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「……んぁ」


白い壁に低い茶色いテーブル、家具が少なめのシンプルな部屋。奥に目をやると、見知った女………ソフィンヌが座って窓の外を眺めている。

目線を感じ取ったのか、彼女はこちらに気が付いた。


「起きたみたいね」


「………」


意識を手放したのは魔物の発生する森の中。しかし今、自分は家にいる。

結局、あのまま倒れてしまったのか。


「……………」


体を起こし顔を上げると、こちらへやってきた彼女が何故だか緊張しているような、そんな表情をしているのが目に入った。


「………何?」


そう聞かれた彼女はピクッと体を震わせる。

どうやら何か隠しているらしいが、

「何がかしら?」

と、はぐらかされてしまった。


「お…」

問いつめようする矢先、彼女の表情が変わった。


「それにしても、ねぇ…?」


馬鹿にしたような笑みをこちらに向けてくる。

そのまま俺の前に座り、つかれたくないことをニヤニヤ顔で言い始めた。


「私の手は借りないとか、そんなこと言ってたのは誰だったかしらぁ?

けーっきょく倒れちゃってぇ、私がここまで運ばなかったら、別の魔物がやってきて、今頃はぐちゃぐちゃになって胃袋の中かしら?」


「ぐっ………。」


うぜェ、すごくうぜェ。

たが彼女に運んでもらっていなかったら、言われたとおりになっていただろう。俺は強がって反論するような人間じゃない。


手は無意識に首にかかったペンダントに触れようとする。

が、ペンダントはそこにはなかった。


「どうしたの?そんな間抜けな顔をして……」


「(イラッ) …………ペンダントがない」


「ペンダント? ああ、いつも持ってるあれね」


「戦ってる最中に落としたのかもしれない。探してくる」


この言葉と同時に俺は家の外へと飛び出した。


「ちょっ!待ちなさい!!」



かつて暮らしていた国とは違う、魔力のない世界。遠くには太陽の光をやけに反射する高い建物がたくさん。

俺はそことは正反対にある人気の少ない所へ走り出した。



「はぁ…、捕まえたわ…。突然、走り出すからびっくりしちゃったじゃない。魔法を使うわけにもいかないから……。もうっ!」


「離せ、ソフィンヌ。あれは大切なものなんだ。早く探しにいかないと」


振りほどこうとするが彼女の手はしっかりと俺の腕を捕まえている。とにかく力任せに抜こうとしても、人ではない彼女の力には敵わない。


「何を慌てているのよ。傷だってちゃんと治ってないのよ?悪化したらどうするのよ」


「…それでもっ、あれは、あれは…」


「いいから。‘眠りなさい’」


「うっ……あっ…………」


体が、動かない。

あの森の時と同じように段々と目の前の彼女の姿がぼやけていく。足が己の体重を支えられなくなったのか、カクンと体が崩れる。そのまま地面に打ち付けられるはずだった俺を彼女が支える。俺はそのまま意識を失った。






ゆぅです

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