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砂浜
波打ち際に足を伸ばし、両手をついて並んで座っている二人。
絶えることなく続いている、サラサラという波の音。
闇に浮かぶ丸い月明かりは僕たちを照らし出した。
「あのさ」
揺れる月を見つめながら僕は言った。
『うん?』
隣にいる彼が優しく言った。
「僕たちって、どこから来たんだろね?」
答を求めずに僕は聞いた。
『さ~ね~。もしかしたら、あの星とか?』
彼は宙を指差し、こっちを見て微笑んだ。
僕は宙ではなく、彼の瞳を見つめた。それは星のように輝いていた。
そして、それが、僕の求めていた答だと思った。
僕は何か言おうとして、静かに口を開いた。
それを察したのか、彼はまた宙を見上げた。
僕は砂浜に、「すき」と指で書いた。
彼の代わりに、波がそれを消していった。
彼は「きらい」と指で書いた。
それも同じように、波が消していった。
僕と彼を見た地球が、照れているみたいだった。
僕は砂浜に、ハートを書いた。
そして、次に彼が書こうとしたとき
僕は彼の腕をつかんだ。
驚いてこっちを見つめた彼。
僕は彼に覆いかぶさった。重なり合う肌と肌。
彼の鼓動が伝わってくる。
強く抱きしめあった二人。
鼓動がひとつになった。
熱い想いを冷ますように、
二人の体を繋ぐように、
波は絶え間なく打ち寄せ続ける。




