第二章「基礎と序列」(2/3)
辺境では、夜は暗かった。
これは当然のことだったが、ここに来て初めてそれが「特性」として意識された。ヴォルン村の夜は暗い。火があれば明るい。火がなければ暗い。光は手間をかけなければ存在しない。王都の夜は暗くなかった。どこかに常に光があった。それが普通だとされていた。
上層の光は、その中でも別格だった。常にそこにあって、変わらなかった。美しかった。俺はそれを美しいと思いながら、何故か落ち着かなかった。
落ち着かない理由を探した。見つからなかった。後で考えよう、と思って、食堂に入った。
食堂は騒がしかった。
五十八人が一度に食事をする場所で、全員が朝の最初の時間を持て余していた。訓練前の、エネルギーが溜まっていてまだ使い道のない時間の騒がしさだった。
ブレン・ハウトがその騒がしさの核にいた。試験一位の男で、笑い声が大きかった。食堂全体の音量に占めるブレンの声の割合が、一人分を超えていた。ラーシュはブレンを見つけて、あそこへ行こうとする顔をした。俺はその顔を見て、輪の少し外に座ることにした。
ラーシュはそれを見て、俺の隣に座った。
「あっちに行かなくていいのか」と俺は言った。
「お前が来てくれればいい」
「俺はああいう輪に入るのが得意じゃない」
「得意になる必要はない」とラーシュは言った。「いるだけでいい」
俺はそれについて考えた。「いるだけでいい、というのは、今まで言われたことがなかった」
ラーシュは少し間を置いた。「そうか」と言った。それ以上何も言わなかった。余計なことを言わない種類の優しさだった。
ブレンの声が食堂に響いた。誰かが笑った。また誰かが笑った。波のように広がった。
俺はその波の外に座って、食事をした。波の外にいることで、波全体の形がよく見えた。誰が波の中心にいるか、誰が波に乗っているか、誰が波の外にいるか。情報として有用だった。ただ、情報として有用だということと、波の外にいることを望んでいることは別だった。どちらが本当かを、俺はまだ判断できていなかった。
食堂の後、中庭を通って訓練棟へ向かう途中、初めてセリア・アルヴェスを見た。
正確には、試験の期間に掲示板の前で一度見かけていた。合格者の名前を確認していた女で、俺の名前のところで一瞬止まって、足元を一秒見て、前を向いて歩き去った人間だった。それがセリア・アルヴェスだと、このとき初めて名前と顔が結びついた。
彼女は外交見習いの一団と一緒に中庭を横切っていた。外交見習いの服は候補生の訓練服とは違った。整えられていた。彼女はその一団の中で、一人だけ少し他の人間と距離があった。隣を歩いていたが、輪の中にいない人間の距離感があった。
俺の方を見なかった。俺を見る理由がなかったし、俺の存在を知る理由もなかった。候補生の一人が中庭を横切っている、それだけだった。
俺は彼女が横切るのを見ていた。輪の中にいない人間の距離感、という俺が感じたことが、正しいかどうかを確認しようとしていた。確認できなかった。一度見ただけでは分からないことがある。
ラーシュが「何を見てた」と聞いた。
「人の歩き方を見ていた」
「誰かの」
「外交見習いの集団の中の一人」
ラーシュは中庭の方を見たが、もうそこには誰もいなかった。「どんな歩き方だった」
俺は少し考えた。「一緒にいるのに、一緒にいない歩き方」
ラーシュはまたあの「正直だな」という顔をした。言葉には出さなかったが、顔に出た。
「そういう人間がいる」と俺は言った。「どこの集団にも、一人か二人は。集団に属しているが、集団の中にいない人間が」
「お前自身はどうなんだ」
俺はその質問を意外に思わなかった。思わなかった、ということ自体が少し意外だった。「俺は最初から集団の外にいる。中にいるふりをしていない分、あの人よりある意味正直かもしれない」
ラーシュは少し笑った。「そういう見方もあるか」と言った。
俺は何も言わなかった。訓練棟の扉が見えてきた。
クラウス・デムは、最初の授業で何も言わなかった。
正確には、技術的な指示以外のことを何も言わなかった。「構えろ」「踏み込め」「止まれ」。それだけだった。候補生の名前を呼ばなかった。褒めなかった。叱らなかった。外周に立って、腕を後ろに組んで、見ていた。
右腕の動きが少し悪かった。古傷だろうと思った。動き方の制限から、肘の辺りに問題がある、と推測した。剣を持つ動きではなく、腕を後ろに組んだときの右肘の角度が左より開いていた。痛みがあるか、可動域が制限されているかのどちらかだった。
俺がそれに気づいたのは最初の授業の最初の十分だった。
授業の後、ラーシュが「クラウス先生はどんな印象だった」と聞いた。
「右腕に古傷がある」と俺は言った。
ラーシュは少し間を置いた。「……それが印象か」
「最初に気づいたことだ」
「普通は怖い先生か優しい先生かを言うと思う」
「まだどちらか分からない。怖い人間と怒らない人間は違う。クラウス先生が怒らないのは今日の段階では分かった。怖いかどうかはまだ分からない」
ラーシュは「そうか」と言った。それ以上は何も言わなかった。
三日目に、俺はクラウスが何を見ているかを理解した。
最初の二日間、クラウスは外周に立って全体を見ていた。個々の候補生を長く見ることなく、均等に視線を動かしていた。俺はそれを観察していた。誰を何秒見るか、どのタイミングで視線が止まるか。視線が止まることはほとんどなかった。
三日目に、クラウスの視線が初めて止まった。
俺のところで。
三秒か、四秒か。それだけだった。その後また均等に動き始めた。ただ、止まった。
何が止めたのかを考えた。その少し前、俺は型から外れた動きをしていた。教わった型の踏み込みではなく、辺境で身につけた踏み込みが出た。左足を軸にして右足を引いて、体重を前に移しながら剣を下から上へ——教科書の型とは逆の軌道だった。癖が出た。
クラウスは型から外れたことを見た、のではないかもしれなかった。型から外れたものが機能していることを見た、のかもしれなかった。どちらなのかを、その時点では判断できなかった。
授業の後、誰も呼ばれなかった。
十日目に、クラウスが俺を名指した。
「ヴォルン、踏み込みは速い。だが終わり方が雑だ」
教室が少し静かになった。クラウスが候補生の名前を呼ぶのは珍しかった——他の候補生の反応で分かった。彼は全体に向けて指示を出す教官で、個人を名指しすることを好まない。少なくともこれまでの十日間はそうだった。
「終わり方、というのは」と俺は言った。
「相手を倒した後のことだ」クラウスは答えた。「お前は倒すところで頭が止まる。その先を考えろ」
言い終えると、彼は次の候補生に視線を移した。それで終わりだった。追加の説明はなかった。
周りの候補生がこちらを見た。どう解釈していいか分からない顔をしていた。俺も同じだった。褒められたのか叱られたのか、その場では判断できなかった。踏み込みは速い、と言われた。それは事実として言われた。終わり方が雑だ、とも言われた。これも事実として言われた。感情が入っていなかった。
デインが一秒だけ俺を見た。何かを評価している目だった。何の評価かは分からなかった。
その夜、暗炉の間に候補生が集まった。
暖炉の前に椅子が五つか六つ集まっていた。ブレンがいた。ラーシュがいた。マレンがいた。トールがいた。俺は輪の少し外に椅子を置いた。
「クラウス先生に名前を呼ばれた人間は今日が初めてか」とブレンが言った。部屋全体に聞かせる声量だった。
誰かが「そうだ」と言った。
「ヴォルンが最初か」とブレンは言った。こちらを見た。悪意のない目だった。ただ確認している目だった。「褒められたのか叱られたのか俺には分からなかったけど」
「俺にも分からなかった」と俺は言った。
ブレンは笑った。「正直だな」と言った。
「踏み込みは速いと言ったから、それは事実の確認だ。終わり方が雑だと言ったから、それは改善すべき点の指摘だ。褒め言葉と叱り言葉が混在していた」
「分解するんだな」とブレンは言った。面白そうに言った。「俺はああいう言い方をされると全部ひっくるめて叱られた気がしてしまう」
「内容を分けた方が対応しやすい」
「対応」とブレンは繰り返した。「訓練を対応として考えるのか」




