84話 光り輝く世界へ
で?
ヴォーカルをやる意味を
わかってるんだろうな?
体育館 ステージ
ツナグ「え?」
シアン「トークもできねえ
ヴォーカルは要らねえんだよ?」
カナデ「あ~
ツナグのトーク
聞きた~い!!」
ツナグ「・・・え
ええええええええええ!!
ええええええええええ!!
ティア「ネアを見習ったら
どうですか?」
ツナグ「ネアは
天才の部類でしょ!?
トークと魅力だけで
”レア・シーン”の
売り上げの半分を稼いでる
化け物なんだよ!?」
ヴェル「じゃあ これから
”欠けている”は
ヴォーカルがトークしねえ
バンドになるのか?
ツナグ「・・・う」
リエル「良い機会なんじゃないの?
ここは学校だし理解者も多そうだし
練習には最高なんじゃない?」
シアンに
マイクを渡されるツナグ
ツナグ「・・・」
シアン「やってみろよ?
ツナグには
言葉に才能があるんだよ?
シアン「ヴォーカルの
お前が
オーディエンスの心に
火をつけてみろよ?
ツナグ「・・・」
ステージ中央
スタンドマイクで
構えるツナグ
”あいつって
ド陰キャだったよな?”
”でも脚本もやって
演劇に主人公もやって
いまバンドのヴォーカルで
唄おうとしてるんだよな?”
”・・・こんなにも人は
・・・変われる者なの?”
ツナグ「・・・
ありがとう みんな
”・・・え?”
ツナグ「僕たちのバンドを
聴きに来てくれたこと
こうして
歌う機会をくれたこと
いま こうして
僕たちのバンドを
聴こうとしてくれてること
最高に感謝している
ツナグ「僕の世界は
鬱々として広がっていたんだ
ツナグ「何もない日常
変わらない世界
変えたくても
変える勇気もない
臆病な僕
そんな僕を
カナデ・トケル言う
人間が
僕の世界を変えてくれた
カナデ「・・・
・・・え?
ツナグ「ぜんぶ
カナデがくれた世界なんだ
僕の
歌詞と歌声の才能を
見つけてくれたのも
その才能を助けるために
僕の歌うとなりで
奏でてくれるのも
”欠けている”の
みんなと出逢わせてくれたのも
ツナグ「・・・
ぜんぶ
カナデだった
カナデ「・・・ツナグ」
ツナグ「そこから
世界は光り輝いたんだ
ライヴハウスで
歌うようになったのも
”欠けている”の
メンバーの奏でに乘って
歌うようになったのも
バンドをすることで
様々な人に出逢い
たくさん成長できた」
観客席
ネア「へ~
そう思って
くれてたんだ
ステージ
ツナグ「クラスメイトも
僕を認めてくれるように
なったし
脚本とか
才能を見つけてくれたり
そして いま
みんなの前で
バンドメンバーと共に
歌おうとしている
ツナグ「カナデもシアンも
”欠けているのメンバーなんだ”と
熱い想いをくれた
僕の
鬱々とした世界は
終わりを告げたんだ
”・・・・・”
ツナグ「だから
完全な意味でも
鬱々とした世界から
出発するために
そして
オーディエンスのみんなに
想いを届けるために
僕は いまここで
”欠けている”のメンバーと共に
想いを歌います
ツナグ「・・・届けたい
・・・想いがあるんだ
ありったけの感情を乗せて
叫ぶからさああ!!
ツナグ「みんな
聴いてくれよ!?」
”・・・・・・・
・・・この人間
・・・本当に
・・・ド陰キャだったの!?
”聴いてやろうじゃねえか!
ただしヘタな歌声と音だったら
ブーイングに変わるのを
忘れるなよな!?”
”見せてくれよ!?
人が変われるところをさ!
そうなったら俺たちも
勇気をもらえるんだからさ!!”
”自分でハードル上げるとか
やるじゃねえか!?
だったら
相応しい物を聴かせろよなあ!?”
オーディエンスの集中は
”欠けている”と
ツナグに向いた!!
シアン「まあ
いいんじゃねえの?
最高なトークだったぜ?
だってさあ
あとは
音と歌声で
黙らせれば
いいだけだからな
シアン「そんな状況に
持ってった話術
誉めてやるよ?」
ティア「黙らせて
どうするんですか?
ぜひとも
最高な歓声を
浴びたいものなのですが?」
シアン「そういう意味で
言ってねえよ?」
リエル「気負うことはないと思うよ?
失う物は何もないのだからさ?」
ヴェル「このバンドなら
個性を出し過ぎた方が
最大のプラスになるからな
”これが俺だって”叫んでやる」
カナデ「見たいんでしょ?
鬱々とした世界の先にある
光り輝く世界を
カナデ「見せてあげるよ?
”欠けている”の皆で
君は
独りではない
カナデ「さあ行こうか?
ここが始まりだよ?
新世界が待っている
ツナグ「あぁ!!」
メンバーが
音を鳴らし始めた!!
ツナグ「曲のタイトルは
「運命を変えてしまえ」




