ニンゲンカイにて
「…どう、フロスト。いた?」
「簡単に言うけどよォ、シュネー。人間界っつって、すごーーく広いんだぜ?んな中で一人の標的捜すなんざ限りなく不可能でさあ。」
そのフロストの声を聞きながら、私は木の上から下を見下ろす。
館の機器で大まかな座標は知ることができたが、それは想像以上に大まかすぎた。
しかし、私は確信している。
「とか言って、結局見つけるんでしょう?フロスト?」
「まあ、そうだけどよー……。」
頼んだわよ、と私が告げると、白い鴉は高い建物の並ぶ空へ消えていった。
ちろり、と下を見ると、ヴァイシュロスでは見たことのない服装をしている人々が集まっていた。
降りなさい! と声が度々聞こえるのに顔をしかめ、仕方がない、と木々をつたってその場から去る。
どの位移動しただろう。
中心部を離れた場所に一軒家を見つけた。近くの木から窓を通して見れば、黒髪の少年。
……奴だ。
ーーーー視点が変わりますーーーーー
「うぅ………」
さっき目覚めた時と同じ世界が眼前に広がる。 ぼんやりとした意識の中、何があったか思い出す。
…そうだ、ペンダントを探しに行ってそれから……。
ソフィンヌに眠らされたことをはっきりと思い出した俺は、ガバッと起き上がった。
起き上がると、目の前には探していたはずのペンダント。彼女は紐の部分を持ち、ペンダントをぷらぷらさせている。それから突き出した手を引っ込め、俺に微笑んだ。
「無理されちゃ困るのよ。まったくぼうやはすーぐ面倒かけてくるんだから」
「………っだ、だから、ぼうやって呼ぶな!」
「……ふふっ。それだけ、元気があるならもう大丈夫そうね」
「…さんきゅな」
「え?なぁに?よく聞き取れなかったわ??」
「うぜぇよ、顔が気持ち悪りぃよ」
「まあ、ひどいわぁ!……ふふふ」
「ははっ」
こんなにも心が穏やかな気持ちはいつぶりだろう。
そう思っているとソフィンヌは はい と言って俺にペンダントを差し出してきた。
「……………おう」
ペンダントに手を伸ば………
バリィンッ!
窓ガラスの破片が部屋の中に飛んでくる。そして飛び込んできたのはガラスだけでなく、矢も一緒だった。矢はガラスを割ったにもかかわらず、未だにまっすぐと俺の方へと飛んでくる。
状況が飲み込めない俺はただ呆然とするしかなかった。
あ、駄目だ。避けられない。
しかし一瞬にして、景色が部屋の中から外へと変わった。ソフィンヌが俺を掴み、割れた窓ガラスから外へ飛び込んだのだ。
外へ出ると弓で攻撃してきた張本人がこちらをじっと睨み、
「見つけたぞ、ルウクス……」
そう言った人物を見ようと顔を上げた俺は目を見開いた。
ーその人物は、俺のよく知る、ずっと会いたかった人。
その人、目の前の彼女の名を小さく呟いた。
「エイラ……?」
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ゆぅです、Twitter始めました。
お久しぶりです。機慧です。
みなさんお待ちかね(?)戦闘シーン突入でございます。




