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Splendours Season1  作者: Saki Tachimazaki
2nd Act - プリンス・オブ・アルファライン -
12/18

Scene Delta-2【Splendours Season1】

 息を整えてから宮殿に戻ってみたが、お兄様はどこにも見当たらなかった。もちろんマルクやフィルマンにも聞いたが、誰もみていないという。図書館や地下室も探したが、どうも見当たらない。

 そうしているうち、いつの間にか四時間以上が経ってパーティーの準備をしなければならなくなっていた。


「ねぇマルク、本当にお兄様を見ていないの?」

 マルクは黙ったまま、白いジャケットを着せてくれた。

「——お兄様、辛そうだった。けれど僕には何もできない」

 ドレッサーの中には気を落とした自分の顔があった。

「ブレイク殿下は以前、誘拐されたことがありました。犯人は金銭目的でしたが、リューク陛下は放っておけと一蹴なされ、パトリック陛下には情報が渡らなく、渡っていたとしても国外におられ対応ができない状態でした。政府も対応をしないどころか自己責任とし、パトリック陛下が帰国なされるまでの一週間、ブレイク殿下は監禁されていました」

 マルクの視線が徐々に厳しくなっていった。

「パトリック陛下の帰国後、ご命令によって即座に要求額が支払われ解放されましたが、明らかな拷問の跡がありました。また解放されたのちもリューク陛下に買収されたいくつかのメディアからバッシングされ、しばらくは塞ぎ込んでいたのです」

 髪が後ろでまとめられた。

「今回もまた同じようなバッシングをいくつかのメディアが叫び、何通か直接の手紙も届いている状況です」

 いたたまれない気分になって視線を移した先には、先ほど摘み取った黒バラが置いてあった。するとマルクがそれを持ち上げ、手渡してきた。

「ですが今回はオーウェン殿下がいらっしゃいます。誰も祝ってくれることがなくとも、たった一人でも祝ってくれることが心の支えとなるのです」

 マルクのその言葉で、最近読んだ本を思い出した。

「ありがとう」

 そうとだけ言い残し、急いで図書館へ向かった。

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