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第22話(1)

 ケイトは

 ドールの案内で西区の地下迷宮に入る予定だが、

 まずその前に自宅に寄った。

 少し早いがお昼を済ませてしまおう。

 そして準備を万全にしてから行く。

 その考えには当然ドールも賛同していたが、

 いくら凄腕の魔法使い二人でも

 二人きりで迷宮に挑むのは危険極まりなかった。

 せめて接近戦に長けた者が一人と

 回復魔法に長けた者が一人ほしい。

 両方兼ねた万能系だとフランソワが思い浮かぶ。

 だけど彼女だけは絶対に頼りたくないわ……

 “蟲毒の饗宴”の悪夢再びになってしまう。

 どうしようか

 と考えながらトーストにジャムを塗る。

 ドールがコーヒーを用意している間に

 ケイトはサラダを用意。

 二人でキッチンに並んでいた。

 うーん、うーん、

 と悩むケイトを見てドールはポツリと一言。

「協力者の事でお悩みでしたら大丈夫です。

 先程折り返しの伝書が届きましたので。」

「え、伝書?いつの間に??」

「ケイト様が家に入った直後、

 偽物の杖を所持している者の対応を指示した

 伝書が戻ってまいりましたので、

 すぐに王城へ協力要請を飛ばしました。

 ポーラ様はケイト様の仕事に

 全面的にバックアップする

 と仰っていましたので。」

「あ、確かにそう言われていたけど……」

「はい、言われておりましたので、

 ここは利用するに限ると判断いたしました。」

 ドールもエレナ女王に会って、

 神算鬼謀の気が移ってしまったかしら。

 そう思いながら用意した昼食を

 ダイニングキッチンのテーブルに並べた。

 そして食べながら会話の再開。

「協力してくれる人って、

 もしかしてロバスさん?」

「そうしたかったようですが

 今は王城に不在との事で、

 御庭番のフィル様と、

 ヴェスター様の部下の方が一人

 来てくれるそうです。」

「フィルはいつもの事だけど、

 父さんの部下の一人?」

 そういえば父さんの部下って6人いるんだっけ。

 今まで一人も会った事ないけど。

「はい、女王護衛団“白銀”の筆頭で

 サイレン・テラー・スタンジブ

 という名だそうです。」

「白銀の筆頭!?

 また過剰なスペックの協力者ねー」

 ケイトはそう言いながら、

 ジャムを塗ったパンをかじりながら考える。

 王城では誰が伝書を受け取ったか……よね。

 王城前の受付に届いたはずだけど、

 受付では誰にその書面を送ったのかしら?

 もしエレナ女王に渡したとしたら、

 エレナがサイレンを直接送り込んだ可能性が高い。

 私とドールの実力を知っているエレナが、

 過剰な能力を持つ人材を簡単に寄越すとは思えない。

 絶対何かあるわ。

 地下迷宮への侵入……

 安易に考えない方が良さそうね。


 誰しもがそうかもしれないが、

 嫌な予感とは何故か当たる確率が高い。

 それは、ケイトもまた例外ではなかった。

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