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エクストリアン  作者: バドライ
14/17

本物の戦場

「負傷者はこっちだ!!」

「気持ちで負けたら終わるぞ!!」

「こんなトコでくたばるやつなんていねぇよな!!」


様々な声が飛び交い、励ましあう者、戦う者、負傷者を運ぶ者が戦場を行き交う。

コロニーの入り口では、なんとかモンスターを入れないように踏ん張ってはいるものの、

どうみてもこちらが劣勢だろう。


「翔、アジュガ!俺が切り込むから二人は援護してくれ!」

「了解!」

「あの…兄さん、僕、あまり多くの人の前で魔法を使っちゃうと後で面倒なことに…」

「解った。じゃあ、アジュガは杖で殴ってくれ。だけど、どうしても危険な時は使ってほしい。」

「…うん」

「――行くぞ!」


走り出した俺の身体は、直前にアジュガがかけてくれた支援魔法のお陰で見た目は変わらないが、少しだけ軽くなっている。

それは翔も同じで、普段よりも素早い動きを見せる。

やがて俺はゴブリンの部隊と交戦している冒険者達に加わる。


「ギギッ」

「…黙れ」


そう言うや否や、俺の剣はゴブリンの首を斬り落とした。

身体が軽くなっていることもあり、かなりの威力だ。

それを見た周囲の冒険者は若干引いているように感じたが、構っているヒマはない。

次々と現れるゴブリン軍団は、パッと見でも100体以上はいるが、こちらの人数はたったの20人ほどで、銃持ちは、敵の後方にいるオークを集中攻撃しているのでゴブリン軍団の相手をする余裕はなさそうだ。


「翔!右から来てる!」

「お…おう!」

「アジュガ!翔の死角に入ったヤツを片付けてくれ!」

「おっけー!」


的確に指示を飛ばしつつ、ゴブリン軍団の猛攻を受け流し、首を斬り、腹を突く。

返り血を気にする暇もなく襲い掛かるゴブリン達。これでは埒が明かない。


「ギッギギィ!」


周りに呼びかけるようにそう叫ぶゴブリン。その装備は周囲の者より明らかに強そうな装備だ。

…恐らく、アレがたくさんのゴブリンの群れを使役している団長のような存在だろう。

今の俺に倒せるかはわからないが、考える前に体が動いていた。


「ギギッ!?」


キィィィン、という剣が衝突する音、手に伝わる衝撃。

弾かれる剣を強引に戻し、団長の頭を目掛けて振り下ろす。

手応えはあった。しかし、それは彼が盾代わりにしたゴブリンだった。


「なるほど、お前は冷酷な悪者って訳だ。なら、殺られても文句はないよな?」


薙ぎ払うように放たれた刃を、極限までかがんで回避。

後ろへ跳び退こうとする彼に追撃を加えようと試みるが、いつの間にか左右に回り込んできたゴブリンの剣が振り下ろされ、間一髪で気付き、鍔で受け止める。

片方を足払いで態勢を崩させ、もう片方の剣を奪い、喉を刺す。

態勢を崩した方にも同じように刺す。


「おい…団長さんよ…ビビってねェでかかってこいやァァッ!!」


恐怖を怒りでかき消し、奪った剣と自分の剣で一時的な二刀流状態になる。

二刀流なんてものは使ったことはないが、こうでもしない限り戦術があまりに少ない。

二メートル程の距離を一瞬で詰め、俺の首を斬り落とさんと薙ぎ払われた一撃を、

左手に持った粗雑な剣で押し返す。

目を見開いて驚く彼に、右手の剣の一撃を見舞う。


「グギッ…!」


慌てて飛び去る彼の左腕に命中し、それは鮮血をまき散らしながら放射線を描いて落下する。

血液が滴る左腕を抑えながらも憎しみに満ちた眼差しを向ける彼。


「これで…終わりだッ…」


左手の剣を投げる。

それを避けずに剣で打ち返した彼の脇腹を右手の剣で斬り裂く。

奇怪な断末魔を上げながら倒れ込む姿を見た他のゴブリン達は皆、恐怖に満ちていた。

逃げ出す者、無謀に突撃する者、何かを話す者。

最も強いはずのリーダーが敗北したことによる混乱に乗じて、俺達は少しずつではあるがゴブリン達を押し戻していった。

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