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第23話(3)

 王宮護衛団本部。

 城門を入った王城区域内に構える建物の

 最上階にあたる3階。

 そこで責任者のセイクレッドが問題児……もとい

 謹慎3名の職場復帰手続きを行っていた。

「今度こんな事してみろ、

 次は謹慎と減棒だけじゃ済まねえぞ。」

「はっ、申し訳ありませんでした!」

 謹慎3名ですら震え上がらせるのがセイクレッドだ。

 年配ではあるが、手出し厳禁の5人とまで言われる

 殺気を常に感じさせる。

「シンシアとブラッド、

 おめーらは暫くの間王城区域内の巡回を

 今まで以上に徹底してやれ。

 マハラティーニからの客人の事もあるが、

 もう一つ気になる事がある。」

「気になること?」

「それはな……」

 話そうとしていると、

 コンコン

 と扉をノックされた。

「入れ。」

「失礼いたします。」

 入ってきたのは1階にいる受付嬢だった。

「今、城門前の受付から

 ハクさん宛ての伝書を受け取りましたので

 届けにきました。」

「あたし宛てに?」

 受付嬢がどうぞと言ってハクに差し出す。

 ハクの身長は150と小柄なので、

 少し身をかがめて手渡していた。

「……ヤタからの伝書か。

 ん、了解した。」

 その伝書をセイクレッドに見せる。

「総督、ロバスの旦那から招集がかかった。

 なのであたしはそっちに行かせてもらうぞ。」

「……分かった。

 向こうは向こうで何か掴んだようだな。

 急いで行け。」

「では。」

 ハクは言葉短く、足早に本部を出て行った。

 いやー良かったぁ!

 余計な小言聞かないで済んだわ!

 ヤタに感謝しなくっちゃねー!

 本音ダダ洩れな笑顔で本部を出たのを見た受付嬢は、

『またやらかさなきゃいいけど。』

 と少しだけ心配しているようだった。


 ハクと受付嬢が去った後、会話が再開。

「気になることっていうのはな、

 発見されたっていう例の地下鉄遺跡だ。」

 シンシアとブラッドは

『は?』

 と言いたげな顔になる。

「それって西区の迷宮で発見されたってやつよね。

 こっちの王城区域は関係無いんじゃないの?」

 シンシアの声にブラッドは無言で頷いていた。

 そこにセイクレッドが一枚の大きな紙を広げる。

「これは城下町の地図?」

「手書きで追記したこの円を見てみろ。」

「え、これって……!」

 地下を大きく円を描く様に一周している地下鉄遺跡。

 その北西部、

 つまり王城区域にもその円が重なっていた。

 今まで押し黙っていたブラッドが口を開く。

「貴族居住区に重なってますね……。」

「ああ。

 冒険者ギルドからの情報だと、

 地下鉄遺跡の駅は全部で12あるらしい。

 そのうちの1つが王城区域内にありそうだと

 破封の陣のポーラから連絡を受けている。

 だがまだ見つかっていない。

 古の時代の家なんてものは

 貴族居住区に無いんだがな。」

「なるほど。

 てことは、あたしとブラッドは巡回強化して

 その入口を探し出せって事ね。

 もし魔物が出現したら?」

「そんときは遠慮なくブッた斬れ。

 もし悪魔でも出てきたら尚更な。」

 シンシアが軽く笑いだす。

「フ、フフ、

 良いタイミングで謹慎が解けてくれたわ。

 行くわよ、ブラッド。」


 2人が去るとセイクレッドは大きくため息。

 そしてポツリと一言

「なんで御庭番って

 バトルジャンキーしかいないんだかなぁ。」

 と呟いていた。

 もし受付嬢が聞いていれば

『自分が一番の戦闘狂だからでは?』

 と即答していたに違いない。

 ほぼ確実に。

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