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Splendours Season1  作者: Saki Tachimazaki
2nd Act - プリンス・オブ・アルファライン -
11/18

Scene Delta-1【Splendours Season1】

 昼食を終えてから、お兄様を無理やり庭に連れ出した。というのも叙位式が終わってからお兄様はどこか気が重そうで、あまり元気がなさそうだった。そんなお兄様は、あまり好きじゃない。


「ねぇ、なにか嫌なことでもあったの?」

 道端の草木を眺めながら、何気なく聞いてみた。けれども満足のいく返事は得られず、そこはかとなくはぐらかされた。

「お兄様、こっち向いて」

 ……反応がない。

「ねぇ——」

「黙れ」

 確かにそう言って、足を止めた。

「わからないだろう、兄の気持ちなんて」

「わかるよ」

「わかんないだろう!」

 突き飛ばされ、近くの木にぶち当たった。

「国庫の荷物、国の荷物、邪魔な王子! 一切の愛もない!!!」

 逃げる隙を与えないほど早く首を捉えられ、そのまま木に押さえつけられた。

「ずっと一人、ずっと孤独、やっぱり生まれなければよかったんだ!!!」

 真っ青な目から溢れる光が脳を巡って、僕の思考をいとも簡単に盗み取って、潰していった。一つ潰されるごとに息が奪われ、そろそろ息が続かなくなってきた。だがお兄様の手は一切緩まず、それどころかより力が増した。

 きっと本気だ。

 残る力で暴れてみるが、青い光はそれを許さなかった。体から力が抜け、思考もほぼできなくなっている。お兄様は、僕がただ黙ってこの場で絞め殺されるのを望むようだ。

 そう悟ったとき、急に肺へ空気が入ってきた。——いや、後ろの木が折れたのか。なんにせよ、解放されてその場にへたり込んだ。

 だがお兄様はいつものように助けるどころか、逃げるように遠ざかってしまった。


 近くには黒バラが育てられていた。

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