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お久しぶりです
ゆぅです
敵は数体。このくらいなら問題なく殺せるが、奴らは大きな群れをなすタイプの魔物だ。仲間が近くにいるかもしれない。
そうなってくると後ろの奴……ソフィンヌから魔力の扱い方を多少教えてもらってる俺でもだいぶきつくなる。
「…お前がやってくれればすぐ終わるのに」
「喋ってたら気付かれちゃうわよ?」
「………」
聞こえないように独り言をついたつもりだったが、聞こえていたらしい。
ナメてた、こいつの聴力。
声を小さくすることもなく続けてソフィンヌは言う。
「何よ、その顔は。こんなことでイラついてるのかしら? 子供ねぇ…」
うるせェ……。こいつといるとイライラする。
「お前声でけェよ」
ガサッ
少し体を動かしたら、近くの茂みにあたり、音がなってしまった。
…………ふざけすぎた……。
魔物たちは一斉にこちらに振り向く。俺達の存在に気付いてしまったようだ。
今、俺は魔物どもに囲まれている。
「くそがっ、どっからこんなに湧いてきやがった」
その言葉が合図かのように奴らは一斉に俺の方へ飛びかかる。
魔力を具現化させ、剣のような形に変える。
攻撃をかわしながら敵を斬っていくが、敵も俺の攻撃を避けているため、当たってもかすり傷だ。
俺も完全に敵の攻撃を避け切れている訳ではないため、多少のダメージは受けている。
ただ、倒しても倒しても次から次へと魔物が押し寄せてくる。
多いな…。始めよりも増えてるんじゃないか?…仲間を呼ばれている……?
「手、貸してあげましょうか?」
そう言うのは魔法で姿を消しているソフィンヌ。
どうやら声は俺だけに聞こえているようだ。
「誰がお前の手なんかっ!」
「押されているように見えるわ?」
「うるせぇっ!まだ準備運動中なんだよっ!」
「あら、そうぉ?」
…………ムカつくな、こいつ。
跳んで敵から距離をとる。
見てろよ、ソフィンヌ。
敵は俺に向かって飛び込んでくる。
狙い通り。
剣を黒い粒子に戻し、それらは地面の中へと消えて行く。
同時に火焔魔法で目の前に迫った敵どもを灰に変える………とはいかないが、こいつらはもう動けないだろう。
倒れた魔物の後ろから新たに他のが迫ってくる。
あれを使おう、準備はもうできた。
狙うのは3m…が限界だな、以内にいる動くもの。
俺に迫ってくる魔物は一瞬にして何かに捕らえられ、地面へと落ちていった。
他の奴らも地面から生えている黒い蕀に捕まり、足掻いているが蕀が何かを吸っているかのように動き、しばらくすると動かなくなった。そして黒い粒子に変わり、散り、魔石が地面に落ちる。
「……見たか、ソフィンヌっ!倒せただろ?」
「そうねぇ…」
空からふわりと舞い降りるようにして、俺の前に姿を現した。
「だから、ほら、“ぼうや”ってぇのを…………」
ソフィンヌの姿がだんだんと朧げになっていく
あれ、もうちょっと持つと思ってたんだが……。
俺はそのまま意識を手放した。




