝えても

         いいのかな?










その

ツインヴォーカルの

熱情に触発されて


楽器たちも

”俺も!俺も!!って

叫びだす!!



ヴォーカルも

音たちも

感情を露にする!!








カナデ「・・・









        きっと

        私は知らない


        芽生えてしまった

        感情を


        戸惑いと

        ドキドキと


        ためらいで

        いっぱい


        この想いを

        どうすればいい?


        産まれて初めて

        知った感情を


        こんなのは知らない

        感じた事もなかった


        私は恋をしたの?

        ・・・私が・・できるなんて


        もう

        忘れちゃった






          孤独って何だっけ?









楽器たちも

感情を止めない!


君の歌声に乘って

曲も叫びを止めない!!





ツナグ

カナデ「・・・










          人は変われる

          壊れた心だって


          お互いに

          想い合って

          傷を癒し合った!!










ツナグとカナデのデュオ


「お互いに

 そう生きてきたんだね?」


その想いが

歌詞の言葉に

想いと感情を叫んだ!!







間奏


「負けないよ!?

 君たちの想いに!!」


あくまでも

張り合おうと言うのか


声も音も

さらに感情を剥き出しにする!!








ツナグ「・・・










          さあ 行こう?

          笑顔を見せて?


          もう

          悲しみは忘れたから


          貴女が居て

          僕が居る


          それだけでいい


          さあ 行こう?

          過去を捨てて?


          光り輝く明日へ


          今を生きて

          これからも

          貴女と居たいから!!








カナデ「・・・






          もう

          私は独りではない


          となりに君が居るから


          分かり合えて

          想い合える


          となりに君が居るから


          もう

          伝えたい

          初めて感じた感情を








ツナグ「貴女がくれた」


カナデ「君がくれた」



ツナグ「僕を!!」


カナデ「私を!!」





ツナグ

カナデ「すべて変えてくれた!!」









         音たちは静かになり


         リエルの

         キーボードソロ



         静かに引き込むように

         優しく


         物語の終わりを告げるように

         静かに締めくくった










観客席


”・・・・・・・・・・・”



”・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・”



”・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・”





”・・・すごいよ?・・すごいけど









          ・・・ズリィわ











”・・・同じ高校生として












          ・・・産まれて


          ・・・来るなよ?












ネア「な~んか








         才能を


         見せつけてな~い~?










ユミ「・・・盛り上がると言うか









        ・・・差を


        ・・・見せつけられたわ













ステージ


ツナグ「・・・あれ?

    ・・・なに?

    ・・・この反応?」






          変な空気を残し


          ”欠けている”の


          文化祭ライヴは


          幕を閉じた








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