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運命の分岐点


フロストに、『黙っていて』と謝罪を含め、嘴を握り、つけ根らへんを撫でてやる。


そうすると、何故か(気持ちいいのだろうか)わずかな隙間を開けている嘴から「クカカカカッ」という声がもれる。


ずっと一緒にいるけど、なんかよくわからない。


クカカカッって何よ。


クカカカって。


でもまぁ、静かになるから良しとしましょう。


ネグリジェを黒のワンピースとゴシック風のマントに替え、ボウ一式を背負う。


頭にのっかかるフロストをちらりと見、


「あなたが鴉じゃなくて、もっと狩りに使える鳥だったら良かったわ。」


と言って、 10倍にもなって返ってくる白鴉の言葉を無視する。


部屋を出て、くるくるとくらい螺旋階段を降り、重い扉を開けて森へと向かう。


狩りといっても、兎ぐらいしかマトモ(・・・)な獲物はいないから別にデンジャラスな事は起きないんだけどねー。


という事を思いつつ、無意識にやわらかなメロディを口ずさんだ。




そういえばこの曲、私はどこで聞いて覚えたんだろう?


父から?いや、父は歌なんて歌ったらことがない。


じゃあフロスト?…せいぜい厳格な軍歌をアレンジしたものが関の山。


第一、この国はこんな優しい歌なんて歌わない。


もっと格調高くて堅苦しいものだったはず。


はて、では一体どこで?


うーん……。




なんて思ってたら、森に着くどころか国境まで来ていたらしい。


フロストの馬鹿!言ってくれたっていいじゃない。


『もうとっくに目的地には着いてんだよ、どこまで行くんだ、オイ!』的に。


あ、でももっと乱暴に言うはず。


あまりにもソフトにしすぎたわね。


いや、そんな事より。


「……アンタ、帰巣本能、持ってなかったりする?」


「てやんでい! 何だそのフェイントはよォ!持ってるに決まってんだろ、俺ァ格調高い白鴉なんだからよ!!」


「ああ、持ってるのね良かった。アンタが格調高いかは別として。」


何はともあれ、一応城には帰れる。


それまで他の動物に遭えないままご飯の時間になってもフロストを非常食にはしないわ。


城に帰るまでね!


途端、茂みから物音が聞こえた。



なかなか展開が進みませんが、そろそろいろんなのが動き出す頃ですのでお楽しみに。

閲覧ありがとうございました。

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